レビューメディア「ジグソー」

素性不明なヘッドシェルを交換する

最近レコードを再生するときに、どうしてもaudio-technica AT33Rを使う機会が増えてしまっています。

 

 

 

KENWOOD KP-9010+Phasemation EA-200という環境では、これが最もソースを選ばないでそつなくならせる組み合わせとなるからです。

 

 

 

 

 

 

 

ZYX R50 Bloomも音質面ではなかなか良いのですが、盤面のコンディションが荒れているときに、再生音の乱れも大きくなってしまうなど神経質さが目立つため、どちらを使うかといわれればAT33Rの方となってしまうのです。

 

 

 

 

 

とはいえ、カートリッジは消耗品ですから、どうしても寿命があります。AT33RやR50 Bloomは長寿命の針先ではありますが、あまりにも頻繁に使ってしまうと、どうしても摩耗が気になってきます。勿論他にもカートリッジは複数所有していますが、この2つと比べると1ランク以上落ちるものや、個性が強く万能さに欠けるものばかりで、気が向いたときに使うという程度になってしまっています。

 

それでもある程度の負荷分散を考えざるを得ないということで、久々にMM互換のカートリッジを引っ張り出してきました。それがaudio-technica AT-ML180です。

 

 

 

 

 

これは随分前に中古で買った品で、購入時点でヘッドシェルに装着済みでした。正直言って他で見たことない外観のヘッドシェルであり、素性はよく判らないのですが、肉厚はやや薄めの軽量型のものです。恐らく単体の重量は10g以下ではないかと思います。

 

今までは特に疑問を持たずに使ってきたのですが、先日R50 Bloomのヘッドシェルをaudio-technica AT-LH18/OCCに交換したときに、意外と大きな変化を体感できましたので、AT-ML180もヘッドシェルを交換してから使おうと考えました。

 

AT-ML180は自重7.5gのカートリッジで、18gのAT-LH18/OCCを組み合わせるとそれだけで25.5gとなり、KP-9010の対応範囲(14~24g)を超えてしまいますので、シリンダー部の素材の差で自重15gに収まるAT-LH15/OCCを購入しました。ちなみにシリンダー部以外はAT-LH18/OCCとAT-LH15/OCCとでは全く同一とのことです。

 

更新: 2017/09/17
総評

低域の力感が出てきて、使える水準に

以前から意外と見られる傾向なのですが、AT-LH18/OCCを比較的安く売っている販売店があっても、AT-LH15/OCCは取り扱っていなかったり、値段が高かったりすることがあります。

 

先日購入したAT-LH18/OCCと比べるとやや割高感はあったのですが、ビックカメラのAmazon店で購入しました。

 

 

 

 

 

 

 

型番ラベル以外はAT-LH18/OCCと全く同じ外観です。

 

 

 

 

 

 

 

外観も殆ど全く同じといって良いでしょう。それにしても、添付のリード線(単売品のAT6101と同じもの)は、既に生産を打ち切っているPCOCC素材のものなのですが、まだまだ在庫が尽きる気配はありません。銅の使用量が少ないのは確かですが、駆け込みで結構確保してあったのか…。

 

何も考えずにAT-ML180を取り付けた時点で、オーバーハング長が約51mmでしたので、今回は調整なしでそのまま使うことにしました。

 

 

 

 

 

すると、今までは線が細く力強さに欠けるイメージがあったAT-ML180の音が、目に見えて力強くなりました。今までの音であれば「負荷分散のために仕方なく使う」という程度のものだったとすれば、「積極的に使いたくなるだけの音」と表現できるだけのものになりました。

 

元々VM型としてはかなり繊細な音を出すカートリッジであっただけに、MC型のカートリッジと比較してもそれほど大雑把な音という感じはしませんし、十分に高水準といえる程度になりました。AT-ML180自体が精密な針先を持つ割には荒れたレコードの比較的上手く鳴らしてくれるカートリッジですので、使い勝手もAT33Rと比べても特に劣っていません。

 

 

というわけで、R50 Bloomに続いてヘッドシェルを替えたことで明確なメリットが感じられる結果となりました。このシリーズも以前よりは結構値上がりしているのですが、それでも他の多くのメーカーと比べれば手ごろな価格は維持されていて、コストパフォーマンスの高さが光ります。

  • 購入金額

    5,980円

  • 購入日

    2017年09月15日

  • 購入場所

    ビックカメラ

14人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • フェレンギさん

    2017/09/17

    私も、オーディオテクニカ製のMG-10を愛用しておりました。
    当時の販売価格は2500円前後だったと覚えております。

    シェルでも音が変わる これがアナログの面白さですよね。
    微妙なオーバーハング調整は構造上できませんが、逆に構造上強固にカートリッジを固定出来る良さがあります。

    あぁ 私もユニバーサルアームのレコードプレーヤーが欲しくなってまいりました。
  • jive9821さん

    2017/09/17

    > フェレンギ さん

    丁度昨日オーディオ店でMG-10のベースモデルであるAT-LT13aを見たのですが、いつの間にか3千円を超えていたんですね…。昔買ったときには2千円以下だった記憶があるのですが。

    何をいじっても音が変わるというのがアナログの面白さ、奥深さではあるのですが、それだけにどこから手を付けるべきかという難しさもありますね。20年近く前に買ったカートリッジから、今までとは段違いな音が出てくるというのは、使いこなしが足りない証とも言える訳でして…。

    私の場合、歴代のレコードプレイヤーが全てユニバーサルアームだっただけに、カートリッジは頻繁に付け替えるというイメージがあるのですが、これはユニバーサルアームならではの楽しみ方なんですよね。本当に音質を極めるのであれば好ましくはないのかも知れませんが、私のようなライトユーザーにはこれが合っているのでしょう。

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