Fractal Design Define Mini は Fractal Design社が2012年11月に発売した、Defineシリーズに属するmicro ATXに対応した静音思考のミニタワーケースで、同シリーズのATXバージョン、Define R2/R3をぎゅっと縮小した様な外観が特徴となっている。
ミニタワーケースとしてはやや大ぶりな印象を受けるが、その分内容積も大きく、兄弟機のギミックを損なう事無く取り入れている。
外観は正にR2/R3を縮小したもので、遮音効果を持たせたフロントドア、吸音素材を貼り付けたサイドパネル、フロントドア中央上部の切り欠きからのぞく電源ランプ、マットな質感の外装パネルと合わせ機能とデザインを妥協する事無くまとめ上げた上質なものであると言える。
実は筆者は本ケースとAntecのSOLOシリーズでどちらを導入するか迷っていたのだが、実機を見て一発でそのスタイリッシュなデザインにやられてしまった。
外観だけでなく、内部のギミックも相当に練り込まれた物で、実際に組み込みを行ってみても大変によく考えられたケースであった。
内部に目を向けると、ドライブベイレイアウトは、5インチベイ2段、3.5インチベイ3段x2となっており、中央のドライブベイは装着方向を切り替えまたは取り外しが可能となっている。
ドライブベイの向きを変更すればケーブルの取り回しだけでなく、エアフローもコントロールする事が出来、完全に取り外してしまえばそこには大型ビデオカードも装着可能な広大な空間が出現する。
もっともドライブベイを装着した状態でも公称で260mmのビデオカード装着スペースが確保されており、ミドルレンジのビデオカードであれば問題なく搭載する事が出来るだろう。
ケースの右側面に目を移すと、マザーボード収納トレーの裏側にはやや控えめの空間が用意されている。
ケーブルスルーホールを利用しての裏面配線は可能だが、メインの電源ケーブルなど太いケーブルは引き回しにやや気を遣う。
裏面配線は各パーツを実装してもケーブルがうねってメンテナンスの邪魔になる事が無い為有効に活用したい。
なるほど、ミニタワーケースとしては幅が広い印象もあったが、この為でもあったのか。
CPUクーラー用のカットアウトホールも大きく用意されている、バックプレートを使用した大柄なサイドフロークーラーも装着が可能だろう。
(筆者は定格運用目的でサイズの兜2を選択したため、カットアウトの恩恵は受けられなかったが…)
ここ数年で、自作PCにもすっかり静音性という言葉が定着し、電源ユニットやビデオカード、CPUクーラーなども静音を謳う物が増えた。
パーツを組み込みフロントドアを閉めてしまえば起動してもほとんど音は聞こえてこない。
ミニタワーという性格上、卓上に置かれるケースもあり得ると思うが、これだけ静かならよほどユーザーに近い場所に設置しない限り動作音が気になる事は無いのではなかろうか。
これまで筆者はAntec、CoolerMaster、ZalmanあたりのPCケースを使ってきたが、デザインの上ではAntecのPaformance Oneシリーズが一番気に入っていた。
だが、このケースに触れてみて同等かそれ以上のデザインであると感じ、同社のDefine R4を入手したのだが、その直後にR5が発売され…というのはまた別の話である。
ともあれ、本ケースは外観のデザインと、内部の使い勝手、冷却と静音性などおよそ考えつく要素が非常に高いレベルでまとめ上げられたケースだ。
ぱっと見の印象はシンプルの一言でまとめられてしまいそうなものだが、間近で見て行くとそうで無い事がよくわかる。
先にも書いた通り、近年は基幹パーツの静音性もどんどん高まっている、余程無茶なパーツ構成で無い限り、十分に音を封じ込めてくれるはずだ。
静かでデザインの良いPCケースを探している方に是非試していただき、その出来映えを存分に味わってもらいたいと思う次第だ。
コンパクトなサイズに様々な機能が凝縮
柔軟なドライブベイレイアウトで、大型ビデオカードにも対応可能。
天板、左サイドパネルには取り外し可能な吸音板を装備している為、これらを取り外し冷却重視にも舵を振れる。
余程大がかりなシステムでもない限りは、十分に対応が可能な懐の深さを持っていると言えるだろう。
ただシンプルなだけではない
フラットに仕上げられたフロントドアや、ワンポイントのブルーのランプ
マットな質感に良くなじむシルバーのインシュレーターなど、ひたすらシンプルなだけでは無い所が光る。
個人の好みもあるだろうが、このデザインは多くの方に喜ばれるシンプルさと格好良さを兼ね備えていると感じる。
汚れが気になるかもしれないが、ホワイトモデルも素晴らしい(筆者はたばこを吸うので、導入をあきらめたが…)
欲を言えばもう一回り小さく出来れば、最高
内部のギミックとトレードオフの関係にあるため、大変に無茶ぶりだとは思うが、横幅の広さ、背の高さがもう一回り小さくまとまればと思う。
裏面配線の利便は捨てづらいので、手をつけやすいとすれば5インチベイを一段減らす方向だろうか。
もちろん現状でも実用性は非常に高いレベルにあるのは言うまでも無い。
-
購入金額
9,800円
-
購入日
2013年09月10日
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。