2016年3月7日、広島にて「ZenTour 2016」が開催されました。
そのセミナーに参加する機会をいただき、その際に「ZenFone2」を頂きました。
ZenTour 2016 広島
Asusが販売しているSIMフリースマートフォン「ZenFone」シリーズの魅力を紹介するセミナーが全国各地で開催されており、ASUSスタッフと直接会う事ができるという地方に住む人間にとっては滅多にないチャンスが巡って来ました。
セミナーの内容は、前半がZenFone2の魅力を紹介するプレゼンテーション。
後半は、直接ASUS製品を色々と触ったりスタッフの人と会話ができるフリータイムとなっていました。
(※)他の参加されている方が写っているので、塗りつぶしています。
前半のプレゼンも、一般的なセミナーにあるような一方的に話を聞くスタイルではありませんでした。
まず最初に、レビュー製品が渡されます。そして、実際にそれを開封して触りながら、プレゼンの内容と同じ事をすぐに実感できるようになっていました。
普通であれば「まず話を聞いて、最後におみやげ」見たいなスタイルではないかと思います。
そして、話を思い出しながら端末を触るという感じ。
魅力的な機能を紹介してもらい、すぐさまそれを体験できるのはとてもよく考えられた構成だったと感じました。
ただ、レビュー品は新品ではなく、以前にメディアへと貸し出されたものが渡されます。
なので、参加者の20人中で半数くらいの人は充電されていませんでした。完全放電していたようで、起動すらできません。
私の端末もそれに当たってしまい、手持ちのモバイルバッテリーでも充電できないほど。
プレゼンを聞いていても端末を触ることができず、ちょっと「取り残された」感じはしました。まぁ、その分、話に集中できましたが。
後半は、展示してあるASUS製品を好きに触ることができました。気になっていた「ZenWatch」も展示してあり、直接触れる事ができたのが収穫でした。
ZenFone2 概要
ということで、レビュー製品としていただいたスマートフォン「ZenFone2」をレビューいたします。
ZenFone2にはいくつかバリエーションがあります。
今回の製品は、簡単に言うと「Atom Z3580(2.3GHz)、4GB RAM、32GB、赤」モデルです。
性能的には「トップグレード」、容量的には「真ん中」といった感じです。
ただ、ストレージサイズはMicroSDカードで増設できますので32GBもあれば十分すぎます。
写真やビデオはSDカードに入れてしまえば、32GBものアプリをインストールできるわけです。
この端末の魅力は、やはり「スペック」。
製品のキャッチコピーが「性能怪獣」という、ハイスペックを前面に出しています。
へたなWindowsタブレットよりも高性能なAtomプロセッサを搭載し、これまたヘタなWindowsタブレットよりも多くのメモリを搭載しています。
このプロセッサは64bit OSに対応しているため、今後展開される予定である「64bit Android」への対応が期待されます。
Windowsで話題になった「4GBメモリ問題」ですが、これはAndroidにも相当します。
OSが32bitだと、メモリのアドレス割り当てが「2の32乗」までとなり実質3GBしか使えません。つまり、1GBほど無駄にしているということになります。
ですが、スタッフの方いわく、この端末は「4GBメモリ対応カーネル」で動いているのでOSが32bitにもかかわらず、4GBフルに使えるそうです。
実際、利用中の画面を見ていても
ちゃんと、3GB以上認識しています。
1GBを1024MBで計算している都合上、「公称4GB」が認識では少ないのはいつもの通りです。
このCPUとメモリはやはり一番のウリなようで、スタッフの方も「是非ベンチマークアプリを使ってみてください」と言っていました。
実際に使ってみると、ベンチマークを取るまでもなくキビキビと動きます。
AndroidスマートフォンとAndroidタブレットを毎日持ち歩いて使っていますが、明らかにそれを感じます。
ZenFone2 使用感
ということで、実際に使ってみます。
まず、一番に感じたのが「手にしっくりとなじむ」ということ。
背面がかなりラウンドした形になっており、片手で持つとちょうどいい感じの持ちやすさになっています。
端の「最薄部」では、実に3.9ミリしかないそうです。
