レビューメディア「ジグソー」

すこし様子がおかしいHD7770

物々交換で譲ってもらったグラフィックカード。
XFXのHD7770搭載オーバークロックモデルとの事だが、このモデルの発売後にHD7770自体が一度定格クロックがアップされているのでぶっちゃけわかり難い。
とりあえず現物はクロック1095MHzで動作するモデルだ。



 付属品はドライバ・マニュアル類に加えてBLACK EDITIONのロゴが付属。XFXで選別されたチップの証らしい。ミドルレンジながら雰囲気の盛り上げ方はまるでハイエンド。
今までのメインPCはASUS 6600GT(中古)→HIS HD4670→PowerColor HD5750ときて比較的質素なパッケージが多かっただけにこの迫力はたまらない。

本来はこれらに加えてHDMI→DVI変換ケーブルが付属するのだが、そちらは欠品。



Double Dissiaption with Ghost fansinkと物々しい名前が打たれた冷却部は見た目のインパクトも大きい。
 


 このテの大型グラフィックボードは最近ヒートパイプを装備したものも多いが、こちらはシンプルにカード全長をヒートシンクで埋め尽くし、その上にファンを備えたフレームを実装している。

 グラフィックボードの限られた容積でヒートパイプとファンを備えようとすると余裕が無くなってギッチギチになるイメージがあるので、ヒートパイプ無しについては個人的に好印象だ。

 

スロットと反対側の側面は積極的に塞がれて、前後方向に排気を行う流れになっている。封鎖部にはチップ名やメーカー表記がされ、各所のカラーリングも相まって、何処と無く空母を思わせる。ちなみに文字はボードに対して上下逆になっており、一般的な縦置きマザーに装着した際に正位置となる。

補助電源コネクタは他のHD7770同様1個。殆どコネクタの為に基盤を延長しているような感があり、コネクタ周囲の基盤はスッキリしている。 こうしてみると基盤・ヒートシンク・天板の3段重ねに見える。お前は空母赤城(改装前)か。

 

今まで使用していたファンレスのHD5750と比べると基盤長という点では明らかに長いのだが、占有容積という面では大差無い。 

HD5750側がファンレスな分余計に大きなヒートシンクと張り出したヒートパイプを持っているというのもあるが。



 2スロットブラケットの高さにきっちり納まり、側面や基盤背面に張り出しの無いHD7770のが収まりがよくコンパクトに感じる程だ。



さりげなくXFXの文字にくりぬかれたブラケットがオシャレな背面。

出力端子はDVI-I / HDMI / MiniDPが1個づつ。今まで使用していたHD5750がDVI-I*2 / HDMI / DPの4ポートだった上にDPがMiniになっているのでマルチディスプレイ時のハードルは高くなってしまっている。

特に私の使用環境の場合、他PCとの兼ね合いで1つはD-Subアナログ出力とDVIの2つを出力する必要があり、そのままでは端子が足りない。本来ならHDMI→DVIコネクタが付属するので問題ないのだが…


幸いM9138のオマケでMiniDP→DPとDP→DVIケーブルが3セット付属していたのでそちらの余りを使用した。その後PLANEX製のHDMI→DVIコネクタが余っているのを思い出しそちらも使用してみたが問題ないようだ。

とはいえ3画面出力を狙おうとすると1つはMiniDPを使わなければならないのは確定なので、変換コネクタ類の値段を考えると、3画面出力を予定しているのなら別の出力コネクタを持ったタイプを狙った方がいいだろう。

 

組み込み&ベンチ


それでは実際にネトゲPCに組み込んでみる。細かい構成は上記日記参照として、Xeon E3-1260LにB75MA-P45、そこに今まではファンレスHD5750を搭載していた。

そしてCPUクーラーは巨大なオロチ。MicroATXケースの容積の何割かを食いつぶしている上に、VGAとかなり近いl。今までこのファンレスコンビを排気ケースファンによる負圧エアフローのみで冷却していたといういろんな意味でムチャしやがってな構成だ。



