所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽って、「音を楽しむ」と書きます。ハッピーな音を届けてくれて聴いてる方もハッピーになれる、そんなミュージシャンのデビュー盤をご紹介します。
MALTAこと丸田良昭。明瞭・明快でハッピーなサックスを吹く。以前5thアルバムをご紹介したけれど
これは彼の名前を冠した1枚目。数作後には明快なライトフュージョンという当初の立ち位置を定めたが、これはデビュー盤、後の路線確定後にはあまりないような実験的な曲も聴かれる。
「Shiny Lady」。山木秀夫の機械的ともいえるカッチリリズムに乗せてMALTAのアルトサックスが流れるようなラインを描く。故深町純のラテンっぽいピアノもバックに合わせてか比較的かっちりしたものなので、MALTAの柔らかなアルトが響くとにっこりしてしまうようなハッピーさだ。
「Dance After Dance」は後期では手がけなくなったようなトリッキーでドライヴ感あふれる曲。岡沢章の、軽くフランジャーがかかったようなブリブリの音で奏でられる特徴的なベースラインと、深町の力強いピアノの低音弦の組み合わせによって作られるシンコペーションリズムで、変拍子風に盛り上げるAパート、8ビートで松原正樹のオーバードライヴギターが歌う王道フュージョンのBパート、深町のラテンピアノに乗せてMALTAが吹きまくる16ビートのCパートと、3つの異なるリズムと曲調が入れ替わり現れるファンキーチューン。この難しいリズムを支えるのはドラムス渡嘉敷裕一。さすが。元スペクトラムのメンツを中心とした新田一郎率いるホーンセクションもノリノリで、最後のユニゾンでキメるエンディングもカッコイイ!
「Evening Calm」、この曲をNHK-FMのライヴで聴いてMALTAを識った。明快路線のMALTAの別の側面、ロマンチックなMALTAのソプラノが歌うスロー16ビート。野力奏一の粘るローズソロが美しい。続くEric Galeのコンプレッサーが効いたギターソロは、ピッキングの強弱による音色の変化がダイナミックだ。
このあとはライトフュージョンの代表格としてBGMやCFに使われることが多く、知名度を上げていく彼。
でもこの最初の一歩からすでに「楽しい」音の奔流です。
【収録曲】
1. Shiny Lady
2. Among The Clouds
3. Dance After Dance
4. In Your Dream
5. Bright Silver Moon
6. Night Magic
7. Evening Calm
8. What's Up
9. Crystal Raindrops
10. Be Mine
「Evening Calm」
美しい音色と確かなテクニック、それをわかりやすく届ける
一時期TVのBGMとして多用された時期があるが、そのわかりやすさがジャズへの敷居を下げたと思う。
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購入金額
3,008円
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購入日
1987年頃
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購入場所
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