レビューメディア「ジグソー」

いい加減風呂敷を広げすぎでは?

日本ファルコムの看板RPG、英雄伝説シリーズは6作目となる「英雄伝説VI 空の軌跡」から事実上「軌跡シリーズ」という別体系のシリーズとなってきたわけですが、このシリーズは架空の世界「ゼムリア大陸」を舞台として、作品ごとにその中の別々の国が描かれるという形で続いてきました。

 

初代「空の軌跡」「空の軌跡 Second Chapter」「空の軌跡 the 3rd」は自然に囲まれた割合牧歌的な印象を受けるリベール王国、次作「零の軌跡」「碧の軌跡」は近代化が進んでいるものの大国に挟まれ自立できないクロスベル自治州、その次の「閃の軌跡 I~IV」は大陸最大の軍事力を誇る大国エレボニア帝国、そしてマルチサイトで展開される外伝的作品「創の軌跡」を挟み、戦争により国力を落としたエレボニアに代わって大陸最大の勢力へと成長を遂げたカルバード共和国を舞台とする「黎の軌跡 I~II」ときて、シリーズの幕引きに向かうと社長が明言していた本作「界の軌跡」へと続いてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに「空の軌跡」全3作はレビューを上げていませんが、日本ファルコムがPCゲームを自社で発売していた時期の作品であり、当然全て購入しています。

 

ただ、ここまで続いてくると開発の都合や商売の都合など色々あるのでしょうけど、どうしても駄作も出てきますしボリュームの多さが単に無駄な引き延ばしに感じられる部分も出てきます。

 

「空の軌跡」は2作目まで、「零の軌跡」「碧の軌跡」は「零」のボリュームが妙に少なくバランスは欠いているもののまずまず、「閃の軌跡」は2作目まで、「創の軌跡」はまずまずで「黎の軌跡」は1作目のみと、それぞれ節目の作品は出来が良いのですが、それ以外は何というかストーリーの必然性では無くゲームの都合で発売されてしまった感が強い出来です。特に「黎の軌跡」は「黎の軌跡 II」の出来があまりに酷く、本作「界の軌跡」の前フリだと判っていても評価しづらい出来となってしまっています。

 

「黎の軌跡」には満足できたものの「黎の軌跡 II」が全くダメで正直購入は悩んだ部分もあったのですが、ストーリー的に区切りとはなっていなかったので、本作「界の軌跡」も結局は買うことにしました。

 

 

本作は元々PlayStation4/5向けに2024年9月に発売されていましたが、私はPlayStationシリーズをゲームに使わない人間なので、2026年1月のSteam版発売を待って購入しています。

 

 

 

 

▲タイトル画面。直前にプレイしていたシーンに関連する背景となる
▲タイトル画面。直前にプレイしていたシーンに関連する背景となる

 

 

 

「黎の軌跡」から「界の軌跡」へとシリーズが変わりましたが、基本的には「黎の軌跡」シリーズからそのままストーリーが引き継がれています。ただ、そこに「閃の軌跡」シリーズの主人公リィン・シュバルツァーや「空の軌跡 the 3rd」の主人公ケビン・グラハムがメインとなるストーリーを組み合わせたマルチサイト式となっていることから「閃の軌跡」→「創の軌跡」と同様にタイトルが変更されたということでしょう。

 

更新: 2026/02/25
内容紹介

ゲームとしても「黎の軌跡」シリーズそのもの

ここからはスクリーンショットを中心に説明していきます。

 

 

 

 

▲「黎の軌跡」登場人物の3人からスタート
▲「黎の軌跡」登場人物の3人からスタート

 

 

 

冒頭から宇宙ロケットの打ち上げシーンが流れますが、ストーリー的な開始時点では「黎の軌跡」主人公のヴァン・アークライドを中心とするメンバーが登場します。一見遺跡のような風景で戦闘を行っていますが、実はこれは民間軍事会社の大手「マルドゥック社」のARシステムで、屋内で行動しているとのことです。

 

 

 

 

▲同じ施設を別ルートで攻略しているチーム
▲同じ施設を別ルートで攻略しているチーム

 

 

 

実は同時進行で「閃の軌跡」シリーズ主人公のリィン・シュバルツァーと、「空の軌跡 the 3rd」主人公ケビン・グラハムの合同チームも同じ施設を攻略していて、プレイヤーはこの双方を操作する形となります。

 

 

 

 

▲攻略完了後の懇親会
▲攻略完了後の懇親会

 

 

 

▲実はどちらも≪C≫を名乗った元犯罪者
▲実はどちらも≪C≫を名乗った元犯罪者

 

 

 

 

双方のチームが攻略を終えると彼らを招待したマルドゥック社主催の懇親会へと招かれます。ここからは暫くプレイヤーはヴァンを操作する形です。ここではマルドゥック社の関係者の他に、「創の軌跡」主人公の一人、ルーファス・アルバレアらも登場してきます。この懇親会の最中にとある国家的なイベントが発生して、その中継映像を見てプロローグが終わります。