 排気ファンと電源ファンの2個だけで全ての冷却をまかなっていたという「静音・低消費にしたいならファンを減らせばいいじゃない」という暴論の成れの果て。吸気ファンくらいつけろよ。

ちなみにこの図解、CPUクーラーのサイズを間違えていて、現物はもっとでかい。

 

しかし今回のHD7770は当然ファン付きで、前後方向に排気をするような構造になっている。しかもご丁寧にブラケットと完全に一体化したトンネル状だ。そのままだとケースの負圧吸気が逆流し、上手く冷却できないんじゃないかと心配になる。

 

そこで交換時に配線の関係で外したVGA直下の空きスロット目張りを元に戻さず、その辺から吸気しないかなあーという事にしてみた。ケース内の負圧は下がるが、既にHDDは冬場の場合過冷却レベルになっていたので問題ないだろう。

 

しかし実際の見た目は相変わらずなギチギチップリ。ちなみにAYAKAZEにはPCIexpressコネクタが無いので、4pin*2→PCIex変換ケーブルを使用するのだが、AYAKAZE自体4pinが2個しかない。

ベイアクセサリ分の電源コネクタが足りなくなるので結局セルフパワーUSBハブを単なるUSB3.0ブラケットに交換し、SATAケーブル以外全て使いきるという、無駄に洗練された全く無駄の無い無駄な構成に。

 

 

今回は音のする筈の無いファンレスVGAからの更新の為「静音性」、そして窒息ケース故「冷却性」に不安が残っていたのだが、実際動かしてみるとそれらの心配は杞憂に終わった。温度はFF14ベンチを回す程度なら60度で安定し、アイドルは24度だ。

冬場で室温が低い(16度程度)というのもあるが、回転数の余力を考えれば夏場でも大丈夫そうだ。

 

そして何より静か。ソフト取得のアイドル時回転数は1100rpm程度、手動設定で強引に全力回転にすると4100rpmとなりさすがにそれだと音は大きいのだが、自動制御の場合まずその回転数まで引きあがる事は無く、先述の60度クラスなら1600rpmだ。

 

1600rpmでもケース自体の静音材と設置位置のおかげで気にならないレベル。このグラボ自体は比較的高音域の風音を出すのでそれらを遮蔽しやすいケース・静音材と組み合わせれば性能と冷却を両立できるだろう。

ぶっちゃけ図に書いたようなエアフロー気にする必要なかったかな?いずれ直下のスロットを目張りした場合変化があるのか試してみたいところだ。

 

性能に関してもHD5750/HD5770直系の後継という事で、大幅にアップしている。

 

ベンチによって伸び幅の差が大きいが、低クロックのXeon E3-1260Lの影響もあるのだろう。しかし特に重量級ベンチにおいてスコア上昇が大きい(タイムリープはエフェクト類全てオンにしたので結構重い)。表にある3DMark06のHD7770スコアが無い理由は後述。

 

 

しかしそれより驚いたのが消費電力差だ。

 

OCCTによる最大負荷時は+8W程度に収まっている一方、アイドル消費電力は10W近くの低減を実現している。

この補助電源無しHD5750さえ発売時は「1年後に発売されてもおかしくないレベルのワットパフォーマンス」と言われるほど優秀なモデルだっただけに、それをあっさり塗り替えたRadeonの進化には賞賛を送りたい。

 

特に私のPCはネトゲ用と銘打っているものの、実際のところネトゲ以外のオフィス・WEB・音楽再生に使用する時間の方が長く、またネトゲも大半は軽量なパンヤだ。大抵の時間は低負荷での使用となるので、総合的には消費電力は低下してくれるだろう。当然ながら300Wという小容量電源の更新も不要だった。

5750の時点でパンヤに対してはオーバースペックだった訳だが、TERAの最高画質設定やBF3等の重量級ゲームについては別途ゲーム用PCとしてHD5770のクロスファイアPCを使っていたのだが、最早使い分ける意味も殆ど無くなった。

