SNE(シスネット:茨城県龍ケ崎市)から発売されていた音源モジュールです。SNEはPC-98用サウンドボードを発売していた会社で(サイトがもう無いようですが一応会社自体は今でもあるらしい)PC-98ユーザーには名前が知られていたようです。
同社のMIDI対応サウンドボードとしてMC-55PCMZがありますが、これのモジュール版がMC-5500で、これは今回入手したMC-6600からリバーブ・コーラス機能を省いたもののようです。
筐体の特徴
高さは1U、幅はやや狭めの⅓ラックサイズです(但し、奥行きは ALESIS NanoSynth と比べて長い)。
奥側にはAC入力、MIDI THRU、シリアルポート、MIDI IN、入力セレクタ、音声出力(ステレオミニジャック)があります。電源は9Vセンタープラス、600mAです。
なんとMIDIポートがミニDINになっています。これはX68000のMIDIボード(シャープ純正品のCZ-6BM1)にもみられる特徴ですが、CZ-6BM1用の変換ケーブルが使用できます。
切り替えスイッチは写真の位置にするとMIDI INになります。
手前側には電源スイッチ、リセットボタン、ヘッドホンジャック、音量調節があります。
上面には電源ランプ(赤LED)がありますが、それ以外のインジケータはありません。
音源の特徴
かつて SC-55mkII がDTM標準音源とされ、各社からGM音源(一部はGS音源も)が発売されました。MC-6600もそのようなGS音源の1つで、SC-55mkII の音色がすべて収録されているほか、いくつか音色が追加されています。また、GM以前に普及していたMT-32互換配列も収録されています。
- Spanish Gt. (25, 1) Ac.Gt.(Nylon) (25, 0) より硬い音がします。SCシリーズにはありません。
- 60's Gt. (28, 16) キャピタルトーンよりベタ感があります。SC-88Proでは JC Chorus Gt が割り当てられていますが、それとは異なります。
- Night Sax (67, 8) キャピタルトーンとの違いが分かりづらいです。SC-88では BreathyTnr. が割り当てられていますが、それとは異なります。
説明書から漏れている、Violin (41, 0)、Slow Violin (41, 8)、Syn Mallet (99, 1)、Sitar 2 (105, 1) も収録されています(バイオリンはバリエーション表の行ごと抜けていた)。このため、「楽器:225音色」と書かれているのは誤りで、229音色(違いが判らなかった Night Sax を除くと228音色)で、MT-32配列の128音色と合わせて357音色(356音色)です。カタログスペックでは393音色ですが盛ってますね(MT-32配列を数えない代わりにドラムキットの中身を1個1個数えている)。でもSC-55mkII より多いのは確かなのですが。
但し、同時発音数は24音でSC-55並みです(SC-55mkIIは28音)。
パッケージにはこんなことが書かれています。
「概要 MC-6600は、名ばかりの貧弱なMIDIではなく、名音源として名高い、フランスのドリームのPCMチップを搭載し、リバーブ&コーラス・エフェクト機能を加えた、本物のクオリティが楽しめるGM/GS音源です。また、……」
当時は各社からGM音源やGS音源(SC-55/SC-55mkII互換)が発売されていた中、SC-55より高音質だったり安かったりするものがよくありました。MC-6600の場合は当時の定価が税別で49,800円でした(SC-55は税別で69,000円)。小型であるというのも良い所です。
PMA-5(音源部は概ねSC-55mkII相当)と比べ出音は遜色ないのですがもたり(処理落ち)がちです。
- 魔王魂の戦闘曲37でややもたりが感じられます。
- RPGツクールVX の Battle1.mid に至っては聞くに堪えないレベルで途切れや抜けが発生します(このデータの場合エフェクト機能ではなく別のチャンネルのノートオンでディレイをかけているのでボイス超過が発生します。2、4、6、8チャンネルをミュートすると途切れは見られなくなりますがやはりもたります。でも、このデータは88Proでもオケヒがもたるんだから……)。
- 東方紅魔郷の「亡き王女の為のセプテット」では(本来は88Pro用のデータですが)目だった音切れが見られないもののやはりもたります(PMA-5で再生したところ目立ったもたりが見られませんでした)。
なお、当時の音源モジュールは本来出力をスピーカーに繋ぐものでしたが、当方はスピーカーを使用せず一度PCに還流(今のところ INTEGRA-7 経由)してからヘッドホン(外部ヘッドホンアンプ経由、しかもモニター用として有名なM50x)に出力しています。
昔の音源なのでしょうがないのですが今の音源と比べるとストリングスがチープな感じです。PMA-5(音源は 55map 相当)の出音がしっとりした感じに対し MC-6600 は出音がはっきりしています。でも、なんか暗い感じです。
それと、リバーブやコーラスを付けてもパンポットを設定しない限りステレオ相関係数が下がりません(Mid-Side 形式にした時に Side 成分が乏しいということ)。
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購入金額
14,300円
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購入日
2022年03月13日
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購入場所
ヤフオク
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