Seagateのエンタープライズ向けHDD、Cheetah 15K.7の最大容量モデルが、このST3600057SS。
2009年夏に発売された当時は1台10万円を越える価格でしたが、今では1万円を切る価格で購入可能です。
現在、6台をRAID5の構成で、データストレージとして使用しています。
容量は600GB。かなり少なめですが150GBプラッターを4枚内蔵ですので致し方ないところ。
今時のSATA HDDは1TBを越える容量のプラッターを使用したモデルもありますので、時代を感じます。
プラッタ容量の少なさは、時代的な背景もありますが、むしろ毎分15,000回転というレーシングカーのエンジン並の回転数でぶん回すため、振動を抑えるためにプラッターの直径がきわめて小さいことも関係しています。
内部構造を見るとわかりますが、3.5インチのHDDなのに中身は2.5インチクラスのプラッターサイズとなっています。
このため、プラッター当たりの容量はどうしても不利となってしまいます。
SSDの普及を受け、15KrpmのHDDは徐々に姿を消しつつあります。
Seagateでは3.5インチモデルはこのCheetah 15K.7が最終モデルとなり、現在は2.5インチモデルのみのラインナップとなっています。
ディスクを回転させる仕組みではSSDに絶対に勝つことは出来ませんので、パフォーマンスを求められる15Kモデルは衰退し、SAS HDDはストレージとしての大容量、高信頼性という方向にシフトしています。
流石15K、HDDとしては圧倒的なランダム性能
現在、このST3600057SSを6台、RAID5構成にして使用中です。
SSDに圧倒的に負けるHDDですが、以下のようなメリットもあったりします。
- RAID5/6構成による冗長性の確保
- エンタープライズモデルならではの高信頼性
- ニーズが限られているためにお買い得な中古価格
使用するためにはSAS対応のRAIDカードが必須な為導入のハードルは高いのですが、データ用ドライブ、または容量を食うゲームなどのインストールディスクとして使うと絶大な効果を発揮します。
実際、6台でRAID5構成にした際のベンチマークは下記のスコアを叩き出します。
HDDとしてはきわめて高速なスコアです。
コンシューマモデル比21倍の高信頼性
今まで使用していた、同社製の3TB HDD、ST3000DM001とスペックを比較してみました。
回転数では2倍の差がある両モデルですが、レイテンシ、シークタイムではST3600057SSが圧倒しているのがわかります。
最大データ転送速度はほぼ変わらず。意外にST3600057SSが健闘しています。
最大の特徴はMTBF(平均故障間隔、63.2%の確率でHDDが故障するまでの時間)がコンシューマ向けのST3000DM001に比べて21倍も長いという点。
これこそがエンタープライズモデルの真骨頂でもあり、まさに桁違い。
15Krpmとは思えない静寂製
15Krpmというとノイズと発熱を気にする方も多いと思いますが、騒音はきわめて静かです。
起動時のスピンアップ時こそノイズが漏れますが、起動してしまえばGTX780のファンより遙かに静かで、ノイズはほぼ出ていません。
今時のHDDと変わらない、といって差し支えないレベルだと思います。
サーバー用だけにエアフローの確保は必須
温度はやはり高めです。
冷却無しの設置は絶対に回避すべきで、必ずファンによる直接冷却は必要です。
排気ファンしかないケースで、フロントの吸気スリット部分にHDDベイがあるケースもありますが、パッシブのエアフローによる冷却では間に合いません。
ファンを装着可能なHDDベイであれば十分に冷却可能ですので、大抵のケースで問題無いと思います。
私の場合はCORSAIRのCC600TのHDDベイに、プッシュプル構成でファンを装着して冷却しています。
ピークで2倍、アイドルで16倍の消費電力
まあ、エンタープライズ向けだしね…
ピークではST3000DM001の8Wに対して16.35Wとそれほどでもないのですが、アイドル時に0.75Wに対して11.68Wと、差が付きまくってます。
というか、最近のHDDは回転止めて省エネに移行しますが、エンタープライズモデルは常にぶん回しているので、消費電力はあまり変わりません。
HDD×6台で70Wですから…うーん、ま、気にしない方向で。
15Kはロマンですよ、ロマン。実用性より満足感。
SSDに比べれば遅いし導入のハードルも高いSAS HDDですが、データストレージとしての高い性能と信頼性は今でもメリットだと思います。
完全に浪漫なPCパーツですが、やはり15Kは良いのですよ。
SAS I/Fなのでそのままではマザーに繋げないし(一部のWSモデルとASRock先生の変態Z87マザーは除く)なにかと導入のハードルが高いのですが、それに打ち勝つだけの満足感と、信頼性が得られるのは大きなメリットです。
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購入金額
0円
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購入日
2015年07月11日
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購入場所
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