 

 

 

 

▲街中での通常行動時
▲街中での通常行動時

 

 

 

 

▲コマンドバトル画面
▲コマンドバトル画面

 

 

 

 

本編に入っていくと、基本的には前作までの「黎の軌跡」シリーズ準拠の操作となります。バトル画面も含め要素は増えているものの基本は同じと考えて差し支えありません。

 

 

前作「黎の軌跡 II」では本編から半ば独立した形のやりこみマップ「メルヒェンガルテン」が用意されていましたが、本作もほぼ同等の「グリムガルテン」が登場します。

 

 

 

 

▲「グリムガルテン」のマップレベル選択
▲「グリムガルテン」のマップレベル選択

 

 

 

 

▲「グリムガルテン」のマップ。1マスずつ進めていく
▲「グリムガルテン」のマップ。1マスずつ進めていく

 

 

 

 

この「グリムガルテン」は進行に応じて機能が拡張されていき、今回は「グリムガルテン」内である条件が整うと通常ストーリー内で各キャラクターを掘り下げるエピソード集「コネクトイベント」を自由に閲覧できるようになりました。また本編に関連する過去エピソードを「メメントオーブ」というアイテムを介することで閲覧できるシステムにもなっています。こちらは非常に短いストーリーですがここまでのシリーズを知っているとそれぞれ大きな意味を持つものとなります。

 

また章の合間に何故か結社「身食らう蛇(ウロボロス)」の執行者ウルリカが配信している動画という体裁の会話が流されますが、これも閲覧できるようになります。

 

 

 

 

▲コネクトイベント選択画面
▲コネクトイベント選択画面

 

 

 

 

 

▲イベント選択画面
▲メメントオーブイベント選択画面

 

 

 

 

▲ウルリカの配信番組らしきもの
▲ウルリカの配信番組らしきもの

 

 

 

 

基本的には「黎の軌跡」の続編といった流れの展開であり、途中のコミカルなシーンなども過去作品と同様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

▲オークション会場で車とスイーツに惹かれ我を忘れるヴァンと全力で止めるアニエス
▲オークション会場で車とスイーツに惹かれ我を忘れるヴァンと全力で止めるアニエス

 

 

 

また、過去シリーズの要素もふんだんに盛り込まれていて、「空の軌跡」以降度々登場してきた結社の執行者「怪盗B」ことブルブランも変装状態ではありますが登場しています。

 

 

 

 

▲レンのコネクトイベントで登場するブルブラン
▲レンのコネクトイベントで登場するブルブラン

 

 

 

ただ、これらの要素は過去作をある程度プレイしていないと何のことかサッパリわからないような気もします。まあ、初プレイが「界の軌跡」というプレイヤーは滅多にいないと思いますが、ブルブランは「黎の軌跡」シリーズにも登場していませんでしたからね…。

更新: 2026/02/25
総評

「空の軌跡」1作目以来のブツ切り

ネタバレを避けると殆ど説明できる部分は無いのですが、プレイし終わった後かつて社長がインタビューで言っていた「シリーズの幕引きに向けて謎が明らかになっていく」という発言は何だったのかと突っ込まずにいられないほど、見事に伏線も投げっぱなしのまま終わってしまいます。

 

尤もプレイヤー視点では中途半端ではあるものの、作中では世界が終焉(グランドリセットと呼ばれ、世界の再構築が始まる)を迎えるタイミングで終わっていますので「世界が終わっているんだから区切りが付いているんじゃないの?」という嫌味半分のユーザー評も見られたりはします。

 

これほど見事なまでの半端な終わり方をしていながら、少なくとも丸2年は次作がリリースされないというのがいかにもファルコムらしいところ(決して褒めてはいません)で、「黎の軌跡 II」に続いて呆れてシリーズから離れるプレイヤーも出てきているようです。決して規模が大きい会社ではありませんので、Nintendo Switch等にも対応した「空の軌跡」2作目のリメイク、「東亰ザナドゥ」系統の新作「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」、イースシリーズ最新作「Ys X -NORDICS-」の大幅強化版「Ys Ⅹ -Proud NORDICS-」と発売作が控えている以上、2026年中の発売もほぼ無い状況なのです。私を含むSteam組はつい最近初めてプレイしたのでまだ許容範囲でしょうけど、2024年9月にプレイした人は恐らく2年半から3年は待たされるわけです。「あまりお待たせしないように」などと言っていましたが、どう考えても時間が経ちすぎるでしょう。

 

率直に言って最近の日本ファルコムは「ここまで振り落とされずに付いてきたユーザーであれば何をしても黙って待っているだろう」という、甘えというか驕りというかが感じられます。確かにここまでやった以上殆どの人は次作も買うとは思いますが、ユーザー側のブランドに対する信頼度は下がっていくことは考えた方が良いでしょうね。

  • 購入金額

    7,128円

  • 購入日

    2026年01月16日

  • 購入場所

    Steam

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