私のストック分のSSDは、500GB前後クラスというものはいくつかありますが、意外と512GBを超えるものがありません。
現在メイン級で使っているPC2台には、いずれも512GBのSSDをOS起動用として搭載してますので、この内容をクローンコピーして環境に手を加えるという作業を行うためには、512GB以上の容量を持ったコピー先が必要となりますので、これらはいずれもこの用途に使えないことになります。
強いていえばCSSD-S6T512NHG5QとリプレースされたOCZ Agility4 AGT4-25SAT3-512Gが浮いていますが、このSSDはSATA2環境で使ってもやや遅いという微妙な存在であるだけに、あまり積極的に使いたいものではありません。
というわけで、気軽に使える価格とほどほどの性能を兼ね備えた512GBのSSDということで、このTranscend TS512GSSD370Sを入手してみました。
今回は中古品での入手ですが、それほど長時間は使われていない(詳細は後述)もので、環境の複製用程度であれば使用感を気にする必要はなさそうです。
特に欠品も無く、コンディションも良好です。
特別速い訳ではないが、十分な性能は出ている
それではベンチマークテストによる検証です。まずはCrystal Disk Infoの情報を確認してみましょう。
使用時間は5時間と極めて少ないものでした。その割に書込量はそこそこ多くなっていますので、通電中は負荷をかけ続けたのかも知れませんが…。まあ、本気でメインPCに使うという訳ではありませんし、どのみち何年も一線級で使うようなものではありませんから問題は無いでしょう。私の自宅サーバーでOS起動用に使っているIntel SSD 520と比べてしまえば、使っていないも同然です。
それではいつも通り、Crystal Disk Markの2つのバージョンで性能を測定してみましょう。接続先はXeon E5-2670を搭載したASUS P9X79のSATA 6Gbps対応ポートです。
▲Crystal Disk Mark Nano Pico Edition
まずシーケンシャル速度を見てみると、書込が読出に対して15~20%程度落ち込む傾向が見て取れます。特別に遅い訳ではないのですが、他社製の高速モデルを見慣れていると少し物足りなさを感じるかも知れません。
一方でランダム性能については、QD=32の時には標準的ですが、QD=1の時にはOS起動用として使っていない割にはやや遅めです。これが体感速度に何か影響するかは判りませんが、ベンチマークテストの結果からは「さほど速くはないが特筆するほど遅くもない」としか言いようが無さそうです。
比較的安価なMLC NAND搭載モデルとして選択肢になり得る
速度面ではこれといってメリットを感じるような結果は出ませんでしたが、このモデルは市場から急速に減っているMLC NAND搭載製品であり、価格も比較的手頃な水準でまとまっているだけに、常用SSDとしての選択肢にはなり得るでしょう。
各所に掲載されているレビューや分解写真によると、搭載コントローラーとされるTranscend製TS6500は、SiliconMotion SM2246ENのリブランド品で、搭載されているNAND Flashの製造メーカーはMicronとなっているようで、以前取り上げたCrucial BX100に近い構成の製品といえるようです。
ただ、BX100では本機のような4Kランダムの弱さは見られません。この辺りはプロビジョニング領域の有無がパフォーマンスに影響を与えているということなのかもしれませんし、単純にTranscnedのファームウェアの完成度が低いだけかも知れません。
個人的にTranscend製のSSDというと、初めてプチフリーズを体感したり、初めてSSDの不良品を引いたりとあまり良い印象がないのですが、本機に関しては他社と比べると性能面で地味さを感じる以外には特に問題は無いと思います。
何分選択肢が大幅に狭くなった貴重なMLC NAND搭載製品であり、その中では比較的手ごろな価格が維持されているということを考えれば、存在そのものが貴重になりつつある製品といえます。
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購入金額
10,778円
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購入日
2016年12月20日
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購入場所
ソフマップ
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