所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。コレクター的性格故に気に入ったジャンルがあると同系統のモノへ深く突っ込んでいく傾向にありますが、そんなコレクションの端までご紹介していきます。
“ジブリジャズ2”。これは前作“ジブリジャズ”同様、ジャズ風アレンジでJポップ等をカバーしているユニットALL THAT JAZZの作品。基本キーボード系を演奏する野上朝生(ウワノソラーズという名で活動・・・ズといっても彼一人だが)の別名プロジェクトだが、他のJポップカバーモノ(現在までに3枚発売)を手がけるときは、女性ヴォーカルデュオCOSMiC HOMEをフィーチャリングしている。でもジブリシリーズでは、その片割れクワバラユリコのみがヴォーカルをとるため、厳密には「All That Jazz feat.COSMiC HOME」ではない 。
いわゆる「アニジャズ」ではあるものの以前紹介したこれ
や同じジブリモノのこれ
とは違い、女性(のみ)のユニットではない。
そういう意味では「女子によるJAZZ」ではなくて、最近流行りの識ってる曲にちょっとお洒落なJAZZアレンジがしてある「いわゆる女子JAZZ」(女性にも偉大なプレーヤーはいるし、リスナーもきちんと聴いている方もいるので、女性を軽蔑しているわけではないので、念のため。いま世間で言われているカテゴリーとしての「女子JAZZ」。)。
別アレンジで曲に新たな息吹を吹き込むのは嫌いではないし、それが軽めのジャズ風だとカッコ良い。またいわゆるジャズ「マニア」が「××のあの盤のプレーはタンギングが..」「最近○○のリップトリルのキレが..」などと、眉間にしわ寄せて論評するのを聴くと、むしろ「もっと音楽を楽しもうぜ!」と思う方なので、このジャンルを否定はしないが、ちょっと残念なことが一つ。
ピアノは野上が結構いいプレイをしている。すっげ~~というほどではないが、イイネ!といえるほどには。ただバックが打ち込みなんだよね。ポップスや一部のロックでは、打ち込みならではのリズムや音色が、曲を盛り上げることもあるので、打ち込み否定派ではまったくもって全然ないが、ジャズ、特にトリオを想定した程度の音数のジャズだと、ちょっとキツかった。シンバルの音がすべて同じとか、強弱の段階がいくつかしかないとかが、よく聴くと判っちゃう。
6曲目の「アシタカせっ記」はいいアレンジで、速めのビートにベースのグリス(これも打ち込みだが)が曲をぐいぐい前に引っぱっていて、「生のトリオで聴きたい...」と思わせる作品だし、「ねこバス」なんかは、コミカルなアレンジで子供に生で聴かせたら喜びそうな曲だけど、やっぱり打ち込みのハイハットがいつも同じ音がしてる~というのが気になる。
ヴォーカル(クワバラ)が入った「愛は花、君はその種子」は、その打ち込みがそんなには気にならないのは「人」の声のパワーか、それとも単に音数が多くなって目立たないだけか。
曲そのものは佳いし、アレンジも洒落ているので、そこだけ。そこだけ、気になりました。
【収録曲】
1. 風の通り道(「となりのトトロ」イメージソング)
2. 晴れた日に(「魔女の宅急便」挿入曲)
3. さんぽ(「となりのトトロ」オープニング主題歌)
4. 空から降ってきた少女(「天空の城ラピュタ」挿入曲)
5. めぐる季節(「魔女の宅急便」イメージソング)
6. アシタカせっ記(エンディング)(「もののけ姫」エンディングテーマ)
7. 愛は花、君はその種子(「おもひでぽろぽろ」主題歌)
8. ねこバス(「となりのトトロ」挿入曲)
9. テルーの唄(「ゲド戦記」挿入曲)
10. あの夏へ(「千と千尋の神隠し」挿入曲)
11. いつも何度でも(「千と千尋の神隠し」主題歌)
12. 風の伝説(「風の谷のナウシカ」挿入曲)
13. Arrietty's Song(「借りぐらしのアリエッティ」主題歌)
14. 世界の約束(「ハウルの動く城」主題歌)
《ヴィレッジヴァンガード特典ディスク》
1. 君をのせて(English Ver.)(「天空の城ラピュタ」挿入歌)
「アシタカせっ記」
アレンジそのものは悪くないが、ジャズに打ち込みは似合わない
フュージョン系ならともかく、こういったピアノトリオ系には....
ベースのグリスも全て同じ音だし....
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購入金額
2,500円
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購入日
2010年12月頃
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購入場所
ヴィレッジヴァンガード
稲蔵さん
2012/06/25
「女子JAZZ」っていうんですね。知りませんでした。
アラフォーのオッサンが「女子JAZZ」とは…恥ずかしくなりました。
まぁ、嫁の趣味なんですが。
cybercatさん
2012/06/25
>アラフォーのオッサンが「女子JAZZ」とは…恥ずかしくなりました。
(^^ゞ(^^ゞ
文中にも書きましたが、この「女子JAZZ」って
・ウンチクどうこう言わずに、肩肘張らずに楽しめる
・メロディー呈示が明確で難解でなく覚えやすい
JAZZ...というかJAZZ風アレンジを施された曲/ジャンルを指し、特にソコに恣意が入ることはないんですが、一部マニアからは蔑称扱いされてます。
自分は音楽は楽しむことに力点があるので、楽しめればどんなんでも聴きますが(このシリーズでおわかりですね(^^ゞ)確かに単に4ビートなどのJAZZ方程式をかぶせただけのメロディモロなぞりでなんの工夫もないものもあるのも事実。
この手のものが乱発された結果、ちょっと残念なジャンルになってしまっています...