レビューメディア「ジグソー」

BA型でなければ決して到達し得ない世界 それが確かに存在 音源に込められた魂が伝わります

Westone社 

 

米国コロラド州で1959年に創業  

当時は企業や個人向けにカスタムメイドモデルイヤホンを

ハンドメイドしていた小さな会社。

 

1997年にSHURE社が初のイヤホンとなる"E1"を世に送り出しました。 

それはダイナミック型で無骨な外観を持つ製品でしたが、

その後のインナーイヤ型イヤホンの隆盛のきっかけとなりました。

そのE1や、後継機のE5をSHURE社と共同開発していたのが 

 

他ならぬWestone社です。

 

また米国Ulitimate Ears社の高級BA型カスタムメイドイヤホンも

その初期モデルはWestone社が製造を担当していたのだとか。

 

 Westone社の Universal W40

 

私にとって、これが初めてのBA(バランスド・アーマチュア)型イヤホンです。

 

 

これまで愛用していたのは 

 

ダイナミック型ユニット仕様のインナーイヤ型イヤホン SHURE SE-215

 

オーバーヘッド型として SONY  MDR-1RNC

 

多くの方が愛用しているであろう Appleのイアポッド

 

これらを比較対象として持ち出し、色々な音源を用意して

 

このモデルの魅力を探ることにします

 

更新: 2018/02/13
Universal W40 徹底レビュー PREMIUM REVIEW

それは かまどで炊いた上質な白米

Westone社の Universal W40 のプレミアムレビュー 第1章を投稿いたします。

 

規定に則って、約一週間後に音質面を中心に評価するレビューを投稿することで完結します

 

今回は、

ファーストインプレッションと 製品自体の特徴を皆様にお伝えすることが中心となります。

 

まず製品が納まる箱の様子と、付属品の説明から始めます。

 

 

左はエンボス加工でイニシャルのWと創業年次の1959が刻印されている高級感あふれる外箱

 

右はケースを包む外箱に相当するスリーブ 

 

 

最左に見えるオレンジの付箋部分にはマグネットが仕込まれております

緩衝材を取り出して他の用途で再利用したくなるような仕上げでした。 

流石に高価格帯の製品だな と感じております。

 

 

 

クイックリファレンスリーフレットの下には

モニターヴォルドケースとよばれる頑強なキャリングケースが隠されておりました。

 

 

 

 

中にはイヤチップ・フェイスプレートの脱着に利用するねじ回し・交換用ケーブルが収まります。

 

高分子樹脂製のケースには、入念な防水処理が施されております。

 

謎のネジ穴があるので、1/4インチのカメラネジなのか? カラビナなどを取り付けるためのものか?

 

違いました。

 

これは航空機搭乗時や高山に持ち込んだ時に便利な、

外気圧差を解消するためのリリーフボタンでした。

航空機搭乗時に機内持ち込み手荷物に入れている場合は問題無いのですが、貨物室では大きく下がります。 その間に徐々にケース内の気圧も下がる可能性があります。

着陸後、手荷物を受け取った後すぐにケースを開けようとした時、冷えた椀の蓋が開けにくくなるのと良く似た状態になります。 その時にリリーフバルブボタンがあれば「シュッ」と開くはず。

 

試す機会は私には無いと思いますが、単品別売り価格2,980円の高級品です。

 

ネジ穴はカメラネジと互換性はありません。

 

 

色別でサイズがひと目で判る付属イヤチップの全て

 

黄緑〜青〜赤〜黒〜オレンジの順で大きくなります

 

それぞれの色で内部が空洞のシリコン製「STAR™チップ」と

       形状記憶型のウレタン系「True-Fit™フォームチップ」が1ペアづつ付属します。

 

どのチップが自分にあうのか? 2種類の素材が音質にどのような影響を与えるのか?

興味が湧きますね。

 

純正オプションとして 各サイズ・各チップは500円前後で販売されています。

 

 

 

ケーブルは4Pミニプラグ仕様・MMCXコネクタ 

 

iPhoneなどiOS機器のコントロールが可能なリモコン付きの丸シースケーブル 別売り価格1万円

 

Westone独自の編み込み型構造と3Pミニプラグ仕様 

MMCXコネクタ部にSHUREがけワイヤーカーブを持つケーブル 別売り価格1万円 

 

2種類が付属しております。

 

 

 

 

MMCXコネクタ採用なので、多くの市販ケーブルとの交換も可能ですし、着脱も工具要らず

 

しかし、注意すべきはWestone製のケーブルコネクタには「L」「R」の刻印が無いんです。

 

ひとつと ふたつ それぞれに小さなディンプルがあります。

    

 

ディンプルひとつが右用「R」で ディンプルふたつが左用「L」であることを覚える必要があります

 

 

 

デフォルトのフェイスプレートは黒が選択されていますが、付属のネジ回しを使って簡単に赤と青のフェイスプレートと交換することが出来ます。

 

青 左右別に2枚 赤 左右別に2枚 黒も左右別に2枚 

計6枚のプレートを組み合わせることが可能ですが、

比較試聴時に素早く左右を見分ける事ができるように、今は右に赤 左に青を選択中です。

 

 

よく工夫されていると感じたのは、

フェイスプレートに付属する小さなネジがプレートから落ちにくいこと。 

 

もしも落としてしまうと、探すのが困難なサイズなので良い設計だと感心しております。

またフェイスプレートの有無で音質面に変化がでるかもしれません。 

 

追記時に検証結果を掲載予定です。

 

 

 

比較対象として 手持ちの中から

 

ヘッドホンとして SONYのMDR-1RNC

 

iPod touch付属の Apple イアポッド

 

ダイナミックドライバーのカナル型イヤホン 

                       として SE-215 を用意しております

 

 

 

比較試聴記事は追記時にじっくりとまとめます

 

まず Westone Universal W40のファーストインプレッションを書き出します。

 

