業務用としてメリタのペーパドリッパーを愛用しています。
ずっと透明樹脂製(モチモノ下)のモデルを使っていましたが、抽出口を2センチ弱上にずらすというコペルニクス的転回アイデアでリニューアルされたアロマフィルター(モチモノ上)を試したところ、
オートチョーク付きキャブレターから電子制御インジェクション
ノンシンクロ5速ミッションからロックアップ付き9速トルクコンバーター
レンジファインダーから追尾式オートフォーカス
に例えても良いかもと思える程の進歩を見ました。
この新発明は、業務の現場より、ご家庭での使用時に、より効果を感じて戴けるのではと思います。
そこで1x1サイズの製品の新旧を並べる形でレビューすることにしました。
先に書いた内容とあまりかぶらないように構成しますので、このレビューを先に読まれる方は
ぜひ、ひとつ前のアロマフィルターのレビューもご覧下さいね。
難しい蒸らし作業がホントに楽になりました
少し長い動画ですが、できればご覧下さいね (倍速で再生されます)
まず蒸らし作業を行います。 コーヒー粉に少量の熱湯をかけて蒸らします。
新鮮なコーヒーなら、豆に含まれる炭酸ガスの作用で大きく膨らむはずです。
概ね30秒が目安。 膨らみが凹むのを目安にするのも良いと思います。
1x1:一杯淹れなら、ペーパーの上縁まで一気に熱湯を注げばちょうどの量になるはずです。
抽出時間はメリタが最適化してくれます。
1x4や1x2を利用する場合は、2度に分けて注ぐのも許容範囲だと思うのですが、1x1なら一気に注いじゃいましょう。
最後に抽出される液には不要な雑味成分が含まれます。
左側の旧型フィルターを使う場合は、意識して最後の数滴をカップに入れないようにする必要があります。 抽出が続いている状態で、ドリッパーをカップから外してくださいね。
アロマフィルターなら、抽出口が上にズレていますので、最後のダメな成分がカップに落ちてしまう心配がありません。 そのまま放置してもお湯の量が最適なら問題無しです。
好みの範囲
永年愛されてきたメリタのフィルターシステムです。
旧型も充分美味しいコーヒーが楽しめます。
ただし、蒸らしを丁寧に行う必要と、最後の数滴をカップに落とさない事が要求されます。
その点、新型のアロマフィルターなら、蒸らし作業はより簡単になりましたし、最後の数滴はフィルター内部に残ります。
より簡単に、よりオートマチックに事が進みます。
同じように心を込めて、同じ豆、同じお湯、ほぼ同じ抽出時間で比較してみました。
想像していたように、アロマフィルターで淹れたコーヒーの方が「すっきり」しています。
雑味がありません。
旧型フィルターで淹れたコーヒも、雑味を除く工夫をしているのですが、差を感じました。
でも苦味を旨味と感じる方には「物足りなさ」に通じる可能性があるように感じました。
できればご自分でお試しください。 そしてお好みを見つけてください。
ただ、簡単なのは明らかにアロマフィルターの方です。
作業者によるクオリティの差が出づらいのもアロマフィルターの方です。
コツ
1x4のところでは書きませんでしたので改めて書き留めます。
ペーパドリップの難しさと引き換えの楽しさは作業者に工夫が残されること。
東芝のコーヒーメーカーでは、ドリッパーに「軽め」「濃い目」の切り替えがありましたが
基本的にお湯の温度や抽出時間は調整出来ないことがほとんどです。
ハンドドリップの場合は、抽出時間もお湯の温度も自由です。
基本的な知識として
蒸らし時間や抽出時間を長くすると「濃い目」「コク」方向に向かいます。
そしてお湯の温度が高めだと「苦味」方向に向きます。
お湯の温度が低めだと「酸味」方向に向きます。
コンロで沸騰しているお湯を使えば苦くなり、コンロの火を消してから淹れると苦味が減り
酸味が出るのだとお考えください。
注意点
旧型フィルターのところで書いたコツは、ドリッパーとペーパーを馴染ますためにとポットやカップ、それとフィルターを温めるために、まずお湯を注いでくださいと書きました。
しかし新型のアロマフィルターの抽出口は底に配置されませんので、上記の作業を行うと、お湯がフィルターの底に溜まったままになります。
逆さまにするとお湯は出ますが、あまり実用的ではありません。
表面張力でドリッパーとペーパーがひっついてしまうことを防ぐために、より深いリブが刻まれていますので、旧型でオススメしていたコツは採用しないことをオススメします。
でも、冬季はカップとドリッパー、もしくはポットを予め温めてくださいね。
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購入金額
254円
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購入日
2016年01月26日
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購入場所
Amazon
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