そんなiPhone視聴環境改悪の中ニーズはあるようで、ここのところ発売が多いのがBluetoothレシーバー機能付きイヤホンアンプ。iPhoneのBluetooth機能を用いて音を飛ばし、レシーバーへ有線のイヤホン/ヘッドホンを接続する方法。これならLightning端子は空くので充電も容易だし、iPhoneにぶらさがるのはバッテリーだけなので不格好さのレベルも?今まで通り。そしてイヤホン/ヘッドホン側は従来の手持ちのが使える...と問題ない。
....とは言ってもcybercatはiPhone6 Plusなので、まだイヤホン端子あるしぃー、と購入の必要性に迫られていたわけではなかったのだが、面白い製品が発売されたので(次期購入予定のiPhone 7s(8?)への先行投資も含めて)入手して見た。
SoftBank SELECTIONから発売されているワイヤレスヘッドホンアンプ。
SoftBank SELECTIONと言えば高音美麗ハイレゾ対応イヤホン、SE-5000HR
を先日ご紹介したが、このワイヤレスヘッドホンアンプ、そのSE-5000HRに最適化されているという。
そして面白いのが3.5mmイヤホンジャックだけではなく、「2.5mmバランスイヤホンジャックも備えている」こと。
これはこのワイヤレスヘッドホンアンプの開発元の指向性に由来する。
このワイヤレスヘッドホンアンプを開発したのはAstell&Kern(この機種、日本専売ではなく海外では「Astell&Kern AK XB10」としてiRiverから販売されている)。同社のDAPは第一世代こそアンバランスの3.5mmジャックしかなかったが、第二世代以降2.5mmバランスジャックを備え、世のポータブルオーディオに「バランス接続」を広めた立役者。世の中のバランス接続は、XLR4極端子や3.5mmステレオジャックを左右2本使うタイプ、ALO Audioなどが採用するIRIS端子、そして先日JEITAで規格化されWalkmanで採用が始まった4.4mm5極プラグと規格乱立しており、最後はどの接続が覇権を握るかわからないけれど、少なくとも現時点では先行者利益?でAstell&Kernの提唱する「2.5mm4極」が一番メジャー。
かくいうcybercatも3台のDAP
すべてが2.5mmバランス出力対応なので、CIEMはケーブル直付けのcanal works CW-L11
以外は、社外ケーブルを使って2.5mm4極バランスに変更している。
そのため、このワイヤレスヘッドホンアンプを購入すれば「Bluetooth対応CIEM」が手に入ることにもなる。CIEMを積極的にワイヤレス化しなければならない差し迫ったニーズはないのだが、iPhoneにCIEMが使えるならば、iPhoneに入っている動画(主にDVDなどから落としたライヴ動画が入っている)を高音質で視聴する、という別の楽しみもできる。
また、本機は周波数的にはハイレゾ対応ではないが、量子化ビット数の方は24bit対応で(48kHz/24bitが最高)16bit転送より音が悪い、ということはなさそうだし、Bluetoothは高音質伝送規格aptX HD対応なので将来的に対応機器を入手することがあればそれも享受できる(iPhoneは現時点は未対応)。
...ということで入手したワイヤレスヘッドホンアンプ。SoftBank SELECTIONの箱入りで、前述のSE-5000HR同様オーディオ・ビジュアル・アワード「VGP」の受賞作(VGP2017ヘッドホンアンプ(ポータブルタイプ・3万円未満)金賞)であることが示されている。内容物としては、本体と充電用USBケーブル、クリップと説明書にハイレゾ音源配信サービス「groovers+」からのハイレゾ楽曲1曲ダウロード権のあるコードが記された用紙。
クリップは本体裏のゴム製目隠しを取ってそこにはめ込む。で、このワイヤレスヘッドホンアンプ、どうにも不思議な形をしている。全体は薄い円筒状。前面(クリップを付けない側)に90°おきに配置された4つのボタンがあり、それぞれ「再生/停止」ボタン、「音量大」ボタン、「音量小」ボタン、「ペアリング」ボタンとなっている。ペアリングはさほどに頻繁にするものではないので、こんな「いい場所」になくても...とは思うが、ちょっと他にスペースがなかったのかもしれない。...というのもこの円筒の「筒」の部分、いわゆる「側面」には下部に二つ並んだイヤホンジャック(3.5mmアンバランス、2.5mmバランス)があり、その逆側(クリップで胸ポケットなどに挟むと上側)には充電用microUSBポートがある。その二つの端子群の間には曲送りのボタンと逆側には電源スイッチ(ロック機構付き)があるという状態。もはやスペースはどこにもないwそのため、配置としてはペアリングボタンが無駄に良い位置にあるのとUSB端子が上向き(食べ物や雨が降ってきた場合中に入りそうな位置)というのがイマイチだが、そこはコンパクトさとのバーターか。
