●これはなに?
たかじんさん設計、基板頒布されている(現在は完売) 0dB HyCAAヘッドフォンアンプです。
HyCAAとは、Hybrid classAA Headphone Amplifierの略で、
真空管と半導体オペアンプのハイブリッドで、かつ テクニクス class AA回路をもつことから命名されたものです。
詳しいことは、たかじんさんのページをご覧ください。
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/hycaa.html
●回路構成
主だった部品は電圧増幅管 12AU7 + オペアンプ2個ですが、高電圧を必要としないですし、安価で入手性のいい部品なので作りやすくなっています。
ヒーター電源もスイッチング電源からそのまま与えても気になるノイズもない使いやすいものになってます。
●組み立てます!
今回のパーツですが、秋月電子通商、千石電商、マルツパーツで揃えました。
WIMA の1μFは手持ちを使ってますが、千石にありますし、真空管ソケットは千石かaitendoで、4極ジャック,DCジャックは秋月です。
基板
コンパクトにまとまってます。レイアウトにも無理はないです。
背の低いパーツから取り付けていきます。
(実は R17,R18とR13,R14を間違って取り付けてますw)
次は4極オーディオジャックとオペアンプの丸ピンソケットを付けます。
ボリューム、DCジャック、真空管ソケット、電解C、フィルムコンデンサの順で取り付けてます。
使用している電解コンデンサは 東信工業 UTSJに統一、フィルムコンデンサは WIMA FKP2 1μF、抵抗は KOAの金属皮膜抵抗です。今回はタクマンREXは使用しませんでした。
ボリュームはいつもの LINKMAN RD925G Aカーブ 50KΩです。
安くてギャングエラーが少なく音質も気に入ってます。
さて、メインとなる部品ですが、
真空管はGolden Dragon 12AU7を、オペアンプは電圧増幅には NJM5532DDを、電流増幅には NJM4556AD (LXU-OT2の改造で余ってたもの) を使いました。
こんなこともあろうかと秋月で4個買っておいた NJM5532DDを1つ使ってます。
とりあえず組み上げてみたのがこんな感じ。
●音量が小さすぎるぞ?なにを間違った?
ヘッドフォンと直列に入っている 100Ω抵抗が 1KΩになってましたし、classAAに入ってる抵抗が1KΩのはずが100Ωになってました。
そりゃだめですよね。確認したはずなのに、ぽかをやってしまいました。取り換えたところまぁまぁの音量が出るようになりました。
ただし、フルボリュームにすると発振状態になってしまうことがありますので、そのときはボリュームをさげて電源を再投入するか、負荷(イヤホン)を抜きさしすると収まります。
●明るくしようか!
さて、ミニチュアソケットの下からLEDで光を当てることができるので、当ててみました。
気分的にはオレンジ色なんですが、ちょっとELEKITの電球色チップLED(3528サイズ)を付けてみました。
明るすぎましたし、放熱パッドがない状況では寿命がきますので、制限抵抗470Ωから 1kΩに変更するかもしれないです。
フラッシュを焚かないと…これだけ明るく、下が熱いです。
1500円は基板頒布金額で、部品込みでほぼ5000円ですね。
なお、冒頭のプレーヤーは SONY CLIE TH55 でした。
2014/5/16 オペアンプを変えてみる…
エージング途中なんですが、電圧増幅を受け持つオペアンプを NJM5532DDから LT1364に交換してみました。
効果は
・音量が上がった!
