私が初めて買った表面実装オペアンプです。
表面実装品の1回路のみですが、関連する石としてLME49880があります。但し、2016年に生産を終了したようです。
位相補償するとクリアな音質に
LME49860と比べてそんなに変わった感じがしません。11倍アンプ(しかもプローブしか繋いでいない)の時にリンギングが出るのでゲイン3.1倍でしかない(しかもヘッドホンを繋いでいる)私のcMoyでは発振しているのかもしれません。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
試しに10pFで位相補償してみると、透明感、ハイファイ感が出ます。私の経験から発振していると音が濁る傾向にあるので(そして確実に石が熱くなる)、やはり発振していたのかもしれません。MUSES02と比べるとハイ上がりの傾向があります。
15pFに変えてみると、ハイ上がりも落ち着き、MUSES02と比べても遜色ないように感じます。
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。何やら変なリンギングが見られます。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
ユニティゲイン安定
公式に600Ωのドライブができることを謳っています。スペック上の短絡電流(±18V電源)は75mVで、600Ωでは24mAとなっています。ユニティゲイン安定となっていますが、場合によっては10pF程度で位相補償をかけたほうが良いでしょう。
電源電圧は±5V~±18Vで動作します。ポータブルオーディオで使うには電圧が足りないかもしれませんが、適正な電源電圧が確保できるなら使い勝手は良いです。
但し、表面実装の1回路品しかないので、電子工作では変換基板が必要です。あるいは、表面実装を前提でプリント基板を起こす必要があります。
ハイエンドに比べ遜色なし
比較的安価な石ですが、ハイファイオペアンプであるLME49720ファミリの中では非常に(おそらく最も)クリアな音質です。適切に位相補償をすればハイエンドオペアンプと遜色ないレベルになります。
但し、この石は2016年6月下旬時点で「最終受注中」となっています。
(追記)2016年12月に再度確認したところ、メーカーのカタログから消えていました。
発振していたら発熱する
この石はよく発熱が問題になります。24V駆動のcMoyアンプでは、外気温28.9℃(冷房あり)の状態でパッケージの表面温度47.7℃程度まで上がりました。
位相補償10pFだと39.1℃までしか上がらないのでやはり発振している可能性がありました。
相変わらず無線ノイズが入りやすい
オシロスコープで見たわけではありませんが、AD00031にノイズ源としてのiPhoneを接触させると無線が聞こえます(デジタル無線なので聞き苦しい音です)。LME49720ファミリの特徴である「アンプI感受性」は相変わらずのようです。
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購入金額
648円
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購入日
2016年04月頃
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購入場所
デジット
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