ASUS TF810、IBM Thinkpad Tablet 2と悩んだ末、受注開始が最も早かったLatitude 10を選択。

結果として正解でした。

メディアタブレットして

標準の2セルバッテリーを使用した場合、用途によりますが8時間程度の稼働が可能です。

フルHDのmp4ファイルを再生した場合でも6時間以上の稼動を確認しています。

また、mp4ファイルの再生について、特にコマ落ちや音切れは発生しませんでした。

一日持ち歩く程度の用法であれば充電器はほとんど必要ありません。

イラスト用途として

本機の一番の特徴はWacom製デジタイザ―を搭載している点でしょう。
イラスト用途に使えるか気になる方も多いと思います。

標準のドライバではコミックスタジオ、イラストスタジオなどセルシス製の

ソフトウェアで筆圧感知が可能です。

SAIやPhotoshopなど、WinTab APIを使用するソフトで筆圧感知を行うには

後述のWacom製ドライバーが必要になります。

精度と処理速度について

ペン先とカーソルはわずかながらズレが発生します。

また、ペンを寝かした場合や画面周辺1~2cmではよりズレが大きくなります。

ペンを立て気味に操作すればさほど気にはなりません。

処理速度についてはATOM搭載機、メモリも2GBということで制限はあります。

コミックスタジオ等のソフトで補正値を大きめにした場合、描画が遅れる感覚があります。

また、塗りつぶしなどキャンバス全面に関わる処理は明確な待ち時間が発生します。

割り切りとして、「ラフ～下書き用」と考えるのが最適と思います。

ただし、ズレや速度は感覚的な部分が大きいので可能であれば実機で試してみるといいでしょう。

なお、Cintiq 13の代わりにこれを買う、という用途にはお勧めできません。

CintiqシリーズとLatitude 10では用法・精度が大きく異なります。

純正オプションのペンについて

純正オプションのペンは標準状態では筆圧感知の感覚が非常に硬く、

強い筆圧で操作する必要があります。

この感知度合いについてはペンの内部にある調整ネジを回すことで調整できます。

サイドボタン脇に精密ドライバなどを軽く差し込み、コじることでボタンが外せます。

ボタンの中にある、先端側のネジを反時計回りに半周ほど回すと筆圧感知がだいぶ柔らかく（軽く）なります。

※半周程度以上は回さないでください

※この調整によりメーカー保証が受けられなくなる可能性があります

Wacom製ドライバについて

PhotoshopやSAIで筆圧を感知するにはWacom製ドライバをインストールする必要があります。

米Wacomのサイトから入手可能です。

ただし、このドライバには問題があり、導入後スリープ機能が正常に働かなくなります。

この問題が修正されるまでの間、拙作 スリープツール を使うことでスリープ機能を利用することができます。

ショートカット等について

ピュアタブレットであるLatitude 10にはキーボードがありません。

このため、イラストソフトを使う際のツール切り替え等をショートカットで行うことができません。

キーボード等を接続すれば解決しますが、拙作 TouchKey というソフトを使うことでタッチによりショートカット操作を行うことができます。

PC（ノートPCの代替）として

Latitude 10はWindows 8を搭載していますので、大半のWindows用ソフトをインストールすることができます。

3Dゲーム等重い処理には向きませんが、Webブラウジング、メール、文章作成程度の作業であれば十分にこなすことができます。

デスクトップPCと同じソフト（たとえばMS Office)が使用できるので、仕事用としてもお勧めです。

ただし、これらの作業はタッチのみの操作では厳しい面があります。

別途キーボードやマウスなどを用意することをお勧めします。

総論

価格とスペックを考えた場合、十分にお勧めできる製品です。

ただし、万能・超快適というわけではありませんので、購入前に十分な検討が必要です。

デスクトップPCのような快適さを求めず、出先での落書きツールや簡単な作業用ツールとして考えれば現状最高のタブレットPCではないでしょうか。

iシリーズを搭載したタブレットPCも登場していますが、作業で必要となるスペック、重量、バッテリー動作時間を考慮して検討するといいでしょう。