バランスド・アーマチュア型ドライバーを複数搭載した機種なので、

各ユニットが早く馴染むように

音楽の種類を変えながら48時間の鳴らし込みを行いつつ、

深夜ウォーキングに連れ出しました。

 

ケーブルによる音質差は、イヤホン自体に慣れていないことや、鳴らし込み中ということを考慮して

ホワイトノイズ(FM局間ノイズでもテープのヒスノイズでも代用可能だと思います)を利用して判断します。

 

ノイズが「シ〜」と甲高く聞こえたら高域よりにシフトしたと判断

ノイズが「ゾ〜」と低めに聞こえたら高域が減衰したと判断

またノイズ全体の音量変化があれば、抵抗値が変化したと判断しました。

 

 

 

その結果、編込み型ケーブルに対して丸型シースのリモコン付きケーブルは音量が少し下がり

高音もほんの僅かですが後退する傾向が見えました。

 

リモコンはあまり使わないので、編み型ケーブルを使うことにします。

 

 

 

イヤチップはシリコン製「STAR™チップ」の方が高音が伸び音圧も高めに感じます

 

ウレタン系「True-Fit™フォームチップ」はより遮音性に優れることと 愛用のSHUREでも

その類似チップを使っていること フィット感にすぐれること 好みにあうのでとりあえず

ウレタン系「True-Fit™フォームチップ」を採用することに決定しました。

 

さて音質です

 

これは10キロ一万円の魚沼産コシヒカリのようなイヤホンだ そう感じました。

 

カレーや炒飯ではありません。 スパイスや具材で旨味を楽しむものではありません。

 

丹精込めて育てた稲穂から収穫した白米を、

丁寧に洗い 良い水を使って 厚釜炭火で焚き上げ、良い茶碗によそった ご飯なんです

 

普段とは違うグレードの白米を食べた時、その日の体調によっては気づかないかもしれません。

でも ずっとそのグレードのご飯を食べ続けていると、普及価格のご飯では満足できなくなります。

 

鼓膜を圧迫するような低音も、突き刺さるような高音も、エンジニアが想定しない音場の広がりも

このイヤホンからは得ることは出来ません。

 

しかしドラムやティンパニの響きは、その音圧だけでなく「皮」の振動を感じることが出来ます。

 

アコースティックギターからは演者の指が弦の上を滑る音、響板に指が当たる音が聞こえます。

 

エレキギターやベースなら、それがライン収録なのか、アンプにマイクを立てているのかに興味が湧きます。

 

試しにアマチュアバンドの生録音源をマスタリングしている友人に貸してみたのですが、数時間イヤホンを返してもらえませんでした。

 

「こんな音が入っていたのか?」「恐ろしい解像度だ」とのことでした。

 

同じWestoneのPROシリーズとは音作りは異なるのでしょうが、このW40でもその片鱗を感じることが出来たと思います。

 

それは

とにかく音量を上げても低域から高域まで各パートの音量バランスに変化が見られない。

とにかく音が歪まない。

 

ステージの大音量の中で自らをモニタリングする用途に合致するWestoneの真骨頂だと思います。

 

 

 

愛用していたSHUREのSE-215が、古き良きBBCモニター2ウェイブックシェルフだとすると

 

Westone Universal  W-40は、銘器と言われて久しいB&W社の800番の様なハイエンドモデルなのかもしれません。

 

時にB&Wは、店頭での試聴では魅力を感じないことがあるように思えます。

 

私はあまり良い印象を持ったことが無いんです。

 

どちらかと言うと、PMCの明るい、元気のある音に魅力を感じます。

 

でも、ひょっとして家に持ち帰って、普段の音量でじっくりと楽しむなら、B&Wのケレン味のなさが

良いのかもしれないな そう感じることもあります。

 

イヤホンリスニングって、自分と音楽の間に生活音が介在しません。 

 

音楽と正面から向き合う。

 

無音から立ち上がる音 

 

その時、理想を追求した構造が これまでに無い世界を見せてくれる 

 

そう感じています。

 

私が愛する音楽とWestone Universal W40との間に何があったのか

 

他の愛機とどう違うのか

それは 追記レビューで明らかにします

 

まずは 私に新しい世界を見せてくれたWestone UniversalW-40 の

成り立ち 構造が知りたくなりました

 

みなさんと共有したいと考えました

 

書きます  長くなるけど 読んで下さいね。

 

追記 1月25日

 

アイテム情報に掲載されているW40の写真は、

赤いフェイスプレート・編み込み型ケーブル・シリコン製「STAR™チップ」です。

それには理由があるかも? と思いつきモニターヴォルドケースに収納していたSTARチップに付け替えました。

当初よりウレタン系「True-Fit™フォームチップ」より、シリコン製「STAR™チップ」の方が高音が伸びる印象を持っておりましたが、改めて聴き比べると、、。

 

「True-Fit™フォームチップ」が、吸音性の高い和室で聞く音だとすると

「STAR™チップ」のそれは、響きの良い石の床と石の壁を持つ洋室で聞く音に変容します。

人の声から感じる年齢が変化する程の違いはありませんが、音楽全体の雰囲気が明るくなるんです。

 

もとよりWシリーズは、PROシリーズに比べると、より音楽を楽しむために企画されたものだと聞いております。

この組み合わせが、エンジニアの目指すところなのかもしれません。

 

第一期レビューを終えた今はそう感じています。

 

最終レビュー帰日までは、あと10日ほど。 それまで もう少し試してみます。

 

 

更新: 2018/01/23

BA(バランスド・アーマチュア)型イヤホンってなに?

そもそもBA(バランスド・アーマチュア)型ってなに?