バランスに優れたHD7770に、静音クーラーを備えたFX-777A-ZDBC。普段使いでは超静音・低消費、しかしある程度重量級ゲームもこなせる性能と冷却力を兼ね備えるというマルチに使えるVGAと言える。

 

尚2枚目と組み合わせたCFXについてはこちらで…



 

とまあ性能・冷却・静音・消費の全てが高水準ないいカード。


…しかし、現行チップ搭載モデルにも関わらず物々交換で入手させてもらえたからにはちょっと変というか何かがおかしい。元所有者に言わせれば「この頃買ったものはP8Z68-V/GEN3といい何か呪われている」らしいのだが、これもその呪いを受けているらしい。

XFXの名誉の為に書いておくと、元所有者が代用で購入したほぼ同型のFX-777A-ZNBCは問題なく動いているようだ。

 あちらでの症状はドライバの再起動が起きるとか、高負荷時不安定とかなんとかで、譲渡前に一度修理として代理店行きに。しかしボード自体には問題無く、代理店の行ったチェックと6時間のベンチマーク完走で大丈夫ですとそのまま帰ってきたらしい。
XFXの代理店といったらアウトレットで色々出しているあそこなので、あそこが大丈夫というのなら大丈夫なんだろう。

 

検査通ったんですか!もう壊れてないんですか!やったー!

…その6時間耐久ベンチで余計壊れていないか心配なのだが。

 


早速組み込んで画面出力っと。換装時のテスト用配線なのでケーブルはD-Subだ。


おい、UEFIさえ画面でねえぞ。ケーブルやDVI→D-Subアダプタを交換してもだめ。

いきなりおかしいじゃないですか!やだーーー!


 で、DVI接続に切り替えたらOK。ついでに別のモニタにD-Sub接続してもOK。ついでにDP接続も問題なし。よくわからんがとにかくBenQ XL2420TとD-Subで接続した時だけ画面出力がされない。
DPやHDMIで相性がでるモニタやグラボは見たんだが、D-Subで特定の組み合わせがNGってのも珍しい。よくわからんがそういう相性なんだと納得してメインPCに搭載、とっとと運用開始。

 そして先ほどのHD5750とのベンチ比較データになったわけだが、3DMark06のスコアが空欄になっていたのはご覧の通り。
 何度やってもこのHD7770、3DMark06が完走しない…というか最初の40秒くらいで3DMark06がフリーズする。ドライバのバージョンを古くしてもベータにしてもだめ。マザーやOSとの相性を疑い別のPCに搭載したがやっぱり3DMark06は固まる

しかし実際の使用となるパンヤやTERAは時間単位でプレイしてもフリーズ等は見られないのでとりあえずよしとする。

…ってコレ書いてる傍からグラフィックドライバが応答停止しちゃったYO。他にも何か違和感があるような挙動がちらほらあるのだが、実用上影響が出るほどではないので、キニシナイ。

 

 


 これが正常だって思えばそれは正常なんだよ!

 

 

 

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2012年11月頃

  • 購入場所

コメント (8)

  • Vossさん

    2012/11/18

    >…ってコレ書いてる傍からグラフィックドライバが応答停止しちゃったYO。

    やっぱ、もう一回リンクスに送り返した方がよくね・・・?(汗)
  • 下小川さん

    2012/11/18

    いやあホントに最後の部分書いてるトコでAero無効になってドライバ再起動入りました。1週間くらい起きてなかったんで落ち着いたかと思ったんですけどね。

    …まあ、HD5750&HD5770も1年くらい前までのドライバだと同じ現象が何度もあったんで、コレに関してはドライバの挙動と私の使い方(使うソフト)の相性な気がしないでも…

    そういうもんだと思って使っとくんで大丈夫でっす!
  • いぐなっちさん

    2012/11/18

    クロシコの7750(初期バージョン)は、今のところそこまで破滅的な不具合は出てませんが・・・。
    やっぱりハズレですかね。
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