私は手がかなり小さく、手袋は嫁と共通でもいいくらい。そんな私でも、5.5インチ液晶の端末を違和感なく持つ事ができます。
「ちょっと大き目の液晶端末が欲しい」女性には、この形状はとてもいいと思います。
デメリットとしては、テーブルに置いたときに安定しません。テーブルに置いたまま操作しようとすると、タップした瞬間に左右にシーソーのように「ゴロンゴロン」と揺れます。
布製マウスパッドのような、柔らかい素材の上に置いてから操作する必要があります。
端末サイズが大型なので、快適操作に関しても色々と工夫されています。
音声ボリュームは
背面中央に配置されています。
多くの端末は、右か左の側面に配置されています。右ききの人の場合、右側面にボリュームスイッチがあると簡単に手が届きますが左ききの人は届きません。逆もしかり。
背面の中央にあれば、どちらからでも簡単に人差し指で操作できるので便利です。
個人的に、一番嬉しいのは音声ボリュームが背面中央に配置されたことで「電源スイッチ」が近くにないこと。
多くの端末は
このように電源スイッチがそばにあります。
「ボリューム-」と「電源ボタン」を同時押しすることでスクリーンショットを取るAndroidでは便利な配置なのですが、誤操作も非常に多いのが私の操作なんです。
端末ごとに、音声ボリュームと電源ボタンの配列が上下なので複数の端末を操作していると
「音を小さくするつもりが、スリープになっちゃった」
という誤操作が非常に多いのです。
ZenFone2では、電源ボタンは上面に配置されているのでこういった誤操作はないというのが個人的に嬉しかったポイントです。
デメリットとしては、テーブルに置いたときに音量調整ができないこと。
背面にあるので、持ち上げないとできません。ただ、側面にある端末も押しにくいので、結果として持ち上げて操作してしまうのであまりデメリットではないのですが。
これは、音量ウィジェットをホーム画面や通知バーに配置する事でほぼ解決します。
電源ボタンと音量調整ボタンが離れたことで、スクリーンショット操作が片手ではできなくなりました。
ですが、ちゃんと対処されています。
通知バーをさらに下げたところにあるクイック操作。
ここに、スクリーショットをとるアイコンが用意されています。
電源ボタンが上に配置されたことで、押しにくくなったのは事実。
ですが、通常使用では押す事はまずありません。
スリープも、スリープからの復帰も画面のダブルタップでできるからです。電源ボタンを押すときは、何かの都合で再起動か電源オフの必要があるときだけ。
メモリを4GBも搭載しているので、メモリ不足などの理由で再起動することもあまりないでしょうし電源ボタンは普段使いではいりません。
メインのスマートフォンとして普段から使うために、必要なアプリを次々と入れていきましたが何をやってもキビキビと動作しまったく不満はありません。
基本性能の高さは、ウェブブラウザやスケジュール管理などちょっとしたことですぐに感じ取れます。
今まで使っていたのが古くてスペックの低い端末なのか、ということではありません。
まだ買って半年も経たない端末を使っていての感覚なので、やはり軽快に動いているということなのでしょう。
気になったのは、ゲームを入れたとき。
別に最新のゲームというわけではなく、この5月で2周年を迎えるゲームです。3Dも、バリバリではありません。
このゲームが、入れた当初はカクカクして動作が微妙でした。
タップのタイミングが大事なゲームなので、動きがカクカクするのは致命的。
これがかなり焦ったのですが、次の日になんだかんだやっていると普通に動きだしました。
導入したばかりで、バックグラウンドで色々と動いていたのでしょうか。
ネットの情報でも、IntelのAtomプロセッサゆえに動かないアプリもあるようでちょっと気になります。
とまぁ、手にとってみても操作してみても「まったくもって不満のない」スマートフォンであることは間違いありません。
日本の大手携帯キャリアでこれだけの性能を持つ端末を契約すると、かの悪名高き「2年縛り」をともないかなりの高額になることでしょう。
その縛りもなく、安月給のサラリーマンでも手が届く価格帯でこの性能なのは驚きです。
ZenFone2 ライバル比較
さて、では私感タップリで手持ちのスマホと比較していきます。
去年の10月から、SIMフリースマートフォンを使っています。契約はDocomoですが「2年縛り」の月がやってくる8月までは、この状態で使います。
