「好み」は人それぞれで、主観であり、外的な影響や後天的な影響が少ないような気がする。しかし、本書では「好み」は後天的にかなり外的要因に左右されることをデータで示唆している。
例えば、評価システムでは、人は好意的な評価には追従しがちだが、否定的な意見には懐疑的になるらしい。例えばある商品に星2つをつけようと思う人は、その商品のレビューが星1つだった場合、帳尻を合わせるために星3つに上げてしまうと。
また、単純接触により、見る回数に比例して好きになってしまいがち、逆に元々嫌いならば嫌いになりがち、なのだそうな。本当に好きなのかどうかは時間を空けて見つめ直す必要があるかも。
また、先天的には「苦味」は毒であるはずが、後天的に「美味しい」と学習が起こる。ビールを初めて口にしたときは、誰もが「糞不味い」と思った経験があると思う。
多くの人が好き嫌いを表現するロジックを持ち合わせて居ない場合に「すばらしい」という言葉で逃げている。哲学者のウィトゲンシュタインはこの「すばらしい」という言葉を嫌ったそうで、形容詞より顔文字のような記号の方が表現力があると言ったらしい。超先進的。
そう言えば、DoCoMoがイケイケの頃、絵文字は欧米メディアから子供っぽいと痛烈に批判されていた。今ではUnicodeに顔文字や絵文字が登録された。ちなみに絵文字は英語も Emoji。
人工知能が発達すると好き嫌いを言うようになるのか?
人工知能の出す結論(ニューラルネットワークの出力)は、ロジックではなく、人間には説明できない。
であれば、好き嫌いも学習できるかもしれない。
そして、受動意識仮説的には、人間はそのロジックを欲しがる。
なぜ好きなのか、なぜ嫌いなのか。
でも、それを説明する言語を人間はまだ習得していない。
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購入金額
2,268円
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購入日
2018年08月頃
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購入場所
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