先日とあるLPレコードを通販で買ったのですが、半端に高いものを買ったため、もう1枚買って優待クーポン(5,000円以上購入で500円引き)を利用しようと思い、聴いてみたかったこの「THE SEVENTH ONE」の180g重量盤を購入してみました。
収録内容自体は、以前取り上げたこちらのCDと同様(海外盤のため、日本盤向けボーナストラックだった十二曲目の「The Seventh One」は含まれませんが)ですので、詳細はそちらをご覧いただければと思います。
音楽面でも個人的にはTOTOの作品として最も気に入っているアルバムですが、それ以上に気に入っている点はオーディオ的なこだわりが素晴らしいという点です。
特に日本のソニーのスタッフが活躍したようで、本作のライナーには日本語で当時の大賀ソニー会長へのメッセージが書かれているほどです。
1987年のデジタルレコーディング作品ですから、最新の高音質録音と比べれば情報量や分解能という意味では劣る部分はありますが、とにかく明瞭かつレンジ感を特に感じさせる音質を持っています。
この作品までは日本でもLPで発売されていましたので、私もCD(初回盤と紙ジャケットリマスター盤)、LP(日本盤と北米盤)を揃え、それぞれの違いを楽しんでいました。そこに2012年に発売された重量盤LPが加わることで、どのような個性が見られるかという点に注目してみました。
これまで聴いた中で最高の音質
各種持っているこの作品のうち、個人的に最も気に入っていたのは初回盤のCDでした。紙ジャケットリマスターは確かにクリアさや解像度で進歩は見られるのですが、音圧を上げすぎて元のダイナミックレンジが失われてしまったという印象があり、あまり好きな音ではないのです。
また、LPでは北米盤の方が派手なのですが緻密さに欠ける傾向があり、初回盤CDの音に近い国内盤の方が好印象でした。初回盤CDと国内盤LPとで比べると、基本的な傾向はよく似ているのですが、LPの方がやや解像度が落ちるという印象があります。
その中で2012年にリマスターされた音源を利用して制作されたこの重量盤LPを入手した訳ですが、結論から言ってしまえば素晴らしい出来でした。
紙ジャケットリマスターに見られた解像度の高さやクリアさを持ちつつも、本来あったダイナミックレンジもきちんと保っているという印象なのです。
ベースラインの明瞭度や躍動感は国内盤LPと比較しても明らかに向上していますし、高域方向のクリアさも見事です。むしろ最外周の曲と最内周の曲とでの音質差が感じられる(一般的にレコードは内周側の方が音質が落ちます)のが気になったほどです。それがはっきりと感じられるほどに、元の音質が優秀ということなのでしょう。1曲目の「Pamela」では見事としか言い様がない出来なのですが、最後の「Home of the Brave」では明らかに情報量が低下し、高域方向も甘くなっています。ちなみにCDで聴くと「Home of The Brave」は本作の中でも最も音質的に優れていますので、これはレコードにおける劣化が原因なのではないかと思われます。
いずれにしても、最新のレコードであればここまでの音を出せるのかと、ただ驚くばかりの素晴らしい出来でした。
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購入金額
2,920円
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購入日
2014年12月27日
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購入場所
HMV ONLINE
yookano794さん
2014/12/30
「最高!」と思える盤に出会えて、おめでとうございます。
私も、「コレこそは(≒今度こそは(^_^;))!!」と思えるレコードを探して、日々ネットをウロウロしていますが、こういう出会いが、楽しみの一つだったりします。
私が持っているデジタル録音のレコードは、微々たる数なのですが、DA変換の環境、製作者のセンス、客の要望、プレス国の違いなどの要素もからんで、録音の仕様だけでは決まらんなあ、と感じています。
つまり、買って聞かないと、分からんと。w
いやあ、恐いですよ、この世界は。ww
jive9821さん
2014/12/30
コメント有難うございます。レコードにとってはマスタリング品質は本当にごく一部の要素でしかないという気がしますね。マスタリングが良いのは当然であり、それ以外のあらゆる要素がかみ合ったときに素晴らしい結果となって返ってくるというイメージでしょうか。
もっとも、ここ数年の間に発売されたレコードは全体的によくできていると思っています。日本ではなかなか発売される盤も増えませんが、海外ではここ数年で技術的な向上がまたあったのではないかと思います。以前掲載したこちらも、24bit/96KHzのハイレゾ音源と比べても決して劣っていませんでした。
過去作品の再発もこのような楽しみがあって良いものです。