レビューメディア「ジグソー」

組み合わせという意味ではかなりの難物

musashino label製イヤフォンケーブルを試す企画、第3弾です。

 

 

 

 

 

 

 

これで4千円に値下げされた3モデルをすべて制覇する形となりますが、私自身の好みでは、組み合わせるイヤフォンがUltimate Ears UE900やSHURE SE215であるという前提であれば圧倒的にStonesでした。SunshineはUE900での相性があまり良くないことに加え、アニソン向けというだけにちょっと派手さが目に(耳に?)付く部分がどうしてもありましたので。どちらも4千円ということを考えれば十分に優れているとは思いますが。

 

そして今回取り上げるCantabileは、for クラシックと銘打ったモデルとなります。メーカーの説明によると、

 

 

高音寄りにチューニングされた"Cantabile"シリーズは音の伸びがよく特に弦楽器がメインのクラシックや女性バラードとの相性が抜群。 お気に入りのイヤホンが弦のこすれる音からホールに響く余韻まで表情豊かに歌いあげてくれます。

 

(musashino label Cantabile 製品紹介ページより引用)

 

 

とのことで、アニソン向けというSunshineと同様に銀コートOFC線が使われているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パッケージデザインはこれまで取り上げた2製品と同一のもので、製品名の部分だけが差し替わった形ですし、ケーブル自体も2.5mmプラグの背中が緑色に塗られている以外は違いが特にありません。

更新: 2020/03/10
総評

元のバランスが崩れたイヤフォンでは意外と良いが…

取り敢えず、前の2製品と同様にDAPにはAstell&Kern KANN、イヤフォンにはUltimate Ears UE900とSHURE SE215をそれぞれ用意しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、一聴した途端に正直言えば頭を抱える結果となります。特にUE900では顕著だったのですが、低域が質・量ともにこれまでの2製品よりも遙かに減ってしまい、中域部分が極端に張り出した音になります。

 

メーカーの製品説明では高域寄りとのことでしたが、高域はSunshineほど明瞭さがありませんし、楽器の音よりもホールエコーばかりを鳴らそうとしているかのようなアンバランスさを感じてしまいます。KANN+SE215などは、普段ならちょっと野暮ったさを感じるような低音が分厚く出てくるのですが、この間のケーブルをCantabileに交換した途端に極端なカマボコバランスへと変化してしまいます。開発時に組み合わせたイヤフォンがどんなものだったのか気になるほど、どちらとも合いません。

 

そこで元がかなり極端なバランスのイヤフォンならどうかと思い、急遽予定に無かったSONY XBA-A2を引っ張り出してきました。

 

 

 

 

 

これはダイナミック+BAのハイブリッドモデルであり、ダイナミック側の主張が強く私の好みには全く合わなかったため、年単位でお蔵入りしていた製品です。

 

すると、XBA-A2本来の印象とは全く異なる、やや高域寄りバランスの細身の音でまとまります。この状態でクラシック系の音ということで、「Rock Revolution / David Garrett」を聴いてみます。

 

 

 

 

 

すると、低域方向が薄味に感じるものの、総合的にはそこそこ聴けるバランスとなります。ただ、XBA-A2はBAドライバーの音質が率直に言ってかなり悪く、ヴァイオリンの音色にはかなり難を感じますので、このアルバムを楽しめるという域には達していません。ただ、元が極端にバランスを欠いているイヤフォンであれば、このケーブルとの組み合わせが吉と出る可能性は感じられました。

 

 

3モデルの試聴を終えた結論として、まず幅広い層にお薦めできるのは、for ロックと記載されたStonesです。銅線を採用していることもあるのでしょうが、変な癖が付かずクリアで高解像度な音が楽しめます。5千円以下クラスのケーブルとしてはずば抜けた実力の持ち主ですから、MMCXのイヤフォンで少し音質を底上げしたいというときには間違いの無い選択肢となるでしょう。

 

キラキラとした派手さを好まれる方であれば、for アニソンと銘打ったSunshineもなかなか良いでしょう。アニソン系の曲にありがちな音圧が高く派手な音作りのソースであればStones以上に上手く嵌まる可能性はあります。

 

そして今回聴いたCantabileについてですが、私が試した範囲では前の2製品と違ってあまり積極的にお薦めできるものではありませんでした。私の手持ちの中にMMCX対応イヤフォンが少ないことが原因ではあるのですが、このケーブルが良さを引き出せるイヤフォンやソースには巡り会えませんでした。

 

 

ただ、一見するとほとんど差が無いように感じられるケーブル3種類で、これほど明確に違ったキャラクターを持っているということはなかなか面白いと感じます。とにかく破格といえるほどに安くなっていますので、興味のある方は2~3種類を同時に入手して、自分の好みを探ってみるのも面白いと思います。

  • 購入金額

    4,000円

  • 購入日

    2020年03月03日

  • 購入場所

    eイヤホン

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