音はワイヤレス化のデメリットをあまり感じさせない緻密でパワーがあるもの。とくにSE-5000HRとの組み合わせではこのイヤホンの弱点である低域が力強くなり、かなりバランスよくジャンル対応力が上がる感じ。その分低音が出るイヤホン/ヘッドホンとつないだ場合やや過剰になる組み合わせもある。
ウリの一つである2.5mmバランス接続は、出力的に大きい(バランス接続時は出力90mW+90mWなのに対してアンバランス接続では40mW+40mW、ともに16Ω)ためか、力強さが増して悪くない...というかバランス接続自体のメリットも含めて明らかにアンバランス接続より優位。もともとなぜかCIEMには周波数的にハイレゾ対応したものがない(持っていないだけではなく、知る限り存在しない-と思う-)ため、SE-5000HRと違って48kHz接続の周波数的デメリットもないし。
なにより、当然リモコン機能などなかったCIEM(や他のリモコンなしイヤホン/ヘッドホン)にリモコン機能(再生・停止・次曲・前曲)が付くことになるのが地味に「便利」(SE-5000HRのようなリモコン機能ありのイヤホン接続時も、イヤホン自体のリモコンは使えなくなるが、XHA-9000のリモコンで代用できる)。これは音楽だけでなく、iPhoneの「ビデオ」アプリでも使えるので長時間のライヴ映像を入れている自分にとっては画面で選曲するより確実ですごく使える。(有線接続であっても)iPhoneで「音を聴く」のは、楽曲を静聴する...というよりライヴ動画を新幹線の中で観るというのが一番使用頻度が高いので...
iPhone6 Plus
で使う限り、数メートル離れたりドアを挟んでも問題ないので、リビングに置いた本体から隣接した台所に飛ばして家事しながらイヤホンでリスニングするというような使い方も可。
オキニのイヤホン/ヘッドホンから変えたくないなら、これiPhone7以降には必須かも?
【製品仕様】
内蔵電池:リチウムポリマー電池 3.7V 350mAh
Bluetooth規格:Version 4.1
通信距離:約10m(出力:Class 2)
対応プロファイル :A2DP、AVRCP、HFP、HSP
対応コーデック: SBC、aptX、aptX HD、AAC
登録デバイス数: 最大8台(同時接続:2台)
周波数特性:20Hz~20kHz(Condition±3.0dB)
歪率(THD+N):バランス接続=0.012%、アンバランス接続=0.016%
S/N比:95dB
最大出力レベル:90mW+90mW(バランス接続、16Ω、THD1%)、
40mW+40mW(アンバランス接続、16Ω、THD0.2%)
対応サンプリング周波数/ビット数:最大48kHz/ 24bit
対応インピーダンス:バランス接続=8~300Ω、アンバランス接続=8~150Ω
出力端子:3.5mmステレオミニジャック、2.5mmステレオマイクロジャック
インターフェース :microUSB(Bタイプ)ポート
連続使用時間:約5時間
充電時間:約2時間
外形寸法(W×D×H):約50.0×12.3×50.0mm(突起部、クリップを除く)
質量:約23g
対応機種:iPhone 5以降のiPhone、iPad Pro(12.9-inch)以降のiPad Pro、
iPad Air以降のiPad、iPad mini 2以降のiPad mini
SoftBank スマートフォン/ケータイ(Bluetooth搭載機種)
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購入金額
16,031円
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購入日
2017年01月21日
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購入場所
Amazon
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