 

これまで気になってはおりましたが、BA型のイヤホンの販売価格はエントリーモデルで2万円以上ですし、5万円代から果ては数十万円。

もしくはオーダーメイド品の主流なのかな? 程度の認識を持っておりました。

高嶺の花と半ば諦めて、その構造を知ろうとしておりませんでした。

 

この記事をお読みの方の中にも、私と同じようなお考えの方が、きっとおられるはず。

そう思って、私が調べたことを順次書き留めます。 

ぜひ御覧くださいね。

 

現在市販されているヘッドホン・イヤホンに使われているドライバーユニットには

ダイナミック型 BA型 マグネチック型 静電型 が存在しており

 

それぞれを大きな筐体に納めた密閉型・オープンエア型などのヘッドホンタイプ

その派生種

 

それぞれを小さな筐体に納めたインナーイヤ型・カナル型 に分類できます。

 

また異なるドライバーユニットを納めたハイブリッド型も存在します。

 

 

Westone Universal W40は、BA型のカナル型イヤホンです。

 

小さな筐体に納まるドライバーユニットは

高音用が1基 中音用が1基 低音用に2基 と計4基  

 

え?4基ですとな。

 

ラウドスピーカーの場合、2ウェイ以上で構成するなら各ドライバーが干渉しないように

ネットワーク基盤が必要です。

そこにはコイルとコンデンサーと抵抗具材が載ります。

そのような場所がありますか? 

各ユニットのサイズは大中小なの? 

どの方向を向いているの?

能率は合うの? 

位相は合うの? か

えって音が悪くならないの?

 

不思議です。

 

WestoneのUM PRO50は、トランスルーセントボディなので、筐体の中の様子を伺うことができますがW40では叶いません。

各ユニットの実際の大きさや配置はPROシリーズのそれから想像するしかありません。

 

四角い箱状のユニットが並んでおります。

通常の小型スピーカーのようなユニットではありません。

箱の内側はどのような構造なのでしょうか?

 

 

 

 

 

更新: 2018/01/23

BA(バランスド・アーマチュア)ユニットの基本構造

アーマチュアを日本語に直すと 電機子 でした

 

では電機子とは

整流子機や同期機を発電機や電動機として使用するときに、磁界と相互作用させ回転力を得るための磁界を発生させる固定子または回転子である。

 

プラモデルの中に仕込む「マブチモーター」の中にあるコイルが巻かれた松ぼっくりのような物

あれです。 あれが回転子です。

 

イヤホンの中に仕込まれている 電機子 は 固定子 なので そちらを調べます。

 

調べた資料を元に簡単な図を作りました。

BAユニットを縦に切ったものとお考えください。

 

アーマチュアはコの字型の金属片 パーマロイ磁性体が使われているようです。

その金属片にの一方にコイルを巻き付けます。

逆側にマグネットを仕込みます。

端子より供給される電気信号で、アーマチュアは振動します。

その振動をドライブロッドとよばれる具材で 振動板に伝えるのです。

振動板は金属の薄膜が利用されます。

この構造体を金属ケースに納めたものがバランスド・アーマチュア発声器と理解しました。

アーマチュアと磁石の距離は150ミクロン

シングルユニットでフルレンジ再生が可能です。

 

筐体に開ける50〜60ミクロンの微細な孔を設けることで、ローパスフィルターとしての役目を果たすことができるようで、チューニングを加えて低音専用ユニットが完成します。

高音専用ユニットは、振動板の仕様を変えることで機械的な共振周波数を上方向に移動させて完成。ここにはコンデンサーを付加することもあるようです。

製造メーカーによって異なるノウハウがあるのでしょうが、

このように一見同じサイズに見える

BA型ユニットですが、それぞれ目的に特化したチューニングが施されているようです。

 

 

 

更新: 2018/01/23

バランスド・アーマチュア型という名称の由来

従来型のダイナミック型ユニットにおいては強力な磁石の採用が高性能を意味します。

 

しかし、BA型に強力な磁石を使うとアーマチュアが磁石に張り付いてしまい、振動しなくなります。

 

アーマチュア自体が持つバネ力と、付加するマグネットの吸着力をバランスさせることによって

硬い金属のアーマチュアがフィルムのように柔らかくなります。

その結果、微小入力に対して敏感に反応する事が可能になり、

ダイナミック型を遥かに凌ぐBA型の特性が生まれるのです。

 

この微妙な磁力のバランス調整こそが バランスド・アーマチュア型 の名称の由来です。

更新: 2018/02/02

フルレンジかマルチか

これはイヤホンではなくラウドスピーカーの話ですが

 

昭和の昔から、フルレンジが良い マルチが良いに決まってる いや2ウェイが王道だ

コアキシャルが良いアイデアだ 

密閉型が良い バスレフが良い バックロードホーンがイチバンだ

 

様々な議論がありました。

 

 

私もフルレンジから3ウェイまで、いくつかのシステムを渡り歩いております。

 

自分なりの結論めいたものがあります。

それはシングルであれ、3ウェイであれ、

人の声を受け持つユニット自体が持つ「音色」「質感」を

気に入ることができるか、肌が合うか 

それが問題だと思うのです。

 

フォステクスの銘器103は、良いフルレンジだと思うのですが、固有の響きが人の声に影響を与えるようで、どれを聞いても103の音になるな。

そのように感じたことをよく覚えております。

 

ダイアトーンのDS-251Mk2は、紙コーンのツィーターとメタルコーンのスーパーツィーターを持つ

3ウェイでしたが、紙からは紙の音 メタルからはメタルの音が 出るな。

あれは密閉型の締まった低域を楽しむためのスピーカーでした。

 

今も愛用しているヤマハのNS-1000Mも、やはりベリリウム振動板のスコーカー・ツィーターが持つ独特の輝きがあり、それが自分の肌に合うから ずっと使っているのだと思うんです。

 

ビクターのSX-3やBOSEの101Mは、やはりユニットが持つ柔らかさが持ち味ですが、

愛機とはなりえませんでした。

 

 

迫力ある豊かな低音部も、どこまでも伸びる高音部も、

オーディオの醍醐味である分解能も

ソースや駆動部、部屋自体や再生時の音量に左右されてしまいます。

 

ただ強い低音入力があった時に、人の声を受け持つ帯域の振動板に影響が出やすいのはフルレンジ

音量を上げていった時に音域バランスの見地から低音量が少なくなったり、高音が鈍ったりし易い傾向にあるのもフルレンジ。

 

しかし2ウェイ、3ウェイと複数のユニットを組み合わせるには、時に複雑なネットワーク基盤を内蔵させる必要があり、それの出来栄えも最終的な音に影響を与えるはずです。

 

それまでイヤホンに五千円以上出せるか! 

