オーディオカートリッジ JEWEL TONE MP-11J
レコード針製造で名前の知られたナガオカが1979年、製造販売したカートリッジです 今でも型名は変わっていますがカートリッジを販売しています ナガオカのカートリッジはMP方式と名乗っていますが、名前だけは知っていましたが、どんな音質かと手に入れてみました 今回のは JEWEL TONE MP-11J です 当時下から2番目の普及品ですが売れたみたいです。
MP方式はムービング・パーマロイの略名です パーマロイは鉄とニッケルの合金で、テープデッキの録再ヘッドなどに使われてきました パーマロイは高透磁率で磁力線を通しやすく収束する傾向がある金属です
MP-11Jはカートリッジ単体モデル、MP-11HJはヘッドシェル付属モデルとなっています
針には0.4×0.7mil楕円針を採用しています シールドケースにスーパーパーマロイを採用することで磁気シールド特性を高めており、高SN比を確保しています。
うず電流損を減少させるため、従来より約15%薄いポールピースを採用しています
シリンダーがカーボン繊維強化プラスチック(カーボンABS)を採用しており、従来のシリンダー材に比べて約3倍の強度を確保することで不要共振を抑えています
40年近く経っているカートリッジですが美品です 丁寧に使われていたものと思われます 針も充分残っています 楕円針ですが接合です
端子は色分けされていて当時の価格からすると丁寧な作りですね
MP方式と言ってますが、針近辺に磁石が埋め込まれています(下画像 丸い断面部分)と言うことはIM方式と言うことも出来ますが、広い意味で言えばMM方式の1種です マグネットの代わりにパーマロイが振動してコイルに電圧を生じさせます。
デザインもスッキリしてて好感が持てます
マグネットからカンチレバー、パーマロイ、コイルへと磁界が通り、パーマロイが振動しコイルで発電します パーマロイ採用の為か、高域振動に向いているのか音質は良いですね
周波数特性 赤い線がF特ですが素直な特性で派手さはないのですがボーカルをしっとり聴くには良いですね 歪みも少なく歌が明瞭です レンジは広くはないですが低音も高音も綺麗に出ます
松田聖子の「渚のバルコニー」をMP-11J , Z-1E , XL-35 で再生したピーク部分をキャプチャーした画像を重ねたものです 参考程度ですが... その差は小差です。
再生してみて...値段から言って真面目に真剣に作られたカートリッジですね 再生音はボーカルを聴くのに向いていると思います 歪みが少なく綺麗に歌を聴くことが出来ます レコード溝のトレースも安定していて、ストリングスも滑らかで綺麗です ナガオカ侮りがたしです 凄いエネルギー感は感じませんが綺麗に再生していると思います DL-103と比較するとやや高音寄りで低音が若干弱いです でも此は好みの範囲かも知れませんね あまり期待はしていませんでしたが意外や意外の掘り出し物でした。
現在はJEWELTONEブランドは製品に使っていなくてナガオカブランドでカートリッジを販売してます 私はナガオカと言う会社はレコードクリーナーやレコード用スプレーでよく知ってましたがカートリッジは使ったことが有りませんでした でもカートリッジメーカーとしても軽んじてはいけない
会社と実感しました ナガオカは初期はリボン型カートリッジを生産してましたが(MC型の変形)
一度聴いてみたいですね
2018-5-21 追記
以前書いたことの再確認に為ってしまいましたが低音がやや薄い感じですね 低音は しっかり出ていますが低音の厚み、エネルギー感が少ない感じはします でも全域綺麗に
再生します。
当時の資料
MP-11J:\7,900(1979年頃)
MP-11HJ:\9,900(1980年頃) ヘッドシェル付き
NON-RIAA HEAD-AMP 最終版測定使用機器
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購入金額
3,000円
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購入日
2017年頃
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購入場所
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