所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ジャズに傾倒し、ジャズに浸り、ジャズ捧げられた人生。異国の地で確たる地位を築き、今なおジャズに精進しているアーティストの若き日の作品をご紹介します。
タイガー大越、トランペッター。アメリカ在住。大学卒業後、すぐ結婚して新婚旅行に行ったアメリカで帰りの切符を売り払い、居着いちゃったというからスゴイ。そして何をしたかというと名門音大、バークリー音楽院へ夫婦で入学、タイガーは首席で卒業っていうんだからさらにブッ飛んでる。翌年から教鞭を執り、今では大学院教授。
プレイヤーとしてもバディ・リッチ楽団への参加やルイ・アームストロング生誕100年記念コンサートに唯一の日本人トランペッターとして演奏など、どジャズからPat Methenyとの共演などフュージョンシーンまで数多くの名演を残している。
そんな彼の1990年の作品。ちょうど40歳くらいのまさに脂がのりきった演奏。メンツとしてはキーボードがタイガーと良く組んでいたGerry Etkins、ギターがMARIAH(マライア)~NAZCA(ナスカ)
の土方隆行、リズム隊はNANIWA EXPRESS
からベース清水興とドラムスは怪獣...もとい東原力哉。
清水+東原コンビのリズム隊で「買わない」という選択肢は自分の中にないので、購入したら....さすがタイガー大越、きちんと怪獣を調教してたw
「CHILDREN OF GRAVITY」。タイガーのロングトーンから打ち込みのパーカッション、キーボードの印象的なアルペジオパターンと変わっていき、怪獣の参入によってリズムインするが、意外にタイトなリズム。ややルーズで揺れるリズムが身上の怪獣らしくなく、リズムマシンに合わせて結構タイト(フィルインでときどき馬脚?を現すけれど)。小節頭(1小節目)の2拍目が後ろに来るシカケのあるリズムパターンで緊張感がある。途中のオンビートのペースソロのバックでは、怪獣がスネアロールを多用したフィルインで盛り上げる。
「THAT WAS THEN, THIS IS NOW」はメロディアスでタメのある清水のベースパターン、拍の裏裏を取るGerryのキーボード、パーカッシヴなミュートカッティングと、クリーンなコードカッティングを織りまぜる土方のリズムギターがちょ~ファンキー!ジャジィでブルージィでソウルフルなタイガーのソロも歌ってる!
「COLUMBIA POINT」。ミディアムテンポの16ビート。COOLに打ち込みっぽく始まるが、土方のディストーションギターのリフが入るあたりでエネルギーが満ちてきて、サビのキャッチーなラインにつながる。ココでもアウトスケールするタイガーのソロはキレている!!
脂ののりきったタイガーが、若手(当時w)のミュージシャンとマシンとの融合を試みたアルバム。今聴いてもそのエネルギッシュなトーンには圧倒されるね。今もスタンダードジャズのアルバムとかを出している彼。でもこんなブッ飛んだのはもう出してくんないだろうなぁ...
【収録曲】
1. CHILDREN OF GRAVITY
2. THAT WAS THEN, THIS IS NOW
3. MINDS
4. RAINY NIGHT
5. COLUMBIA POINT
6. GONE FOR GOOD
7. OUT OF THE BLUE
8. THE SHADOW OF YOUR DOUBTS
9. ASHIYA
10. LAST DAY OF THE CARNIVAL
「Children of Gravity」
強烈な個性のプレイヤーを、完全に掌の上で転がしている
さすがの大御所
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購入金額
3,000円
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購入日
1990年頃
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購入場所
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