たまたまZYX製カートリッジの情報を調べていて、代理店のヒノエンタープライズのWebを閲覧していました。すると、直販サイトにアウトレットコーナーがあるのを見つけたのです。もっとも、ZYX製品のアウトレットなどは当然存在していなかった訳ですが…。
そこで何となく気になったのが、高級ケーブルで知られるPURIST AUDIO DESIGNの切り売り電源ケーブル、AC-IOTAの半端物でした。
AC-IOTAはPURIST AUDIO DESIGNとしては廉価品ですが、完成品の電源ケーブルであれば1mで3万円クラス、切売で8,400円/mという製品です。それが1mに僅かに足りない93cm分しか無いということで、2,800円で売られていた訳です。
ここで考えたのが、現在オーディオシステム用の電源タップとなっているKOJO Force bar 6.1に給電するために使っている電源ケーブル、aet HCR AC Rev.Bの存在です。
このケーブル、音質にはそれなりに満足しているのですが、1.8mとタップに使うにはちょっと長すぎて、とぐろを巻いてしまう訳です。そこで加工したら恐らく85cm程度に収まるであろうAC-IOTAで新たにケーブルを作って、HCR AC Rev.Bは他に回そうという考えに至り、このケーブルを購入したのです。
本当に半端な状態で倉庫の片隅に眠っていたものなのでしょう。皮膜に擦り傷などが結構あります。
3.5sqの3芯という、電源ケーブルとしてはオーソドックスな構成です。変に凝った構造ではないので、自作がしにくいということは恐らくないと思います。
長期在庫品と思われますので、両端は3cm程度ずつカットしてから使うことにします。
皮膜には「PURIST AUDIO DESIGN AC-IOTA <PS>E JET INTERWIRED」とだけ印刷されています。
PURIST AUDIO DESIGNはかつて個性的な高級ケーブルで名を馳せたブランドですが、PSE法の影響でそれらのラインアップは日本に入ってこなくなりました。そのため、改めてPSE法に対応させつつ、オーソドックスなお手頃価格のケーブルとして用意したのが、このAC-IOTAになるらしいです。
製品発表時の社長コメントでは、$1500~2000クラスよりも良い物が出来たと満足しているとのことですが…。
今回の購入価格なら文句なし
加工の過程や使った部品はまた後日紹介しますが、取り敢えず完成品がこちらです。
完成した後、導通チェックをしてから試聴しようとしたところ、テスターが電池の液漏れで使えないことがわかり、代替品のテスターを手配するまで丸1日お預け状態となってしまいました。
当初の目的であるForce bar 6.1で使う前に、まずは単品での音質を確認しておくことにしましょう。
今回は使い慣れたFOSTEX HP-A8の電源ケーブルとして使い、普段ここで使っているEx-pro AC-1と比較します。実は今回用意したプラグは、aet製PSE-018HGとPSE-320HGであり、これはEx-pro AC-1と同じ組み合わせなのです。これで純粋にケーブルの比較が出来ると考えた訳です。
ヘッドフォンはいつも通り、SENNHEISER×Massdrop HD6XX+Acoustic Revive RHC-2.5HS-S-TripleC-FMです。
まずは普段通りEx-pro AC-1で数曲聴いた後、AC-IOTAにつなぎ替えて同じ曲を聴いてみました。
まず一聴しての大きな変化は音場が広がり、空間の見通しが良くなるということです。Ex-pro AC-1は割合音場が狭い方だったので、結構大きな差が感じられます。
主に「CWF2 / Champlin Williams Friestedt」を聴いてみましたが、ヴォーカルの質感も明確にIOTAの方に分があります。声の生々しさが向上し、エコー成分や間接音が豊かに出てくるようになりました。
間接音が豊かであり雰囲気重視型なのかと思えるのですが、バスドラムのアタックの鋭さなども十分にあり、殆どの要素で進歩が見られます。恐らく使っているケーブル部分の価格は2倍以上違うのだと思いますが、それ以上に感じられる程度に実力差が感じられます。
私の素人工事ですらこれだけの実力を発揮してくれましたので、恐らく技術力のある方がきちんと製作すればより音質面でも良くなるのでは無いでしょうか。材料費は合計約9千円(実際には楽天等で揃えてポイントを利用していますので、現金は5千円も払っていません)ですが、その価格で買えるような完成品よりは明らかに良いと思います。
エージングでよりレンジ感が拡大
実は試聴が済んだ後も、エージングを進めるためにHP-A8に繋いだままで1日以上使い続けていました。
そして改めて同じように聴いてみたのですが、使い始めよりも明らかに低域の深みが増しています。高域はより繊細さが増した一方で、少しだけソフトタッチに感じるようになったかも知れません。相変わらず音場は広さが十分にありつつクリアです。
全体的にはより味わい深い音に変化していっていると思いますので、このままもう少し使い続けてから本来の目的で使うことにしようと思います。
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購入金額
2,800円
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購入日
2021年03月08日
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購入場所
ヒノエンタープライズ
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