端末は
「ファブレット」とも言われる、ファーウェイの6インチスマホ。
ネットでも、よくライバルとして登場します。
これと比較しつつ、違いを見ていきます。
まずは、スペック。
赤いところが、比較して優れていると思われるところ。違うといっても、サイズなどもかなり似通っています。
そして、やはり特筆すべきがCPUとメモリ。数字だけでも、かなり優位なのがわかります。
では、実際に並べてみます。横に並べてみます。
ZenFone2が152.5ミリ、Mate7が157ミリ。数字では4.5ミリの差です。
ほとんど、変わりません。
では、横幅はどうなのか。今度は、横に並べてみます。
ZenFone2が77.2ミリで、Mate7が81ミリ。約4ミリほどの差。
こうしてみると、ディスプレイサイズが0.5インチ違うだけで表面積はほぼ同じだといえます。
では、ディスプレイだけを切り出して重ねてみます。
写真撮影したものなので、厳密に「真上から」ではないのですが、重ねてみるとこんな感じです。
本体サイズはほとんど一緒なのに、ディスプレイは意外とサイズが違います。
ですが、不思議と両方を交互に使っているとあまり差を感じないのです。
で、気づきました。Ascend Mate7とZenfone2の表示の違い。
ZenFone2のボタンは「物理ボタン(静電容量式)」なんです。
どういうことかというと、Mate7は、物理ボタンもディスプレイに表示しなければなりません。
しかし、ZenFone2は表示する必要がないのです。
それだけ、大きく表示できるということ。
なので、Mate7のボタン表示部を除いて重ねてみます。
すると、表示されている部分はほとんど同じ大きさだということがわかりました。
道理で、両者を持ち替えても表示に違いを感じないはずです。
では、実際に手に持った時に一番感じる違いは何か。
やはり
持ちやすさ
です。これにつきます。
微妙に狭い横幅、手に馴染むようにラウンドした背面。
中心は厚く、端になるに従って薄くなる形状はとても持ちやすくサイズよりも小さく感じます。
持ち歩くことが多いスマホにとって、持ちやすさはかなり重要です。
まとめ
ということで、この端末の売りである「スペック」はもうあちこちのサイトで比較・紹介されているため、個人的な
「持ち歩くなら、どっちにする?」
という、とても贅沢な悩みを解決すべく比較してみました。
もう、性能からすると間違いなく「ZenFone2」しかありません。持ちやすいし、CPUもメモリもいうことなし。
ですが、私的にとても重要な項目が「マズイ」のです。
Androidの世界では異端児である「Intel Atom」が原因のようですが、私がはまっているゲームの動作に問題があるのです。
子供の影響で、アニメ「ワンピース」を観るようになりそのゲームである
「ワンピース トレジャークルーズ」
というゲームにはまっています。通勤の駅のホームや昼休み、土日にはドップリとはまって周回する日々。
このゲーム、タップするタイミングが重要なのですがプレイ中に「カクカク」となります。
サウンドが暴走して大きなノイズを発し、タップタイミングどころではないほどにカクカクします。
スペック的にはまったく問題なく、Nexus7(2012)でも状況次第では動きます。Nexus7(2013)だと、何の問題もなく快適にプレイできます。
Mate7よりも性能が上のZenFone2で、まともにプレイできないはずがないのです。
CPUに最適化されていないのか、プレイに支障が出てしまいます。
もう一つは、「Lollipop」であること。
私がAndroidで愛用しているアプリがちょっと特殊で、条件が「Kitkat+ROOT」なことなんです。
なので、Kitkat(Android4.4)で、手が出る価格でおそらく最高スペックであるだろうMate7を購入したのです。
ZenFone2も、もちろん候補にあったのですがLollipopなのであきらめた過去があったのです。
セミナーから5日間、いろいろと調べて手を尽くしてみましたが私には使えませんでした。
かなり特殊な事情を抱える私はいまだにどちらをメイン端末にするか悩んでいるところです。
ということで、結論。
(私以外の人に勧めるなら)間違いなく、ZenFone2
赤のヘアラインは、同僚のオッサン連中からも
「 お、カッコイイじゃん 」
と言われます!!
