レビューメディア「ジグソー」

USB DACのポテンシャルを引き出す

最近はメインPCに接続しているUSB DACは、CHORD Hugoをメインとして使っています。

 

しかし、Hugoの入手以前に使っていたFOSTEX HP-A8もまだ繋がっていて、時々は稼働させていました。このHP-A8はaudioquest製USBケーブル、CARBONを使ってPCに接続していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

audioquest CARBONは当時かろうじて1万円を割る程度の価格で購入していて、USBケーブルに払える金額としては上限という感覚でした。それまでもオーディオ向けUSBケーブルは何種類か使っていましたが、その中では最も上のクラスとなるCARBONはそれに見合った満足感を提供してくれていました。もっとも、このCARBONにはケーブルインシュレーター、SUNSHINE Spiral Exciterを組み合わせていて、解像度などは標準状態よりはっきりと向上していましたが。

 

 

今回たまたまCARBONよりも明確に上位クラスの製品となる、Wireworld製のオーディオ向けUSBケーブル、Silver Starlight 7を安価に見つけましたので、久々にUSBケーブルの試聴をしてみることにします。なお、Wireworldはアメリカのオーディオケーブル専業メーカーで、色づけのないケーブルを追求し続けることに特徴があります。彼らはケーブル開発の際に導体を持たず端子同士を直接結合したものをリファレンスとして、それと可能な限り同等になるように開発しているということです。

 

 

 

 

 

 

 

WireWorldの比較的上位のインターコネクトケーブル製品は、このような専用ケースに収納されて出荷されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Silver Starlight 7はWireworld製USBケーブルの中ではSeries7と呼ばれる世代の製品群の中で、上から2番目というクラスの製品です。最上位のPlatinum Starlight 7は純銀導体を採用していて、1mで約10万円という製品でした。上から2番目となるSilver Starlight 7は名称とは裏腹に銀コートではあるものの銅導体を採用していて、今回入手した1m版で標準価格42,500円と、最上位から見れば半額以下というクラスとなります。

 

ちなみにこれまで使っていたaudioquest CARBONはオープン価格ですが、私が使っている1.5mで現時点での実売価格は2万円程度のようです。つまりほぼ2倍程度の価格差があるということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

皮膜に「HIGH SPEED USB」と書かれている通り、対応規格はUSB 2.0となります。なお、最新の後継シリーズであるSeries 8ではUSB 3.0やUSB 3.1 type C形状が用意され、USB 3.x転送にも対応しているようです。

 

 

 

 

 

 

 

今回は中古購入ですが、ケーブル裏面にWireworldの国内正規代理店であるNASPECのシールが貼付されていますので、正規品である可能性は高いと思われます。

更新: 2022/05/01
総評

HP-A8のグレードを引き上げる

それではこれまで使っていたCARBONと聴き比べてみましょう。

 

今回はケーブル同士の純粋な比較とするため、CARBONに巻いていたSUNSHINE Spiral Exciterは外しています。

 

ヘッドフォンはMassdrop × SENNHEISER HD6XX、ケーブルにはBrise Audio STD001HP for SENNHEISER HD650を使っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソースはLPから取り込んだ「...Nothing Like The Sun / Sting」や「TOTO XIV / TOTO」などを聴いています。

 

先に従来通りのCARBONでいろいろと曲を聴いてから、Silver Starlight 7に差し替えるという形で比較しています。

 

すると、音場の広さは僅かですがCARBONの方が広かったように感じられます。しかし、その空間の密度感はSilver Starlight 7の方が数段濃く感じられます。特にアルバム「...Nothing Like The Sun」は低域の重心が下がって低域~中域にかけての密度や質感が向上したことで、格段に生々しさを感じられるようになりました。

 

また、「TOTO XIV」では高域方向、特にハイハットの細かさと金属感が別物のように出てきましたし、ヴォーカルの声もぐっと存在感を増してきます。CARBONもそれ以前に使ったケーブルと比較すれば明らかに良かったのですが、約2倍という価格差を覆せる程でもなかったようです。この両者を聴き比べれば、多少なりともオーディオの違いを理解できる人であれば、間違いなく違いを感じ取っていただけるだろうと思った程に歴然とした差です。

 

実はCHORD Hugoを購入した後はHP-A8の音が薄っぺらく感じられてあまり使わなくなっていたのですが、Silver Starlight 7を組み合わせたことでその印象は随分変わりました。これならHugoと併用できる水準に達したと思います。

 

 

現行のSeries 8ではメーカー特注でUSB typeA to microBというケーブルも提供されるようになったため、Hugoのケーブルも交換してみたいという気持ちは出てきたのですが、生憎Silver StarlightはSeries 8では用意されておらず、高価なPlatinum Starlight 8か、一つ下のクラス(とはいえ内容はSilver Starlight 7に結構近い)Starlight 8のどちらかとなってしまうようです。ただ、いずれStarlight 8は検討してみようと思える程に魅力を感じました。

  • 購入金額

    8,800円

  • 購入日

    2022年04月20日

  • 購入場所

    HARD OFF

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