【2019/02/27 追記】---------------
音声ストリーミングを聴く用に300円スピーカーを接続してみました。
まあまあの音で鳴っています。
リソース的にはこのくらいがちょうどいいようです。
本体の長時間稼働もOKです。
スピーカーはアンプを内蔵しているので、その電源をラズパイのUSBからもらっていますが、動作に影響なさそうです。電源の電流も顕著に増えたりしません。
スピーカーは、小さな音なら数mA(USBモニタで測定できない)で、最大でも0.12~0.14Aで程度で動作しています。
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【2019/02/25 追記】--------------- (本文も、訂正・追記しています)
microSDをやや速いタイプにしたところ、動作が改善しました。
それでも遅いことに変わりありませんが。
microSDを替えたことの他に、インストール時にはじめからLANケーブルが挿してありました(たまたま抜くのを忘れた)。
この2つの相違だけで、今までパフォーマンスのグラフでディスクが100%に張り付いていたのが、無操作時には0%近くまで落ち、いくらか操作しやすくなりました。自動更新のためのディスクアクセスかと思っていたのは、そうではなく、はじめに使用したmicroSDでなんらかの理由でタイムアウト~リトライのループのようなことが起こっていたのかもしれません。それがいわゆる相性といわれるものなのでしょうか。(そのmicroSDは、読み込み90MB/s、書き込み20MB/s の ADATAブランドの32GB なのでスペック的には足りているはずですが。)
インストール時のLANケーブルの有無は、あまり影響ないような気もします。
結果、Edgeでアクセスする音声ストリーミング(BBC SOUND や Radiko)は、再生ページへ行くまでに時間がかかったり、たまにEdgeが勝手に終了したりすることもありますが、目的のページにたどり着いて再生が始まれば不快に音声が途切れるようなこともなく(ときどき短く切れることはある)聞くことができました。もし長時間連続して再生が可能なら環境音として流すには十分かと思います。
これらは、ブラウザ経由でなく専用アプリがあればそれを使えば改善するのではないかと思われます。
動画系(AbemaTVとYoutubeを試しました)は、全く再生できません。Youtubeは、再生レートを下げればなんとかなるかと思ったのですが、その操作すらできませんでした。
Chrome や Firefox は、ARMネイテイブでないためインストールしても実用的ではない(試してみた人の見解による)ので、試していません。
相変わらず無線LANは使えません。ドライバを探して手動で適用する必要がありそうです。
----------------------------【追記ここまで】
2016年2月に発売された「Raspberry Pi 3 Model B」です。
その後 「3 Model B+」としてクロックアップされたり、「Zero」でフリスクのパッケージサイズのモデルが発表されたり、そろそろ「4」の発表かと囁かれたりもしますが、どうやら2019年中には「4」はないというのがわりと正確めな最新情報のようです。
Raspberry Pi 4: Release Date, Specs, Price, Everything We Know(Tom's HARDWARE)
https://www.tomshardware.com/news/raspberry-pi-4-everything-we-know,38539.html
実機が手元に2個あって、1つは秋月電子店頭で購入した「896-8660」のラベルのあるいわゆるRSコンポーネンツ製(Made in the UK)で、もう1つはたしかAliexpress で購入したもので、異なる製品が届くかのと思ったら全く同じ製品でした(ラベルも同じ)。
基板のリビジョンは V1.2で技適もついています。
2019/02 時点では日本製も入手できヨドバシではポイント分を含めると4,000円台になっているようです。
で、Windows 10。
Windows は、一部のエディションを除いてインテルの86系とその互換CPUのマシンにしかインストールできなかったり、リムーバブルストレージにはシステムを置けない(または、置こうとすると困難が伴う)など制約があります。
Raspberry Pi は、CPUがARMだし、システムをSDカードに展開して使用することになっているので、Windows とは相容れない存在でした。
2015年夏に「Windows 10 IoT」がリリースされましたが、これはGUIを持たないコアのみの、いわば組込み用のエディションでした。
