アナログプレイヤーにKENWOOD KP-9010を使っていた頃から、最も愛用していると言って良いヘッドシェルです。過去にこの製品や、シリンダー部のみ変更されて重量が異なるAT-LH18/OCCは何度となく購入しています。
アナログプレイヤーがTechnics SL-1200Gに入れ替わってからはトーンアームが補助ウェイトに対応した結果、利用可能なカートリッジの重量の範囲が広がり、KP-9010では重すぎて使いにくかったAT-LH18/OCCも増えてきましたが、それでも重量・サイズを総合的に考えると最も手頃なのはAT-LH15/OCCといえます。
ところが、最近AT-LH18/OCCの価格が下落する一方で、比較的販売価格が安価な店では、AT-LH15/OCCの在庫が減ってきていました。新たにカートリッジを入手した際に、まず最初に使うことが多い製品ですから、ストックしておいた方が良いかと思い、在庫を買い足しておくことにしました。
余談ですが、スマートフォンのカメラでこの製品の外箱を撮影すると、案外正しい色味が出にくかったりします。この写真も色味自体は下の裏面を撮影したものの方が本物に近いのですが、こうするとややくすんで見えてしまうのです。
5千円クラスでこの出来であれば文句なし
実売価格5千円台のヘッドシェルというと、他社であればせいぜいOrtofon LH4000や、SHELTER MODEL1011、山本音響工芸HS-2程度でしょうか。
その中で、貫通型のネジを必要としないカートリッジで使うという前提であれば、AT-LH15/OCCは物量面で最も充実した品ではないかと思います。
硬質アルミ材を肉厚に加工していて、普及価格帯としては正統派の物量投入型といえる造りです。より高価な素材を使ったヘッドシェルも各社から発売されていますが、私が買うようなカートリッジよりも高いヘッドシェルというと、さすがに購入は躊躇してしまいますからね。まあ、6桁価格のカートリッジを使うような機会があれば、もう少し違った方向で考えるかもしれませんが…。
リード線は単売品のAT6101と同じものが装着済みとなっています。AT6101も決して悪い製品ではないと思うのですが、KS-Remasta製のリード線に出会ってからはどうしても物足りなさが感じられてしまい、標準のまま使うことはほぼ無くなってしまいました…。
弱点は、どうしても高価な製品と比較すると仕上げが粗いことですが、私は特にこの類の品に過剰な品質感は求めませんので、特に問題視はしません。
強いて言えば、前述の通り「貫通型のネジを必要としないのであれば」という但し書きが付いてしまうことでしょうか。最近ではヘッドシェルが専用設計となるストレートアームを搭載したターンテーブルが高級価格帯では中心となっているため、オーディオテクニカ自身が発売する最新のカートリッジ製品群もそれに合わせてネジの切り方が変わってしまい、このシリーズのヘッドシェルには対応しなくなってしまいました。
オーディオテクニカでも貫通型に対応する新シリーズのヘッドシェルAT-LH/Xシリーズを発売しましたが、これは物量的にAT-LH/OCCシリーズと大差ないように見える製品でありながら、実売価格はほぼ2倍です。
使える条件が揃っている限りにおいては、依然として圧倒的にコストパフォーマンスに優れた製品です。今後も機会があることに買い足すことになるでしょう。
-
購入金額
5,340円
-
購入日
2020年06月07日
-
購入場所
ヨドバシカメラ
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。