レビューメディア「ジグソー」

良くも悪くも標準的

比較的低価格のイヤフォンリケーブルとして人気のブランド、NOBUNAGA Labs製の、2.5mm4極-CIEM 2Pinケーブルです。ちなみにNOBUNAGA Labsは株式会社WiseTechが自社展開しているブランドです。

 

WiseTechは元々オーディオインターフェース/サウンドカードでおなじみのAUDIOTRAKの販売代理店として馴染みがありましたが、取り扱いブランドが増えたり、NOBUNAGA Labsをはじめとする自社開発の製品も展開するようになり、現在の形になったようです。ちなみに以前はプレミアムレビューでも取り上げられたEbony70(イタリアG&BL製)の代理店でもあります。

 

 

 

 

 

 

NOBUNAGA Labsのイヤフォンリケーブルは、特に安価なラインナップが充実していて、3千円台の手軽な製品なども用意されています。その中で1万円台前半から展開されている、主力商品という位置づけとなる製品群が、NOBUNAGA Labs Premiumシリーズであり、このMEDUSAもその中に含まれる製品となります。

 

MEDUSAはすでに製造を打ち切られていますが、当時約12,000円程度の製品としては珍しい、銀メッキ銅線8芯という、物量が投入された製品となっています。また、このブランドの製品は-156℃/72時間のクライオ処理も施されているそうですが、個人的にはクライオ処理(超低温冷却)の意義には懐疑的ですので、これは特に評価しません。クライオ処理については諸説色々あり、完全に迷信と切って捨てるものもあれば、手順次第で良くも悪くもなるという説もあり、クライオ処理をしていることがイコール高音質につながるわけでは無いことは確かだと思いますので。

 

 

さて、このMEDUSAについては、元々64AUDIO U4で使うバランスケーブルを物色していた時期に、じっくりと試聴したことはありました。

 

 

 

 

 

そのときの印象としては「付属ケーブルと比べれば音質は明らかに全体にわたって良くなるが、大きな特徴となる部分が無い。音楽を楽しく聴かせる要素も無い」というものでした。結局そのときには、実売価格が近かった、AZLA Silver Galaxy Mix+(Labkable製)を購入しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

それっきり特にこのケーブルに触れる機会は無かったのですが、昨年11月に開催された「ヘッドホン祭り 2019 秋」の物販会場で特売品が用意されていて、他に欲しいものも無かったのでなんとなく買ってしまったのです。もっとも、同じ日にWAGNUS.製の2.5mm4極-CIEM 2Pinケーブル、Ginger Lilyも購入していたため、こちらのMUDUSAは試聴すらすることないままでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、せっかく買ったのだから一応使うだけ使ってみようということで、音質を確かめてみましたので、ここで取り上げたいと思います。

 

更新: 2020/01/14
音質

標準ケーブル比で底上げはできるがプラスアルファは無い

たたき売りともいえる価格でしたが、品物としてはきちんとした新品在庫でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外見上は見るからに銀コート・銀メッキ線という感じですね。ただ、プラグ・コネクターの辺りがどうにも安っぽく見えるあたりに、価格なりという感じがしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は購入直後にも一応試聴はしていたのですが、今回は普段から使用頻度が高い、64AUDIO U3を使って改めて試聴します。DAPには、Astell&Kern KANNを組み合わせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改めて聴いてみた印象ですが、やはりこれまでの印象と大きく変わるものではありませんでした。確かに低域も高域も十分に伸びていますし、そこそこ解像度もありますし細かい音もまずまず表現してくれます。イヤフォン標準添付クラスのケーブルを交換して、素直に「良くなったな」と感じられるだけの実力は備えていると思います。

 

しかし、比較対象として使ったWAGNUS. Ginger Lilyと比較すると、オーディオ的なバランスは大きく変わらないにもかかわらず、音楽の魅力が伝わりにくいのです。

 

特に気になるのがヴォーカルの質感で、何というか悪い意味で日本的なHi-Fiサウンドに感じられます。ヴォーカルが無感情で淡々と歌っているように感じられてしまうのです。

 

上でGinger Lilyとオーディオ的なバランスでは大きく変わらないと書きましたが、細かく見れば低域の量はさほど変わらないものの、MEDUSAの方が締まりが無く量感だけという印象になりますし、音場も広さはさほど変わらないものの密度が異なり、音楽性ではやはり明らかにGinger Lilyが優位に立ちます。

 

新品当時の価格で5千円弱程度の違いですから、0.5ランク程度のグレード差ではあるのですが、それでも実力はそれなりに違うということを実感させられました。さすがに5千円前後のエントリークラスのリケーブルと比較すればMEDUSAの方が総合的な実力は上ですから、リケーブル入門には適していると思います。ただ、リケーブルによるプラスアルファを期待すると、残念ながらその期待には添えないものと思います。

  • 購入金額

    4,000円

  • 購入日

    2019年11月02日

  • 購入場所

    ヘッドホン祭り 2019 秋 物販会場

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