その後2018年に「64bit ARM版Windows 10」が公式に発表され、さらにこれをRaspberry Pi 3にインストールできるツール「WoA Installer」が有志によってGithub上で開発されています。
誰でも簡単にRaspberry Pi 3へ64bit ARM版Windows 10をインストールできるツールが登場(Gigazine)
https://gigazine.net/news/20190214-raspberry-pi-run-windows-10/?fbclid=IwAR3w_N7UEtpdJB55wZh-YEjFziYfcidZYcEef-Z55DgKTiZ8PxDExIUtLno
実際に試している人のレポートも見られるようになってきたので、やってみることにします。
【手順概略】
Windows機で、
- creatingISO_17763.292_ja-jp_arm64_Professional.cmd をダウンロードして実行
(DL元: https://uup.rg-adguard.net/ 、実行するとisoファイルが生成される(1時間弱かかる)) - 1.で生成された 17763.292.190115-1726.RS5_RELEASE_SVC_PROD2_CLIENTPRO_OEMRET_A64FRE_JA-JP.ISO をエクスプローラーからマウントする
- microSDを接続する(挿す)
- 「WOA Deployer for Raspberry Pi 3」をダウンロードして実行
(DL元: https://github.com/WOA-Project/WOA-Deployer-Rpi 、実行ファイル: WOA Deployer.exe、デプロイ先: 3.で接続したmicroSD、デプロイ元:2.でマウントしたドライブの中の \sources\install.wim(数時間かかる 少し速いmicroSDにしたところ、30分かからなくなりました))
ラズパイで、 - 4.までで書き込みの終わったmicroSDをスロットに挿し、キーボード・マウス、ディスプレイを接続して電源を投入する。LANケーブルも挿す。
- 4.の完了時に表示されたメッセージの手順にしたがって設定、再起動をする
UEFIメニューで①「Device Manager」→「Raspberry Pi Configuration」→「Chipset Configuration」→「uSD Routing」で「Arasan SDHCI」 (← これの効果は不明 これはmicroSDへのアクセス方法と思われますが、必須です)
②「Chipset Configuration」→「CPU Clock」で「MAX」
③ boot オプションで起動順を変更
Windows の設定では、ネットワークの設定は「あとで」にして、ローカルユーザー を登録します。コルチナは「拒否」です。 - Windowsのデスクトップが表示できるようになったらLANケーブルを挿す
すると更新が始まります。
(はじめ(インストーラー起動時)からLANケーブルを挿していたほうが具合がよいかもしれません。)
この画面が出るまでなかなかうまく行かなくて、isoの生成、SDカードの制作、インストール作業を数日にわたって数回繰り返しました。
ネットでは、うまくできている人とどうしてもできない人がいて、ちょっと解がわからない状態が続きました。
【TIPS?】
結局、インストールのコツというか、 こうするとうまくいくのかな? ということがいくつかありました。
- 電源が安定していること。(必須)
容量に余裕があることはもちろん、電圧変動が少ないことと電圧降下がほとんどないことが必要です。
なので、USBに挿すキーボード・マウスは無線タイプのほうが省電力なので差し替えてみたり、CPUクロックを下げてみたりしましたが、電源が安定してさえいればどちらでもよかったようです。
よくあるタイプの(機器の充電に使うような)ACアダプターでは5.0Vが必要なところ、4.85~4.80Vくらいまで下がり、電源インジケータの赤色LEDが消灯するほどの電源事情だとインストールは不可能です(インストーラは進むが、「問題が発生しました」→ [やり直す]のループになる)。2.4Aタイプの電源を使うようにという意見があったりしますが、インストール中の電流値は0.7~0.9A程度(実測)なので、問題は容量ではなく、安定性です。
今回は、安定化電源(MingHe社製 D3806 Boost & Buck DCDC コンバータ)を使用して約4.98Vを維持し、電源ケーブルも切り詰めました。
- 放熱に気をつける
今回はヒートシンクは付けていないですが、ファン付きケースを使用しました。 - LANケーブルはインストール完了後に挿すとよい インストールのはじめから挿してあったほうがいいかも
インストール中に更新が始まったり、ユーザーとしてマイクロソフトIDを求められたり、OneDrive への参加や、他機との同期とか ちょっと面倒なので、これらを避けるため。 - microSD は、32GB以上がよい