( 追記 )
その後、端末に不具合があることが発覚しました。
バッテリー残量が50%付近になると、突然電源が切れます。容赦なく。
電源スイッチを操作するも、まったく起動する気配なし。
充電器をつなぐと、当初「スッカラカン」の表示。
すぐに、表示は真中くらいにもどり数分充電すると起動します。
ホッとして充電器を外し、使いだすとまたすぐに電源が切れます。つまり、バッテリー残量半分程度しか使えないということ。
ネットで調べてみると、同様の不具合を抱える人が多いらしく対策としては
・満充電後、数時間そのまま放置
・初期化
が有力でした。それらを実行するも、解決する兆しなし。
今にしてみれば、セミナーの時、私の端末だけ充電すらできない状態だったのを思い出します。
なので、セミナー参加者専用のアドレスにメールしました。
参加時に「連絡はここへ」と聞いていたアドレスです。
メールを送信して、今の時点で24時間経過しました。
まったく、返事ありません。
そもそも「レビュー公開しました」のメールにも一切の返事が来ないので、この時点でかなり不安。
セミナーの帰り際に
「何かあったら、連絡ください。すぐに代替品をおくります」
って言ってたのに。
サポートが悪くて有名なAsus、せめてイベント関係の人はちゃんとサポートしてくれることを祈ります。
ということで
不具合のメールを送信してまる3日間、72時間経っても連絡がなければ自分でバッテリーを調達して修理に挑みます。
そして、その顛末はココで公開させていただきます。
そうならないことを祈ります………
( 追記2 )
ZenFone2の不具合を伝えるメールを送信して、まるまる3日(72時間)が経過しました。
記録として、送信メールのスクリーンショットを。
送信日時は「2016年3月22日(火)15:20」です。
(※送信先のアドレス、私のフルネームは消しています。)
私はかなりせっかちな性格で、もうこれ以上は待てないのでネットで見つけていたZenFone2用のバッテリーを注文しました。
工業製品なので、不具合の発生確率をゼロにすることはできません。
ましてや、プレス向けに貸し出したものを条件付きとはいえ無料でいただいたことに文句をいうつもりはありません。
ただ、私がせっかちなのは間違いないので素直に認めますが、3営業日もの間、連絡をしないのはどう考えても納得いきません。
なので、自力で正常復旧を試みます。
新品バッテリー代金の4,000円程度で、このスペックのスマホがもらえるのならありがたい話ですし。
ということで、今回の結論。
製品は、間違いなくイイ。コストパフォーマンスは最高。
ただし、買うなら
「信頼できるショップ」か「自分でどうにかする覚悟」
のどちらかが必要。
ショップ独自の保険などを活用して、
不具合が起きてもどうにかできる状況を
確保する方が吉です。
( 追記3 )
レビュー追記から3時間後、最初のメール送信から75時間後にようやく返信がきました。
「交換してくれるのかな?」
と思いきや
「バッテリーが0になるまで使い、1日ほど放置してから再充電すると
復活するからやってみて」
だそうです。
いやいや、だから残量50%程度で電源が
切れるんだってば!!!
どうやって0%まで使い切るんだよ。
客のメールくらいちゃんと読みましょうよ、
3日間もあったんだから。
一応、文句のメールは送ったけどやっぱり、自分でバッテリー交換しよう………
対応は不満でも、製品に不満なし!!
バッテリーを新品に交換後、1週間経って正常に使えております。
やっぱり、バッテリーが原因でした。
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購入金額
0円
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購入日
2016年03月10日
-
購入場所
L2さん
2016/03/12
私が参加した時は、最後にクイズで参加型でしたが、基本は聴く感じでした。
セミナー前のトライタイムでは、スタッフの方も参加者も緊張してあんまり触っていなかったので、そういう遠慮が出ると勿体無いかな、とアンケートを書いた覚えがあります。
意見を反映して、より参加型のイベントになっているのは凄いですね。
ASUSがイベントに本気なんだなと思いました。
ZenPadのIntelCPUだと、確かに不思議なカクカクぶりが出ました。
三國志パズル大戦が、音声だけ後から聞こえたり、演出が止まったかと思うと突然大量のセリフが同時発生したり、とか。
アプリの更新とか、ファームの更新後には、全く感じなくなりましたので、気が付いたら治っているかもしれませんね。
稲蔵さん
2016/03/12
コメントありがとうございます。
「おみやげ」って、普通は最後に渡されるものというイメージだったので意外でした。
L2さんのおかげで、動的なセミナーになったようです。
バンダイナムコは大手ですから、Atomコア搭載モデル向けの更新を期待してます。
L2さん
2016/03/12
流石に、私の声だけで変わるなんて(ヾノ・∀・`)ナイナイ
ZenFANの人達がきっとそういうアイデアを出したに違いない。
折角の高性能CPUなのに、肝心のアプリが対応していないのは切ないですからね。
早く対応されると良いですね。