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SATIN「M-21」フォノカートリッジ

SATIN「M-21」フォノカートリッジ  

京都サテン社が1980年に発売したMC型フォノカートリッジです。 サテン社の事は過去の持ち物品に

書いてありますので宜しければご覧ください。このカートリッジは1989年販売を終了していますが 

このM-21シリーズはサテン社の最終製品で、M-21 M-21B M-21Pの3種類がありました M-21Pは当時85000円でした。89年頃はCD全盛となりレコードも段々衰退していきました。 

 

 

以下..太田博文氏のホームページからのコピーです http://ohta.html.xdomain.jp/satin/satin.html

社長の塚本謙吉氏は,1991 年に会社を閉じられるまで京都のサテン音響本社・ご自宅にいらっしゃいました.その後,故郷の仙台市に新築されたご自宅へ息子さんを呼んで同居され,2002 年 11 月に 78 歳で亡くなられました.独創的な技術と素晴しい音をありがとうございました.

以上   

 

      

 

                           M-21無印 今回のこのシリーズでは一番低価格品でした

   

   

  

このカートリッジは交換針が付属していませんでしたので手持ちのM-18Eの交換針を使っています

形状、配色が同じ物です(どちらも楕円針)左チャンネルのコイルが固着していましたがなんとか動くようになりました でも100%回復してないです。

    

    

            

  

レコード販売終焉の頃のカートリッジなので数が残っていないのかヤフオクでも年に完全個体は数個しか出品されません しかも高い...正常に稼働する物が少ないです 交換針が無かったり他機種の物やダンパーのオイルが硬化して音が出ない物が多いです。(サテンカートリッジは30~40年も経っているので振動コイルダンパーのオイル固着が多いです)   

 

音質はワイドレンジでCD特性に似た感じですね サテンらしい繊細で切れの良い高域傾向の音質と歯切れの良い低音を聴くことができます。サテンというとMC型カートリッジで高出力が売りでしたが、このカートリッジは1.8mVです なんとかMMポジションでも再生できますが一寸レベルが低いですMC側にしたのが元気な音になりますね (M-21B : 1.2mV  M-21P : 0.6mV) ですが此が問題なんですね プリアンプTA-E86 MCポジション 40Ωの負荷ポジションで聴くのが合ってます

  

骨太の低音はM-18BXに譲るとしても、ワイドレンジ、低音もしっかりと出て、低音弱いサテンと

オーディオ評論家に言われてきたのですが一矢報いた製品とも言えます ボーカルは瑞々しくハッキリと聴くことができます。

 

追記 2020.1.22

当時の、文字通りサテン究極の最終兵器と言えるものだったと思います。

最終兵器というと悲壮感が漂います 回天や桜花、橘花...名前は美しいですが、現実は悲惨です。

でもSATINのカートリッジには哀愁が漂いますが、再生音には悲壮感は漂いません クッキリ、スッキリなCDみたいな音質ですね。

     

   

SWEEP波形        L-CH                    

 

     出力インピーダンスが30Ωや12ΩとなるとアンプのMM型入力ではレベルが下がります

     このためMCトランスやMC入力のアンプを必要としますね 何故こうなったか..

     コイルの巻き数を少なくして高域の追従性を良くしたとも言えます。

     M-117 コイル抵抗が90~200Ω → M-21シリーズ 30~12Ω 

     反面サテンの利点であった出力電圧の高かったのが低くなってしまいました M-21Pは

     MCトランス必須ですね。   

   

 

     

   

                                                                 RCH                高域のダンピングが効いていません...              

 

 

                                                        1KHzと高調波           

 

発電コイルがM-117などではマグネットギャップ1カ所に入ってましたがM-21は2カ所に入りコイルが振動して起電します コイルの巻き数が減っていますから発電?効率が上がってもトータルで低下します。レコード針、マグネット、コイルしかないのですが此で音楽が聞こえます 簡単明瞭だけに難しかったと思います 逃げ道無いですからね。    

  

左図を180度回転したものが右図ですが、右はコイルがマグネットギャップ2個に収まっています      

M-117コイルがマグネット間ギャップ1カ所   M-21 コイルが長方形のマグネット間2カ所間                                     

 

 

いろいろ有るわけですがサテンの遺産は凄いですね こういう物を手作りで作っていたわけで神業と高度の技術を持った人々が作っていたのでわと驚きです。画像では大きく見えますが実際は本当に小さい物なんです 良く作ったなと思うことしきりです。 

   

      

  

       

   

  

       

 

 

 

 

    

  

    

 

  

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2018年頃

  • 購入場所

19人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • aPieceOfSomethingさん

    2019/02/07

    タコシーさん こんにちは。

    SATIN製品のレビューはいつも楽しみにしています。
    今回のレビューもとても参考になりました。

    日記の方に少し書きましたが、先日父が亡くなり、兄弟がそれぞれに買って実家に
    置きっぱなしにしていたオーディオ製品をどうするか、頭の痛い問題になりつつあります。

    愛着のある製品なので売りたくはないのですが、かといって今の自宅に置く場所もなく..。
    すぐに処分しなければいけないわけではないのですが、ずっと実家に置いておくわけにも
    いかず..。

    こうなるとタコシーさんがカートリッジを趣味にしたのは先見の明あり?ですかね?
  • タコシーさん

    2019/02/07

    aPieceOfSomethingさん

    お悔やみ申し上げます。

    私は義理親でしたが、同居ではなく30年間離れた生活でした 
    でも心にぽっかり空洞ができるって本当ですね
    後でじわじわ想い出が蘇ってくるものです
     
    我が家は狭いので機材は集められませんが、 
    昔からのアンプとプレーヤーから始めました 段々カートリッジが増えましたね
    カートリッジとレコード位しか集められないのですね 
    アンプを中古で探して、ヘッドホンを足して殆ど現在です
    カートリッジは一番音が変化して面白いですね 
     
    義理親宅にもステレオが有りました ヤマハのセパレートステレオで偶に母が聴いていました
    去年旧宅の荷物を処分したのですがそのときステレオも処分して貰いました
    私はカートリッジだけ貰ってきました SHURE M75-6Sですね ヤマハのステレオに
    付いていました。 音楽は楽しくもあり悲しくもありですね。

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