16GBでもよいというような記載をどこかでみましたが、インストール完了時点で13.4GB使用済みになるので、16GBだとカツカツです。 - 選択するサービス項目は、最小限に
リソースが限られているので、コルチナなどは「拒否」します。
【Windows のデスクトップが表示されてから】
- ディスクアクセスが100%のまま
おそらく更新が走っているのだと思われます。かなり時間がかかりそうです。 - ドライバがあたっていないデバイスがあります
上記更新で拾えるのかどうかわかりませんが、インストール直後では無線LANが使えません。
回路図にでてくるIC名が見慣れたWindowsのデバイスマネージャーに並んでいるのがおもしろいです。 - 日本語入力はできるのに、キーボードがUS設定のまま
設定ミスの可能性がありますが、記号キーの位置が違うのでちょっと不便。 - 電源OFF 操作しても Raspberry Pi の電源が切れない(画面は消える)
対処方法があるのかもしれませんが、未対応です。
Edgeを起動するだけで(測っていないですがおそらく)5分以上かかります。
Edgeは、数十秒で開きますが、コンテンツを表示し切るのに1分以上かかります。
Edgeは、ARM用ネイティブと思われますが、それでも実用的とは言えません。
x86の32ビットアプリ用もエミュレータを介して動作するとのことですが、Windows 10 on Raspberry Pi という環境自体が試そうという気にもなれない遅さです。
Raspberry Pi 3 Model B は、クワッドコアの1.2GHz、メモリ 1GB、ディスクはmicroSDのみなので、想像どおりなわけですが。
CPU-Z をインストールしてみました。
CPUが Broadcom BCM2837 ではなく、Virtual CPU になっています。
つまり、CPU-Zは、ARMネイティブではなくて、エミュレーターを介して動作するx86アプリだとわかります。
BIOS設定で、CPUクロックを「MAX」にしているところ、実際に1.5GHzを超えるオーバークロック状態で動作していることもわかります(定格は1.2GHz)。
マザボの表示が興味深く、たしか UK製のラズパイはイギリスのSONYの工場で作られていると聞いたことがあるのですが、SONY製であることはこの表示でわかります。
Paspberry Pi のよいところは、小電力ということもあります。
実際、Windows 10 の動作中も、だいたい0.6~0.7Aくらいで動作しているようです。
なので、計算上は、18650のバッテリー1本で約2時間稼働できることになります。
さて、この激遅Windows機をどう使うか。
「ラズパイでもWindowsが動くよ、よかったね」それだけで終わるのか。
何か良い使い道があったら、また書きます。
CPUの世界シェアでインテルが比率を減らす中、シェアを拡大しつつあるARM陣営にも上手く乗っかっていきたいMicrosoftの思いがどこまで届くのか。VisualStudio がARMネイティブのアプリ作成にも対応したとも聞きますし。
ARMは近年 高性能化しているし、Windowsの方も機能的な見直しやコードの最適化などが進めばiOS、Android とならぶモバイル系OSにもなれるはずだと思うのですが、どうなっていくのでしょう。当面、他のシングルボードのARM機への広がりが楽しみなところです。
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購入金額
6,210円
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購入日
2017年頃
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購入場所
秋月電子 他
jakeさん
2019/02/23
ちばとどさん
2019/02/23
やってみると面白いですけど、それで何に使えるの?問われると、ちょっと・・・^^;
「4」が出るときには、簡単にインストールできるイメージファイルが提供されるような気がします。
まこりんさん
2019/02/25
Raspberry Pi 4に期待ですね!
ちばとどさん
2019/02/25
そうですね。
最新の、または将来MacOSがのるようなさらなるARMでないと、Windowsらしく使うことは難しいですね。ラズパイは自由に試せるハードウエアなので、Windows-ARM開発サイドからするとほんのきっかけとして都合がよかったのかもしれません。
だから、「使いみちはほとんどないけど、たしかにインストールできた」で良いのだと思います。
「4」になればもっと良い動きになるでしょうが、もし35ドルの縛りがそのままなら、どこまでいけるか、まさに期待です。