 

と思っていた私がSHUREの215SEを自腹購入したのは

友人が同SHUREのSE535というBAユニットを3基搭載した高級イヤホンを聞かせてくれたから。

 

低域から高域までバランスの崩れはなく、米国製らしい明るい開放的なサウンドに魅了されました。

その時にBA型マルチユニットイヤホンに対する懐疑心は消失していたのですが、

コストの問題が残ります。

 

そこで1万円強で買うことができる215SEを手元に置きました。

上級機譲りの明るいサウンドには、大きな満足を得ましたが、

数カ月後にもう一度試聴させてもらった535からは価格差という言葉を実感しました。

 

でもそのときは、ユニットの数と価格差には相関関係があるのか?

価格差を補填するほど、各ユニットは高価なのか? なんだか納得できない。

と考えたのですが

 

今回改めてバランスド・アーマチュア型ユニットの構造を知るにつけ、ダイナミック型スピーカーを並べてマルチ化するよりも遥かに困難な仕事が、そこにあったことを再確認しました。

 

 

フルレンジかマルチか 

 

それは1万円か2万円か3万円か、それ以上か と同義かもしれません。

 

市場価格42,000円以上の3ウェイ4ユニットのWestone W40 

 

これはどうなのか?  

 

聞かずに迷う人はいないかもしれません。 

聞けば迷いは消えると思います。

 

そこにはダイナミック型では到達できない世界が確かに存在します。

それは素晴らしい世界です。

知ったら もう戻れません。

 

問題は自分の財布の中身 それだけです。

 

ただ後押しをさせてもらうと、大きな家や高級車と違って、イヤホンに維持費の違いはありませんよ

思い切った初期投資を行えば、後はプライスレスで楽しめます。

 

但し 後にケーブル地獄やヘッドホンアンプ地獄に落ちても 責任は持てません 為念。

更新: 2018/02/02

交換可能なフェイスプレートについて

 

 

 

Westone Universal W40には、取替可能なフェイスプレートが付属しております。

 

デフォルトで黒色、交換用として赤青2色が それぞれL/R表記されたものが用意されます。

 

これも標準装備の専用レンチドライバーで簡単に交換できます。

 

全て樹脂製なのですが、アフターマーケットパーツとして高価な金属製プレートが売られています。

 

もしも高価な金属製プレートが音質に寄与するなら、この樹脂製パーツのあるなしでも差が出るはず

 

 

重複しますが、雄ねじがプレートに残るので小さなネジが紛失してしまう心配は、ほぼゼロです。

 

CDレンズクリーナーに収録されているホワイトノイズを中心に、幾つかの音楽でも試しましたが

少なくとも私の感性・耳には 全く違いを見出すことが出来ません。

 

わざわざ外して使う理由も見つかりませんし、新たに購入する意味も無いと思います。

更新: 2018/02/02

イヤチップを決める 安全性と遮音性のバランスが良く、音色が好みだった フォームチップを選択

 

内部が空洞のシリコン製「STAR™チップ」と

 

形状記憶型のウレタン系「True-Fit™フォームチップ」が1ペアづつ付属します。

 

黒が通常のSサイズ、青が高さのあるSサイズ、

黄緑が通常のMサイズ、赤が高さのあるMサイズ、

オレンジがLサイズです。

 

 

ファーストインプレッション時に

イヤチップはシリコン製「STAR™チップ」の方が高音が伸び音圧も高めに感じます と書いています

 

耳孔の深さや直径、形状に個人差があるので、参考にならないかもしれませんが

私には長いイヤチップはフィットしませんでした。

 

強く押し込むと音がダンプされてしまいます。

 

あまり太いイヤチップからは圧迫感を得ます。

 

太さ・高さともに黒軸がジャストフィットしました。

 

内部が空洞のシリコン製「STAR™チップ」の方が 音楽が明るく感じられ、解像度も上がる印象を持ちましたし、耳への挿入も取り外しも楽です。

 

でも自分にイチバン合うのは

黒軸の形状記憶型のウレタン系「True-Fit™フォームチップ」でした。

 

このフォームチップは、SHUREのそれとはかなり異なる素材です。

 

 

左がSHUREのそれ 右がWestoneのそれ

 

SHUREのチップは所定のサイズに戻るまで時間がかかります。

 

Westoneのチップは、すぐに元に戻ろうとするので、押しつぶしたあとすぐに耳に入れる必要があります。

 

遮音性はSHUREの圧勝です。 

 

それが良いかどうかは個人の好みでしょうが、

 

アウトドアで使うことを考えるとWestoneの設定は 安全に寄与すると思います。

 

音楽によって 

または 耳コピや譜面起こしなど 目的に合わせてチップを選ぶ値打ちはある

 

そう思います。

更新: 2018/02/02

リケーブル

 

Westone Universal W40には

編込み型ケーブルと丸型シースのリモコン付きケーブルの2種類が付属しております。

 

iPhoneがイヤホンとの接続をBluetooth化しようとしている今ですので、Westone社としても有線接続での利便性を高めたリモコン付きケーブルをデフォルト設定しているようです。

 

しかしファーストインプレッションで感じたとおり、リモコン付きケーブルは音圧の低下を少し感じます。 

もしもリモコンをそれほど使わないユーザーなら、

 

