レビューメディア「ジグソー」

価格からすればかなり上質

Amazon等でKinboofiなどと共に格安イヤフォンリケーブルでお馴染みのブランドであるNICEHCK。所謂中華メーカーであり、日本国内に代理店がある訳では無く、セールや新製品の情報は彼らのwitterアカウントを通じて告知されます。

 

8月の最終週になり、彼らが突然イヤフォンリケーブルの福袋を発売すると告知しました。何でもコネクター根元のチューブ部分が変色してしまったものが多数あり、これを本来の価格よりも大幅に下げて販売することにしたという訳です。変色の度合いにはかなり差があるため、運が良ければ殆ど問題ない品が格安で入手可能とのことでした。

 

本体側プラグは3.5mmシングルエンド/2.5mm4極バランス/4.4mm5極バランスから選択可能、イヤフォン側端子形状はCIEM 2pinまたはMMCXとのことでした。導体は6Nで、彼らとしてはハイグレード製品だそうで、それを$19.99~(4.4mmのみ価格が上がる)で在庫限り販売するということで、この程度であれば試してみるのも面白いかと思い購入してみることにしました。

 

8月28日にAliExpressの公式ショップで注文したところ、8月31日には手元に届いているという迅速対応でした。製品データ等は上記の通りにしか公表されていませんので、早速実物で確認してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回購入したのは2.5mm4極バランス+CIEM 2pinのものです。導体は結構太く、コネクター類も格安製品と比べると重量感と強度があり、彼らとしてはそこそこハイグレードな製品であることは間違いないようです。以前購入した2千円台の製品と比べると質感がかなり異なります。

 

なお、私が買った個体は2.5mmプラグの根元が少しだけ濁っている程度のようです。この程度であれば普段使いで気になることは無いでしょう。

更新: 2022/09/05
総評

コストパフォーマンスは素晴らしいが、より上位の製品との差は歴然としている

まだ殆ど鳴らしこみはしていないので、印象が変わる可能性はありますが、現時点での音質を確認しておきましょう。

 

まずは私が持っている唯一のCIEMである、Hisenior T2 Customと組み合わせて、ORB Clear Forceと比較してみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このケーブルはNICEHCKの説明では「高域好きのためのケーブル」とのことですが、高域方向のクリアさに特徴があるORB Clear Forceと比べてしまうとむしろ中低域寄りに感じられます。「Forgotten Toys / David Paich」「Quiet Life 30th Anniversary Edition / 竹内まりや」辺りを聴いてみたのですが、高域方向のヌケの良さやクリアさはClear Forceが優位、低域の重心の低さや力感・厚みはNICEHCKが優位という感じでした。竹内まりやのヴォーカルはNICEHCKの方が力強さがあります。

 

国産ブランドで1万円台半ばの製品であるClear Forceと比較して、どちらかが決定的に上回っているという感覚は無く、好みで使い分けられる範囲であることを考えると、NICEHCKのコストパフォーマンスは素晴らしいものがあります。

 

 

では、より上のクラスの製品との比較ではどうなるのか、今度はUnique Melody Mini MESTと組み合わせ、BriseAudio STR7-Stdと比較してみることにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに新品価格で約3万円のSTR7-Stdとでは、好みの違いでは無く純然たるグレードの違いがありました。STR7-StdはClear Force以上に高域がクリアかつ緻密でありながら、低域の力感やヴォーカルの説得力、音場の広さなどあらゆる要素でNICEHCKを圧倒しました。

 

写真にある「マンハッタン・キス / 竹内まりや」で比べてみると、まずヴォーカルの実在感がまるで違い、STR7-Stdであれば中央でどっしりと構えて歌っている印象となるところが、NICEHCKでは中央から声は聞こえていても、地に足が付いていないような印象を受けてしまいます。空間の広さも一回り以上縮んでしまいますし、ベースラインが腰高で輪郭もぼやけてしまいます。Mini MESTは環境の変化に敏感なイヤフォンですが、ケーブルだけでこれほど印象が変わるということに改めて驚かされます。

 

 

NICEHCKケーブルは恐らくイヤフォンが3万円クラス以下で、その標準添付品と交換するのであればリケーブルの価値が感じられる程度の実力は備えているでしょう。ただ、それ以上のクラスのイヤフォンで、既にそこそこのケーブルを組み合わせているのであれば、交換してメリットが感じられるほどでも無いという実力と思います。

 

少なくとも同じNICEHCK製でも、Amazonで同等の価格で売られているものと比べれば、こちらの福袋ケーブルの方が明らかに上質ですので、AliExpressでの購入に抵抗がなければこちらを選んで損は無いでしょう。ちなみに現時点では私が購入した2.5mm4極バランス+CIEM 2pin以外の仕様はまだ購入可能なようです。

  • 購入金額

    2,230円

  • 購入日

    2022年08月31日

  • 購入場所

    AliExpress NICEHCK

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