レビューメディア「ジグソー」

ノズルが細いイヤフォンはどうしても…

先日ORB製のイヤフォンケーブル、Clear force CIEM 2Pin用を掲載しましたが、そのときのセールで同時に購入していたのが、こちらのWestone W40初期モデルでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

初期モデルのWestone W40はMMCX端子周辺の形状に難があり、MMCXに準拠していながら使えるケーブルが限られるという弱点があり、ケーブル欠品だと意外と安く買えることがあるのです。Westone W40は過去に2回プレミアムレビューにも登場していて、初期モデルと改良型の2019 Designの双方が取り上げられていますね。製品説明を読む限りでは高域側のBAドライバーに改良が入っているそうですが、最大の変更点は形状の改良による適用可能ケーブルの増加でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

外箱も欠品でしたが、純正のイヤフォンケースは残されていたようで、これに一通りが収められて届きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

右側の小袋に入っているのが本体とイヤーチップ(STARチップ+フォームチップ)、右側が交換用フェイスプレート(専用工具つき)と残りのイヤーチップとなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

イヤーチップは一部不足しているようですが、私が使うサイズのSTARチップは残っていましたので実用上問題はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

本体には出荷時と同様に黒いフェイスプレートが装着されていました。ただ、恐らく多くの人は左右が判りやすいように左側に青、右側に赤のフェイスプレートを、それぞれ装着するのではないかと思います。私も早速交換します。

 

 

 

 

 

 

 

 

前述の通り、ケーブルは標準添付の2種類が何れも欠品していますので、MMCX対応イヤフォンで試聴用の基準としている手持ちのAcoustic Revive REC-130SH/Sを使うつもりだったのですが、このケーブルはMMCX端子の根元が太く装着できませんでした。

 

取り敢えず使えたのはORB Clear Force MMCX (Ver.2)やmusashino label製の製品群でしたので、この辺りを使って試聴してみたいと思います。

 

 

 

更新: 2020/12/28
音質

マルチBAらしい音場表現だが、帯域バランスが今ひとつ

試聴するに当たって、今回は用意したケーブルが何れも2.5mm4極バランス対応でしたので、Astell&Kern KANNをまずは使いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、KANNとWestone W40の組み合わせは相性が全く合いません。音場が広がらず両耳の周辺に貼り付いてしまいますし、低域は籠もりがちで高域方向のクリアさもありません。さすがに人気ブランドWestoneの中でも広く支持されているW40がここまで酷い音ということもないだろうということで、DAPをHiBy R6に変更したところ別物のようにまともな音が出てきましたので、HiBy R6との組み合わせで試聴を行います。ケーブルも組み合わせが良好だったClear force MMCX (Ver.2)を使います。

 

 

 

 

 

 

 

個人的に過去に試聴したWestone製イヤフォンの中では、UM Pro50とW80が比較的好印象だったのですが、その反面広く人気のあるW60やW40はそこまで気に入っていませんでした。理由は低域方向の表現に難を感じたことと高域の質の低さだったのですが、じっくり使うことで一部印象が変わった部分もありますので、その辺りをじっくりと確認していきましょう。

 

 

まず、今回は自分に合うイヤーチップをしっかりと選ぶことができたためか、以前聴いた印象より高域方向の質は随分良くなった気がします。当然Clear forceのキャラクターが加味されている部分もあると思いますが…。

 

ただ、SHUREのイヤフォンも含め、細軸ノズルのイヤフォンの高域は私にはどうもしっくりときません。どうしても軸先端の共振で音色に色が付いてしまうというか、金属の音が素直な金属の音に聞こえにくいのです。音の性質として周波数が上がるほど直進性が強くなりますので、それを極力阻害しないよう音導管は出口まで一定の太さを保つべきではないかと個人的には思っています。

 

それでもBAドライバー自体が優れているのか、一部出来の悪いハイブリッドイヤフォンと比べればまだ質は保たれていますので、ソースによってはさほど気にならない程度ではないかと思います。

 

 

もう一点の低域の質については、残念ながら以前と印象がさほど変わりません。最低域の部分がさほど出ておらず、比較的高めの60~100Hz辺りが分厚いタイプで、どうもこのバランスの音は苦手です。逆に200~400Hzの辺りはやや落ちているのか、ヴォーカルのふくよかさなどが案外出ません。「Camomile Colors / 藤田恵美」などではさほどで目立たないものの、ベースの芯の部分の音がどうしても弱く、不自然さが気になります。

 

はっきりと厳しかったのは「TOTO XIV / TOTO」で、ベースの上の方の音が妙に厚く、ジョセフ・ウィリアムスのヴォーカルがかなり細身に感じられます。

 

解像度はさほど高くなく、全体的に「まったり」という印象が強い音ではあるのですが、低域部分の不自然さであまり快適には聴けない感じを受けます。この辺りは一般的なこの製品のレビューとは随分違った結論ではないかと思いますが、偽らざる本音です。

 

 

今までは高域方向の表現に難があると感じていた製品でしたので、じっくり聴くことで高域よりも低域の方の難が気になるようになってしまったというのは自分でも意外でした。2~3万円の製品であれば納得できる音ではあるのですが、現行のW40 2019 Designは5万円を超える製品であるということを考えると積極的にお薦めするものではありません。

  • 購入金額

    6,000円

  • 購入日

    2020年12月18日

  • 購入場所

    eイヤホン

15人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • harmankardonさん

    2020/12/28

    6000円は安いですね.
    Westoneはイヤーチップ選びが難しいんですよね.
  • jive9821さん

    2020/12/28

    > harmankardon さん

    確かに、以前試聴した時にはフォームチップが装着されていたと記憶しています。
    STARチップできちんとサイズが合っていれば、そこまで高域方向は悪くないと
    判ったことは収穫でした。

    ただ、低域方向の独特の強調感と、その上の帯域の薄さが良くも悪くもこの製品の
    キャラクターを色濃く作ってしまい、それが私にはどうも合わないようだという
    ことも判ってきました。

    どうしても、この価格帯で敢えて選ぶ1本にはなりにくいかな、という印象です。

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