編込み型ケーブルの使用をオススメします。

 

俗に言うSHUREがけを推奨しているWestoneですので、外耳とのフィットに関しても、ワイヤーが内蔵されている編込み型ケーブルに一日の長が有ると思います。

 

もしも編込み型ケーブルにデメリットがあるとしたら、襟元に付けたピンバッジに干渉してしまうかも 

 

それくらいしか思いつきません。

 

試しにSHURE SE-215標準装備のケブラー系ケーブルとリケーブルしてみましたが、やはり若干の音圧低下を感じましたし、少し音も甘くなるような印象を持ちました。

 

ホワイトノイズで試すと、高域が落ちているようです。

 

標準の2本は音質面での差は感じませんので、既にお気に入りのケーブルをお持ちでない限り

 

Westone Universal W40にリケーブルは不必要 そう感じております。

 

それとSHUREのケーブルとWestoneのケーブル2本は 

他メーカーの手持ちイヤホンのケーブルと決定的に違うところがあります

 

それはとにかくタッチノイズを感じないこと。 これは特筆すべき特徴です。

 

ステージでの激しい動きからのフィードバックがあるのでしょうか?

 

少なくとも、この性能を凌駕するケーブルでなければ、リケーブルに値しない そう思います。

 

重複しますが、Westoneのケーブル側にはL/Rの表記がありません。小さなディンプルがあります

ディンプルひとつが右用「R」で ディンプルふたつが左用「L」 

ユニットにはL/Rは大きく書かれていますが 不思議です。

間違えないようにしてね〜。

 

更新: 2018/02/10
音質

分解能の高さと 音楽性の 両立

登録していませんが、手持ちのCDプレーヤーはヤマハ製 ヘッドホン端子がありません

TEACのiPod touch用ステーションにもヘッドホン端子がありません。

 

邪推ですが、iPod touchのヘッドホン出力と比べられるのが嫌だから かもしれません。

 

プロケーブル 

プロケーブルが販売しているダウントランスの音を知らずに、プロケーブルのHPを見れば

「頭がおかしい」「胡散臭い」と思われるでしょう。 私もそう感じました。

でもトランスには説得力があります。

このトランスを知れば、プロケーブルの言うことを信じたくなります。

 

HPを読んで、試せることを試しました。

 

CDプレーヤーから出る音と、CDをiMacに取り込んで、それをAIFFファイル形式でiPod touchに転送したものを比較します。

 

私も含めて多くの友人がiPod touchの方が音が良いと感じております。

 

生活する部屋で鳴らすスピーカーでなら 圧縮されたmp3カスタムの音でも そう感じます。

 

 

 

 

 

手持ちの高音質CD 聞き慣れたCD LPレコードをデジタル化した音源などを

前述のとおりAIFFファイルでiPod touchに転送したもので比較試聴しております。

 

ホワイトノイズもiPod touchに転送したものを利用しております。  

また厳密な試聴時においてはiPod touchを飛行機モードに設定し、

Wi-FiやBluetooth機能をオフにしております

 

 

 

M・A Recordingsは、独創性豊かなアコースティック音楽を、自然な音響空間で、たった2本の特殊な無指向性マイク1組を使ったハイサンプリング・デジタル録音で捉えることをポリシーとしたレーベルです。

そこから教会で収録された音源を試します

非常に自然な響きと余韻が楽しめます 

残念なのは 期待していたほど音場の広がりが無かったこと。

より分解能の低い安価なイヤホンで より広い教会がイメージ出来たことがあるのです

しかし 今聞いているのが正しい音場なのかもしれません。

古楽器が奏でる音 その発声原理が見えるかのような分解能の高さと音の響きの両立は

安価なイヤホンからは得られませんから。

月並みな表現ですが、演者の息継ぎや譜面をめくる音が聞こえるイヤホンは、それほど多くありません。

 

パット・メセニーのワンクワイエットナイト 

バリトンギターという通常のそれより低音方向に伸びがある大きめの生ギターで収録

これはイヤホンでもスピーカーでも再生が難しくて、なかなか音楽を楽しめない音源なのですが

指板を走る指の音、弦の音、ギター自体の響きを堪能しながら元の楽曲に思いを馳せる事が可能

 

サイモンとガーファンクル  アメリカ

16トラックのオープンリールテープにマルチ録音していたはず。

ポールのギターも数本登場しますし、アートとのハーモニーも数人分存在します。

生ギター1本で始まるイントロから、途中で加わる右チャンネルの太鼓の響き

どんどん音が重なる部分で「暴く」イヤホンなら 音楽を楽しめなくなるかと想像しましたが

やがて静かに消え行くアウトロまで 破綻なくまとめてくれました 拍手

 

サイモンとガーファンクル 1967年録音のライブ音源より 冬の散歩道

マイク2本だけで収録された おそらく後処理なしの音源

ギターだけで、あのイントロから最期まで まごうことなき冬の散歩道

上下方向を演出できる録音手法・再生手法ドルビーアトモスがここにはないのに

なぜかポールとアートの身長の差が見えるような気がする。

 

1972年の名盤 リターン・トゥ・フォーエバー

自然か加工か とにかくハイハットのシズル感や音の重なりを聞きたい 満足しました

 

ワルツ・フォー・デビー  言わずと知れたビル・エヴァンスの名盤 日本人が好きなジャズ盤

これはイヤホンの独壇場でしょう。

なかなかスピーカーではレストランのお客様の喋る声や食器の音が ここまでリアルに感じることは難しいとおもいます。

ただこれらのレストランの音はオーバーダビングという説もあるんですが、、。

この不安定なピッチのベースライン それを持って名演奏と呼ぶのですね 奥深いですわ。

 

ウェスモンゴメリーのサニー

左右に広がるステレオ感は 決して自然なものではないと思います。

でもそれがその時代のステレオでしょう。

特筆すべきは、この曲に限らず、ギターとドラムスとベースの あとからどんどんストリングスなどが被ってくるのですが、それらをバランスよく調理してくれるイヤホンだと感じたこと。

