ちなみにYAMAHAの公式サイト上に残っている製品情報を見ても「"XG音源+オーディオ"の制作を1枚で実現。PCIバス対応の高品位なオーディオMIDIカード。」と書かれていて、何ともカテゴライズしにくい製品です。
発売当初の希望小売価格は89,800円と、サウンドカード/オーディオインターフェースとして考えれば割合高価格な部類です。ただ、内蔵MIDI音源は単品のXG規格対応MIDI音源モジュール、MU100と同等の性能を持っていて、MU100とほぼ同じ価格(MU100は当時89,000円)でPC用のサウンド入出力機能が付加されてくるという見方も出来るわけで、その意味ではむしろ格安であったと考えることも出来ます。
この製品の特徴は、デジタル出力部にあったといえます。もちろん通常のサウンドカード/オーディオインターフェースの多くはデジタル出力に対応しているのですが、SW1000XGのデジタル出力はPCのサウンド出力だけでは無く、内蔵MIDI音源の音や、オプションで追加可能だったXGプラグインシステムからの出力も全てデジタル出力が可能となっていました。さらに専用ケーブルを併用することで、ここでMIDIインターフェース機能を利用することも可能でした。
オーディオインターフェース機能だけに限って話をしてしまうと、やはり価格なりの音が出ているとは言い難いものです。YAMAHAらしく周波数特性はある程度整っているように感じられるのですが、表現力や分解能など、5~6万円クラスのオーディオインターフェースと比べると明らかに劣ります。
ただ、注目すべきはMIDI音源モジュールとしての音質です。メーカー公式でも「MU100相当」といっているのですが、実際に出てくる音はMU100系とは全く違います。単体型でMU100の操作系を省略したモデルとなるMU100Bsを所有していますのでこれと聴き比べると、SW1000XGの方が全体的に「楽器らしい音」でまとまってくれて好印象でした。MU100Bsは妙に音が作り物っぽく感じられるのです。
個人的にはオーディオインターフェースとして活用する気にはなれないのですが、PCIスロットに空きがあればMIDI音源モジュールとしては今でも使える製品だと思っています。ただ、最近のマザーボードでは他に使いたいPCIスロット用のカードがあってそちらを装着してしまうと、SW1000XGを使う余地が残っていないのです…。
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購入金額
2,980円
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購入日
2005年05月頃
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購入場所
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