・フルボリュームでも音が割れることが減った(0ではない)
・音が大分クリアになった(まだ曇りを感じる)
ATH-A5XでもATH-W1000でも余裕で駆動できるパワーが手に入りましたが、さらにクリアな音を求めて、電流増幅部の NJM4556ADからLT1364に投入してみました。
しかし、クリアさを感じるもののハムノイズを拾っててNGです。
それで NJM5532DDを回したところ、合格点に達した感じですね。
LT1364はボーカルはいいとしても少し高いほうが強いので、同じ傾向でありながら低音のバランスがよいOPA2604にするのも手かなと思ってます。
しかし、これ周辺機器用のスイッチング電源(ACアダプタ)なのにこれぐらいの音質が出せるのはすごいです。
パワーランプ兼 真空管照明用LEDを減光しよう
電球色だと、プレート電圧が1KV近い送信管をつかった アンプなみに明るいです。
ネオンカラーにするのでなく、デフォルメした真空管アンプっぽくするのならもう少し暗くしたほうがよさそうってことでさっそく改良しましょう。
使用している ELEKIT の高輝度 電球色チップLED(3528) LK-1WM (OSM5DLS1C1A-S-JK)です。
データシート
http://www.elekit.co.jp/pdf/LK-1WM_01.pdf
をみると、
絶対定格
順方向電流 30mA
電力損失 108mW
動作温度 -30~+85℃
定格
順方向電圧(IF=20mA) min 2.9V, typ. 3.1V, Max 3.6V
輝度 (IF=20mA) min 500, typ. 750, Max 1120 mcd
放射パターンは±60度で輝度は半減するタイプなので、できるだけ照らしたい位置に持っていく必要がありますが、チップLEDの寿命を加速させそうな放熱できないソケット内部に持っていくのは避けました。
さて、輝度を下げる話ですが、順方向電圧が 3.1Vなので制限抵抗には9Vが掛かりますから、流れる電流は9V/470Ω=19mAで、このLEDの標準的な輝度 750mcdが得られてたと思われます。
(制限抵抗の電力損失は 9V*19mA = 171mWで 1/4Wタイプで余裕)
電流量を減らすには制限抵抗値をあげればいいので、先日100Ωと間違って使い外していた1kΩ 金属皮膜抵抗(1%誤差)に変更しました。
9V/1kΩ=9mAでいい具合に暗くなりました。
LEDと制限抵抗を合わせた損失は 12Vx9mA = 0.1Wとなり、発熱はぐっとおさえられましたし、もう少しコンパクトな1/8Wタイプの抵抗が使えます。
でも、感覚的にもう少し明るいほうがいいかなと思うので、680Ωで13mAにするのがいいかも。
v-amp側を LT1364から OPA2604に変えてみる
今日 OPA2604APをもう1個買ってきたので V-AMP側に入れてみました。
LXAのときと同じで低音は改善しましたが、ボリュームを上げると出力がぷつぷつ切れます。
なかなか厳しいですね。
LXU-OT2のラインアンプ側を LT1364から OPA2604APに変えると濁りを感じるようになり、PCM2704→LT1364→12AU7→LT1364→NE5532DD の流れで安定しました。
c-amp を OPA2604 から OPA2134PA に変更
ソースを IrBerryDACに変更したところ、もう PCM2704に戻れるわけはなかったです。
もう全然違う。AudioGate 2.xで flac 192KHz/24bitコンバージョンしたソースはもちろん、 同じレートのソースでもはっきり違いが出ます。
構成的には、
PCM5102A→東芝12AU7A→LT1364→OPA2134PA でフィックスになりそうです。
さらに、電源に Little Susie を投入したところ、クリアさが違いました。
MP3 128kの音でも豊かに聞こえる! 真空管による2次高調波の影響もあるでしょうけど、
ATH-A5X でも Voの息遣いがハッキリ聞こえる!
こんなに素直な音がするヘッドフォンだったかな?