どこもやかましくなく、それでいて分離しつつ そして融和しております。

 

大西順子 の ヴェリースペシャル 

今自分の中でヘビーローテションしているCDです。

普段の彼女は強いピアノ 男性的なピアノなのですが、本盤ではフェンダーローズも駆使しつつ

素晴らしい音楽が楽しめます。

ギターとフェンダーローズとのバランスも素晴らしい ライン録音なのかマイク録音なのか

知るすべがありませんが、とにかくスピーカーで聞いても Westone Universal W40で聞いても

本当に素晴らしいアルバムです。

 

春風亭一之輔の芝浜

独演会ではしばしば出囃子が音源利用という例があるのですが、この公演ではお師匠がきてくださっております。

マイクを少し調節している音 羽織を脱ぐ音 客席の暖まり具合 沸き具合が見えます。

やはり聞き慣れた人の声 

訪れたことが無いホールや 聞いたことが無い楽器を基準にせず 落語CDはリファレンス足りえます

 

それぞれの音源は、かつての愛用品や、多くの方がお持ちのイヤポッド、手持ちのハイレゾ対応品を

とっかえひっかえしつつ試しました。

 

上記の3本 それぞれに良いところ 物足りないところがあります。

簡単に列記すると

 

(総評として イヤホンの力を絵画に例えます その理由は、音楽をCDやレコード、ファイルに納めて販売に供した時点で、それは原音ではなく 作品である 私はそう考えるからです) 

 

 

Apple earpods  耳にフィットしないので、耳への入れ方で大きく音質に差が出る

         音漏れが大きい 音が薄い

          

         しかしサウンドのバランスが良い それなりの世界観を感じる

 

総評       デッサンの良い線描画

 

 

 

SONY MDR-1  アウトドアには不向き ノイズキャンセリング性能は高いが多少の音質劣化と

          トレードされる 低音から高音まで広く伸びるが、それぞれの楽器を描くことに

         集中しすぎるきらいがあり音楽のバランスが崩れると感じることもある

      

         中低音の安心感を伴う響きはオーバーヘッド型ならでは 分解能は高い

 

総評       飛行機移動時の良い隣人  カラーグラビア写真

 

 

SHURE SE-215 タッチノイズは無いが取り回しに難があるケブラーケーブル

         分厚い中低域はWestoneを知った後では癖に感じてしまうこともあるかも

 

         元気がある音 明るい音 得られる音に対して安価

 

総評       油彩画  色は強く 輪郭も強い

 

 

 

Westone Universal W40 

 

短所

ハイエンドイヤホンの音を体験したことがない人には「?」と感じてしまう販売価格

より安価な他社製品と比べて、見た目の高級感が薄い筐体とケーブル

リケーブル可能だがケーブル側MMCXコネクタにL/R表示がなくディンプルの数で認識する必要

 

長所

一度そのサウンドを知ると 決して高すぎると感じない販売価格

樹脂製だが小型で薄いので外耳に収まりやすい 冬季に冷たく感じない

全くタッチノイズを感じないケーブル リモコン付きケーブルも付属

豊富なイヤピース フィット感もサウンドの変化も楽しめる

高品質なキャリングケース

とにかく 高い解像度と音楽を楽しむためのさじ加減の素晴らしさ これを知っていただきたい

 

耳コピーをする人 歌を覚えたい人 ブレスの練習をしたい人

それが歌謡曲でもオペラでも、ジャズでもコーラスでも、レコードでも配信ハイレゾファイルでも

愛聴盤を聴き直していただきたい 

新しい発見 新たな感動と共に 愛聴盤がより愛おしく感じることはまちが無いと思います。

 

総評  それはフェルメールの青い耳飾りの少女

 

 

写真の写実では描けない真実 絵画にはそれが有ると思います。

 

Westone Universal W40 は、愚直に、そして忠実に再現するイヤホンでは無いかもしれません。

しかしダイナミック型のイヤホンでは決して到達し得ない解像度を保ちながら

時にスピーカーリスニングのリラックスを感じさせるように、

聞く人間の心を大事にしつつ

深く音楽を掘り下げてくれます。

 

録音時に記録された音は余さず伝えてくれるのですが、

Westone Universal W40がユーザーに一番伝えたいのは音楽の心なのだな

そう感じさせてくれるのです。

 

だから写真ではなく絵画 

線描画ではなく油彩画  

そこには正しいデッサンと構図が備わり

明るさと暗さを共に持つ絵画

 

実際より明るく 実際より暗く 作者が自由に描きつつも 

決して不自然さを感じないバランス感覚

 

この名画のような名イヤホンの レビューを書かせていただく機会を得て とても幸せです。

 

一言で言うと 支払う金額に十分見合う 素晴らしいイヤホンでした。

 

それは一番最初に書いた「かまどで炊いた上質な白米

 

それが全てだったような気がしてます。

 

カレー味や中華味ではありません。 勝手に自分色に染め替えたりしません。

 

あくまでも上質 そして上品 音源に込められた情熱を正しく、誇張せず、伝える。

 

それを可能にするための構造・チューニングが小さな筐体にケーブルに隠されております。

 

辛い・甘い・濃い・突き抜けるなどが感じられないので最初は物足りなくかんじるかもしれません

が、

しばらく使った後、かつての愛用機に戻した時に、その落差に驚かれる思います。

 

かまどで炊いた上質な白米 

それが Westone Universal W40

更新: 2018/02/10
満足感

ステレオで聞くテレビの音に違和感  人の声の大事さ

昭和40年代以前にお生まれで、オーディオに興味を持たれた方なら、手持ちのステレオシステムにTVを繋いでみたよ、という方は多いと思います。

 

どうでしたか? 当時のことを思い出してください。

 

音量を上げて見る映画の迫力はともかく、音楽番組はともかく、ニュースを読み上げるアナウンサーの声に違和感を持たれた方は多いと思うんです。

 

音楽の心地よさを追求していた時には気づきにくい、「胴鳴り」とでもよぶべき響きが、聞き慣れたニュースの声を、聞き取りづらいモノに変えていたのではないでしょうか?

