しかしながら、素材はPCOCC 22芯ですし、皮膜もまずまずしっかりしていますので、音質的にはとりあえずこれで十分という水準は保たれている製品です。むしろ変に高い製品を買ってもそれほど良くならないことの方が多いほどですので。低域から高域まで、やや音が締まる傾向があるようにも感じられますが、大きなバランスの崩れなどもありません。これ以上のクラスのリード線をわざわざ買うよりは、カートリッジを1ランク良いものにした方が音質は向上します。
これまでに単品で何回か購入したほか、オーディオテクニカ製のヘッドシェルに添付されたものも何セットかはありますので、合計すればかなりの数を使っていることになります。前回購入したのも、ヘッドシェルのAT-LH15/OCCに添付されたものでした。
最近はあまりカートリッジを買っていない関係上、所有している数自体は不足していませんでしたが、それでもとりあえず買った理由は、古河電工がPCOCCの製造を今年中に完了すると発表したためです。
PCOCC(Pure Cupper Ohno Continuous Casting Process)は古河電工が製造している銅線材で、一つの結晶を成長させて線材にすることが可能なため、最良の伝送効率が得られるといわれています。その理屈の部分には疑問が無いわけでもありませんが、PCOCCを使ったこの製品の実力は十分に評価するべきものであり、安定して買えるうちに少し買っておこうと思い購入しました。PCOCC自体の製造が止まってしまえば、当然この製品の製造も不可能となるでしょうから。
オーディオテクニカは、このように比較的安価ながら質の高いアナログ向けアクセサリーを作り続けてくれているのですが、それも素材や部品を供給してくれる製造元があってのことです。PCOCCの生産完了という発表は、そのことを嫌でも実感させてくれました。
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購入金額
790円
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購入日
2013年03月11日
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購入場所
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