「人間が土から造られたという説はヘブライ人なら自然に思いつくはずである。
なぜならヘブライ語では「土」(アダマー)という語は「男」(アダム)も女性形だからである。」
タヒチでの伝承では、「創造主は彼の骨(イヴィ)を一本抜き取って、それで女を造り、男に与え妻とした。こうして二人は人類の祖先となったという。」
執念のように倦むことなく書斎で繰り広げられた文献渉猟。
「アームチェアーの人類学」とか「本から出来上がった人類学」などと言われることも多いフレーザーの著作でありますが、私が読中、読後感じたのは樹海の散歩とでもいうべき世界観。
人間の創造から、堕罪、大洪水、バベルの塔・・・見事な散文で綴られる膨大な伝承の数々。
そしてこの著作の面白いところは、一切の憶測や推測が無いこと。
果てしなく提示される事実の記述を読み続けた読者は、かつて探求されたことのない古代の暗く奥深い深淵を垣間見ることになる。
「だが蛇は狡猾で、女は弱く信じやすかった」
グラスゴー生まれの社会人類学者ジェイムズ・ジョージ・フレーザー(1854~1941)の著作であり、「金枝篇」と並ぶ、トリビア溢れる人類史の大作。
この訳本は、1918年の発表から5年の後に著者によって圧縮・簡約されたものの完訳。
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購入金額
5,912円
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購入日
2008年頃
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購入場所
お富さん
2011/01/08
いやー、久しぶりの本の登録ですね〜!
ライダーも素晴らしいですが、vingt-et-unさんの本コレクションも大変に魅力的ですからね〜。
私も持っております。
そして、コレを買うときにこの値段に一瞬引いてしまいましたが、目次を見た瞬間に買っちゃってました(笑)
vingt-et-unさん
2011/01/08
岩波の青帯も~。
お富さんも多分・・・と思ってはいましたが、やはり。
>コレを買うときにこの値段に一瞬引いてしまいましたが、目次を見た瞬間に買っちゃってまし>た(笑)
そこも一緒ですねー(笑)。
この名著はzigsowの住民の方が割と好きそうな本だと思います。
きっとあの方やあの方も・・・虜になってしまう沼っ!みたいな気がいたします。
suecastさん
2011/01/08
表紙で即ツボりました、Cool!(背景の大理石もいいなぁと)
世界史を読んでいこうとすると、
ユダヤ教・キリスト教を外しては読み切れないんですよね
(特に中世ヨーロッパがかなり難解で。今だに頭の中に主軸が作れず・・・・)
>値段に一瞬引いて
当方の場合ですと、そっと棚に戻しかねない値段(苦笑)
余談なのですが、、、
もっと調べようと本の題名でGoogle検索したら
Amazonの次にこのページが来てました(3番目です!)
vingt-et-unさん
2011/01/08
>世界史を読んでいこうとすると、
>ユダヤ教・キリスト教を外しては読み切れないんですよね
>(特に中世ヨーロッパがかなり難解で。今だに頭の中に主軸が作れず・・・・)
まったく同感です。
そこで「創世記」や「出エジプト記」、ギリシャ神話などを読み始めているうちにこの沼(笑)と出会いました。
(ここで宮城谷昌光氏の中国歴史なども読んでゆくと、頭の中でコンフューズ・アイスクリームが出来上がりそう~~)
>本の題名でGoogle検索したら
>Amazonの次にこのページが来てました(3番目です!)
それって、まずくないですかね。
もう少し書き直したりした方が良いのかも・・・(苦笑)。
北のラブリエさん
2011/01/09
あっちの歴史はここに書かれているようなことを前提で求めてくるので、
できれば学生のうちにでも読む機会があればいいなと。
逆に私はキリスト教に触れる機会があったので中世史などは飲み込みやすかったですね。
比較的、というところですがw
現代においても文化的地盤を共有するために重要な一冊だと思います。
>(ここで宮城谷昌光氏の中国歴史なども読んでゆくと、頭の中でコンフューズ・アイスクリームが出来上がりそう~~)
陳舜臣氏の小説十八史略あたりをどかんと読むのもいいですねw
vingt-et-unさん
2011/01/09
>陳舜臣氏の小説十八史略あたりをどかんと読むのもいいですねw
長いこと読みたいと思いつつ、手をつけていない作家です。
アイスクリームが分離しそう・・・(笑)
>文化的地盤を共有するために
国が違えば、肌の色や宗教の解釈なども違いますが、元を辿るとわれわれは皆、バベルの塔に行き着いてしまうかもしれません。
北のラブリエさん
2011/01/10
王朝ごとに一応の区切りもできますし、オススメです。
日本にも読みやすい通史があればいいんですけどね。
今それに近いのがみなもと太郎の「風雲児たち」かなと。
幕末を書くために関ヶ原から始めるという豪快な展開、しかも連載開始からもう25年ぐらい?
最近やっと島津斉彬 が死にました><
>元を辿るとわれわれは皆、バベルの塔に行き着いてしまうかもしれません。
これ以上混乱させられるのはカンベンしていただきたいですが、それでも塔を建てる活力がなければ種が衰退に向かってしまうかもしれませんね。
vingt-et-unさん
2011/01/10
>小説十八史略、読みやすいですよ。
また膨大なウェイティング本が増え続けてゆく・・・。