 

伝聞ですが「ステレオLPレコード黎明期」には、それまでのモノラル録音での音の方が、自分が歌っている曲だわ。 このステレオというものから聞こえる声は私じゃない。

と言った女性歌手がいたのだそうです。

もしもステレオが、センターSPを持つ3chで始まったなら、彼女のクレームは無かったかもしれません。

 

今回、Westone Universal W40のレビューを作るために、各種イヤホンやラウドスピーカーと比較しつつ試聴したのですが、やはり落語のCDをSPで再現するためには一定以上の音量設定でないと

中抜け感だけでなく、言葉の端々を聞き取る難しさを感じました。

 

 

ブラウン管TVなら、視覚の補助があるとはいえ、もっと低音量で噺家の語りが聞こえます。

ブラウン管TVなら、9時のニュースがはっきりと理解できます。

 

子供の頃、叔父さんがやっと手に入れたSONYのFMトランジスタラジオから流れる音を聞いて

手元にあった より大型のAMラジオから流れる歌謡曲のほうがいい音なのに? 

と思ったこともありました。

 

直に触れたことが無いストラディバリウスや、カーネギーホールのスタインウェイの音はともかく

聞き慣れた人の声の再生においては 違和感 との 戦いだと思うんです。

 

口元の大きさ云々 唾液が見える云々 ブレスが云々 楽譜をめくる音云々以前にね。

 

その点 

 

Westone Universal W40は、大事な人の声を

低音用・高音用と分かれて独立した中音用のドライバーに任せることが可能です。

それはとても意味のあること。

 

それを実感したことをお伝えしたいので 以下に追記しますね。

 

上田由香 YUKA UEDA AGORA より 僕の名は

サンバの中でも比較的穏やかなリズムで叙情的な内容の曲をサンバカンソンと呼ぶらしいのですが、

ボーカリスト上田由香が歌うその曲 「僕の名は」

 

アコースティックピアノの響きに寄り添いながら歌う上田由香の声は、おそらく電気的な処理は最小限に留められ録音されていると想像します。

 

「僕と君 人と犬 主体が入れ替わります」

 

私も家内も、この曲が嫌いでした。 

その声も、楽曲の展開も、その雰囲気が暗くて嫌いでした。

 

 

でもWestone Universal W40でじっくりと聞く「僕の名は」からは その曲が秘めていた情景を感じることができました。

 

何故か歌詞の意味が強く伝わるんです。 

 

作詞者が本当に伝えたかった内容が伝わったかどうかは知る由もないのですが、自らの経験に照らし合わせる作業が発動したんです。

 

ピアノのペダル その響き 転調 その実感を十二分に伝えつつ

独立した中音域担当BAユニットが その歌詞の魂を 聞く者に伝えてくれたのかな。

 

各種イヤホン・ヘッドホン・ラウドスピーカー 

 

そのどれからも感じることができなかった、この曲に秘められていた魂が

今日、初めて私に届きました。

 

 

更新: 2018/02/10
しばらく使ってどうか

もう戻れない

BA型のハイエンドクラスイヤホンなら、やはり音源はハイレゾですか?

他のプレミアムレビュー担当の方々はどうなのでしょうか?

 

私はAMラジオを普及型のICレコーダーに録音した音源も楽しみのひとつです。

今はAMとひとくちでくくることも難しく、ワイドFMでも楽しめますし、ラジコやクラウドファイルなら、かなりの高音質が狙えます。

 

TBSラジオのスタジオの様子はWebで公開されていますが、同時に4人がお話になる場合は

おおよそ2X4メートルの大きなデスクを4分割するような形で向かい合わせにお座りになり

マイクはそれぞれに独立したものが天吊りされているようです。

放送には前後左右の位置は考慮せずに、中央に集約されて流されているようですが、スタジオ自体の広さを感じること、原稿をめくる音、書類を落とした時の音は確認できます。

 

TBSラジオ昼帯「たまむすび」の水曜日の1コーナーに、博多大吉さんが、リスナーがなりすました架空の師匠方から 映画音楽のリクエストを受けるものがあります。

2月7日の放送では、大吉花子の花子師匠からのリクエストで、ビバリーヒルズコップから「アクセル・F」がかかりました。

それは1980年代のエレクトロ・ポップですが、主旋律に混ざる形で「ポン」「ピン」と電子音が空間を彩るんです。

普通にAMをカーラジオで聞いていた時には気づかない細かい音。

 

新しい発見 う〜んBA型の解像度恐るべしです。

 

 

山下達郎と大貫妙子が在籍していたシュガーベイブ 「ソングス」

 

これは大滝詠一が主宰するナイアガラレーベルの第1弾として75年に発表されたLPレコードを主体に

ライブ音源などを加えたCDです。

2曲めのダウンタウンは、オレたちひょうきん族のテーマ曲としても知られております。

おそらく大滝さんの福生スタジオで録音されたと思うのですが、

大滝さん自身の作品のようなフィル・スペクターサウンドではありません。

もちろんいわゆるハイファイサウンドでもありません。

 

しかし、左CHのリードギター、右CHのサイドギター それぞれのメロディがくっきりと聞こえます

ベースラインもドラムのキックとはっきり分離します。

さほど多くない楽器が重なることによって分厚い塊となり、そこに達郎の澄み切ったボーカルが乗り

時に多重録音でコーラスが加わります。

 

Westone Universal W40のような高解像度のBA型イヤホンで この作品を楽しんでいると

楽器自体に興味が湧くと思います。 演奏方法が気になりだすと思います。

自分でも演奏してみたいな という呼び水になると思うんです。

 

そして耳コピーをしてみよう、楽譜が手元にあっても、実際の音と照らし合わせることをなさるときに、とても強い味方になると思います。

1960〜80年代にモノラルカセットテープで耳コピーをしていた人間にとっては、

本当に隔世の感という言葉がぴったりだと思います。

 

自腹で買ったイヤホンはSHUREのSE215 一万円前半 これでも覚悟して買った価格です。

 

Westone Universal W40のプレミアムレビューをさせて頂くにあたり、はたして自腹でこれを買う人はどんな人なんやろ?

