レビューメディア「ジグソー」

初めて買った洋楽アルバム

私の場合、物心ついた頃から家にあったビートルズやサイモン&ガーファンクルを聴いていましたので、洋楽自体は馴染みがあったのですが、初めて自分で選んで買ったアルバムがこの作品でした。

今回はLPレコードで紹介していますが、最初に購入したのは所謂ミュージックテープ(カセットテープのパッケージ品)でした。

収録曲は以下の通りです。

1. Carmen
2. Lion
3. Stranger In Town
4. Angel Don't Cry
5. How Does It Feel
6. Endless
7. Isolation
8. Mr. Friendly
9. Change Of Heart
10. Holyanna

LPでは通常国内盤とMasterSoundを買っています。CDも一応買いましたが、今でも聴くのは専らLPの方です。

TOTOはこの作品から(厳密には本作の制作開始後)専任のヴォーカリストが初代のボビー・キンボールから、ファーギー・フレデリクセンへと交代しています。



前作に当たる、グラミー賞6部門制覇の傑作「TOTO IV ~ 聖なる剣」はTOTOの持ち味である幅広い音楽性が存分に発揮されていたのですが、本作はヴォーカリストの個性を活かした結果なのかもしれませんが、かなりハード寄りのサウンドとなっています。本作からシングルとしてカットされた「Stranger In Town」「Holyanna」「How Does It Feel」「Endless」のうち、ファーギー・フレデリクセンが歌ったのが「Endless」のみという辺りからも、彼ら自身の楽曲に対する満足度がさほど高くなかったことがわかります。結局TOTOが求める幅広い音楽性をカバー出来ないという理由(実際には他にも様々な理由があったようです)から、ファーギー・フレデリクセンは解雇されてしまいました。

しかし本作「Isolation」は、メロディック・ロック系のアルバムとして捉えると素晴らしい出来映えだったのではないかというのが個人的見解です。実質的リーダーであったジェフ・ポーカロの死後、TOTOを牽引する形となったスティーブ・ルカサーが志向していたサウンドの原型は、この作品にあったような気がするのです。実際にスティーブ・ルカサーの意向が強く作風に反映されたといわれる第8作「Kingdom Of Desire」は、かなりハードロックに偏った作品となりました。

リード・ヴォーカルはデヴィッド・ペイチだったものの、第1弾シングルとなった「Stranger In Town」はそれまでのTOTOとは違った境地をみせた作品でしたし、「Carmen」や「Isolation」をはじめとするファーギー・フレデリクセンが歌った楽曲の格好良さも格別でした。「Isolation」は日本のEvery Little Thingの楽曲「Face The Change」のアレンジの元ネタとしても一部では有名ですね。

私にとってTOTOの愛聴盤といえば第7作の「THE SEVENTH ONE」ではあるのですが、本作もそれに次ぐぐらいの思い入れのある作品です。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

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