それでも曇りはありますから、上位バージョンのヘッドフォンではさらに素直な音が期待できそうです。
さらに極めるのなら、トロイダルコア+SiCダイオード+TPS7A4700に Little Susieを入れたら面白いか。
mr_osaminさんがこれをプリアンプにしたいっていってたことが理解できたかもしれない。
もう一台製作する予定ですが、
・入力フィルムコンデンサ ECHU
・デカップリング ルビコンの有機固体コンデンサ
・カップリング UTSJ or MUSE BP
・真空管 東芝12AU7A Hi-Fi管 または NEC/日立の 通測用 12AU7Aあたり、または松下12AU7あたり
でつくろうかと考え中です。
改版基板の頒布が始まるのを楽しみにしてます。
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購入金額
1,500円
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購入日
2014年05月04日
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購入場所
たかじんさん他
cybercatさん
2014/05/15
知ってはいたんですが、自分で部品を実装するテクに自信がなくて見送り。
さすがですね。
やっぱり球は見ているだけで楽しいですね。
つか、だんだん沼って来てますね~
いらっしゃいませ~~ww
いぐなっちさん
2014/05/15
でも5000円なら・・・チャレンジしてみたいですね~。
リーダーさん
2014/05/15
はにゃさん
2014/05/15
これぐらいなら、ちょっとした時間で作れますし、球もそれほど神経を使わなくてもいいし。
あとは半田付けの経験値次第ですね。
必要な工具は
半田ごて
コテ台兼クリーナー
ニッパー
ラジオペンチ(間違ったときに抜く)
スッポン(ハンダ吸い取り具。間違ったときハンダを加熱して吸い取る)
ソルダーアシスト(リード部品の足曲げ加工用、無くてもいいがあると楽)
六角レンチ(使っているボリュームつまみの固定ねじ用)
ぐらいです。
はにゃさん
2014/05/15
12AU7だけならヒーター電流がそれほど多くないので余裕ですよ。
問題なのは、照明用LEDで、チップ部品に抵抗とリードをつけただけなので放熱がきついということです。
はにゃさん
2014/05/15
ありがとう!
あと、mr_osaminさんのように、以前頒布されていたアクリルパーツを使うと
もっとかっこいいですよ!
mr_osaminさん
2014/05/15
無事完成おめでとうございます。
>mr_osaminさんのように、以前頒布されていたアクリルパーツを使うと
アクリルパーツは残念ながら、現在完売し入手できませんが、
そのうち再配布されると思います。
これがなかなかの優れ物で、イイ感じにまとまります。
0db HyCAAは気がついたら5台製作していましたw
一度製作してからほとんど弄っていませんが、弄り甲斐のある基板だと思います。
はにゃさん
2014/05/15
ありがとうございます。
基板の改版もあるということで、いじるためにもう一個つくってもいいかなって思ってます。
アクリルパーツがあるとかっこよくなるんですがね。
あの3色カラーはよかったですよ。
mr_osaminさん
2014/05/15
mr_osaminさん
2014/05/16
>基板の改版もあるということで、いじるためにもう一個つくってもいいかなって思ってます。
もうじき改版&再配布が始まりそうですね!
ちょっと気になります。
>あの3色カラーはよかったですよ。
ありがとうございます。
ウチの職場の女史でも製作できる敷居の低さ&クオリティ
たかじんさんの設計の良さがうなづけます。
はにゃさん
2014/05/16
フラックスが残ってて汚いですが、どうぞ。
はにゃさん
2014/05/16
作りやすいのでおすすめできますね。
mr_osaminさん
2014/05/16
ありがとうございます。
>ELEKITの電球色チップLED(3528サイズ)
と、あったのでどういう感じで取り付けられているのかなと思ったからです。
mr_osaminさん
2014/05/16
>作りやすいのでおすすめできますね。
パートが揃っていれば2時間もあれば完成まで持ってゆける手軽さがいいです。
自作DACの出音確認などにも重宝しています。
はにゃさん
2014/05/17
もう少しチップLEDを押し込んで、制限抵抗を 470Ωから1kに変更しました。
mr_osaminさん
2014/06/16
>さらに極めるのなら、トロイダルコア+SiCダイオード+TPS7A4700に Little Susieを入れたら面白いか。
2台目はいろいろとパーツを選んで遊んでみるのも面白いですね。
電源も少し凝りたくなります。
>mr_osaminさんがこれをプリアンプにしたいっていってたことが理解できたかもしれない。
私だけだと思ったら、プリの要望が意外に多かったのでビックリしましたね。
ヘッドホンよりスピーカー指向の方は、興味深々だと思います。
私自身、たかじんさんのフルディスクリート・ヘッドホンアンプ(HPA-12)をプリとして使用しているのですが、素性が良いとプリで使いたくなります。
CR-Xさん
2015/02/28