 

もしも自分のWestone Universal W40が壊れてしまったり、無くしてしまったりしたら、また同じものを自分で買うやろか?

 

そんなことを考えながら始めたレビューでした。

 

でもじっくりとお付き合いしてわかりました。

 

それなりの価格のリケーブル用品も イヤチップも、自分が若い頃にフォノカートリッジの維持費・交換針に投じていた代金に比べれば それほど高くない。

 

好きなレコードを、思い描く音で鳴らすために買い替えたアンプやスピーカーのことを思えば

そして得ることができる音質・品質・世界観を思えば、

Westone Universal W40の販売価格は決して高くないぞ。

 

そう思うに至りました。

 

今は、姉妹機の「UM Proシリーズ」の世界観にも強い興味が出ております。

 

手元に、ほぼおなじ大きさ、同じ口径の3つのユニットを持つ、同じヤマハのスピーカーがあるのですが、全く違う音がします。 誰が聞いてもわかる違いなんです。

 

Westone Universal W40 Westone UM Pro50   どんな違いがあるんやろ?

オーディオっておもしろいです。

 

最後にひとつだけ 

良いオーディオを介して良い音楽を楽しめることが 確実に人生を豊かにしてくれます

 

旨いお米 旨いお酒  良い料理 良い食器

 

良い曲  良い演者  魂が込められた正しい機械

 

ついでに もひとつ

 

 

 

あの小さな筐体に4つのBAユニットを並べて整合性を持たせる すごい技術だとおもいます。

もちろん音決めの感性も素晴らしい。

 

アメリカ人は不器用だって決めつけてはイケマセンね。

 

Westone Universal W40 

 

この素晴らしい製品と出会えたこと、レビューの機会を与えてくださったことに感謝いたします。

 

ありがとうございます。

 

更新: 2018/03/09
性能

追記 すごい分解能

Westone Universal W40  

音源に込められた演者の魂・製作者の意図 それらを余すことなく伝えてくれる素晴らしいイヤホン

 

それを堪能するためには、デジタル・アナログを問わず、良い音源であればあるほど と思います。

 

でもWestone Universal W40を楽しむために新しく入手した音源で 驚くより

愛聴盤、聞き慣れた音源を楽しんだ時に それまでの愛機との違いを実感すると思います。

 

また

ふつ〜のラジオ放送からでも、Westone Universal W40 の凄さを感じることができます。

 

TBSラジオ「たまむすび」 

基本はAM放送ですが、今はワイドFMやラジコ、ラジオクラウドなどを利用すればステレオのハイファイ音声として楽しめます。

 

カーラジオや普通のイヤホンで楽しんできた「たまむすび」

パーソナリティさんが定番コーナーでお話になっている時に流れる定番BGMを聞いた時

あ!こんな曲だったのか

あ!こんな歌詞だったのか

あ!こんな楽器が鳴っていたのか 

普段から聞いていたコンテンツだからこその驚きがあります。

局アナの方がニュース原稿を読まれる時に出る原稿をずらす音 めくる音が明瞭に伝わります。

 

デザインされた録音で無いが故の 生放送を楽しむことができるようになりました。

 

いや〜すごいイヤホンです Westone Universal W40 

更新: 2019/10/12

2019年モデルは Bluetooth対応

アイコン写真では あまり変わらないように見えますが2019年モデルの販売が開始されています

 

所有欲が刺激されるモニターヴォルドケースは付属せず ファスナー仕様のセミハードケースに

なりましたが Bluetooth対応のケーブルが付きます

 

本体も完全に新しい型を作り直しての再設計 

4つのBA型ユニットを搭載しているところは同じ

 

音質は Westoneのそれ あくまでも自然 誇張感なし 

 

有線でお使いの予定なら 値引きの対象となっているかもしれないW40をお求めになるのも一考でしょうが iPhoneにはイヤホンジャックはありません

 

ふたつとも買う   アリかも

コメント (4)

  • aPieceOfSomethingさん

    2018/01/31

    レビューお疲れ様です。
    楽しく読ませていただきました。

    BAの動作原理を全然知らなかったので、今回多少なりとも理解できてよかったです。
    W40もイヤーチップの交換やリケーブルなんかをすると組み合わせが多くなってレビューが大変そうですね..。
    個人的には昔のスピーカーの一言レビューがツボにはまりました(^^;
  • フェレンギさん

    2018/01/31

    aPieceOfSomethingさん
    コメントをお寄せ頂きまして ありがとうございます。
    励みになります。

    みなさんに楽しんでもらえる、ある程度納得していただけるレビューを目指して 
    色々と試しているのですが 難しいです。

    特に このW40は、音場の表現が 他の手持ちのものとかなり異なるのか?
              解像度の良さと音楽自体の、楽器自体の混和感の違いを文章で表現しようと
    もがいております。

    週末までには必ず追記しますので、ぜひお読みください そうしていただければ幸せです。
  • aPieceOfSomethingさん

    2018/03/09

    フェレンギさん こんにちは。

    コメント遅くなってしまいました。

    W40、とても素晴らしいイヤホンなんだというのがとてもよく伝わりました。
    伝わっても簡単に手が出る価格でもないのですが..。

    当たり前のことなのかもしれませんが、ラジオ放送でも違いが判るというのは嬉しいですね。
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