インテル製マザーボード"DH67CF"のレビー用のPCケースです。
今回のレビューのミッションは、Mini-ITXの小ささを生かしたリビングPCということですので、コンパクトさと静穏性を兼ね備えたケースとしてこの製品を選択しました。
これよりもコンパクトなケースもいくつか存在しますが、いずれも小さなファンを高回転で駆動することに起因する騒音が懸念されるため、パスしました。
本ケースは、大型の12cmファンが装備されていますので、低回転数で駆動しても十分な冷却性能が期待でき、また、低回転数で駆動することにより騒音を低減できるはずです。
【特徴】
80PLUS規格対応SFX300Wの電源が付属しています。ケース内の熱気を排出するファンは存在しないので、この電源に内蔵されているファンが主としてその役目を担います。
上述の通り、ケースの前面には、このケースのサイズに対しては大型の12cmファンが装備されています。この12cmケースファンをよほど低速で回転させない限り、肺活量は電源に内蔵のファンよりも大きいので、ケース内の気圧>ケース外の気圧となります。
電源内蔵のファンで排出しきれなかった空気は、カバーの側面又は天面に形成されているパンチングホールから勝手に?出て行きます。正圧設計と呼ぶそうですが、このおかげで、ケース内部に埃が入りにくい構造になります。
ホントにそうなるか、ティッシュペーパーにて作成したリボンを使って、簡易的に検証してみました。
が、思いのほか電源からの排気が強く、側面及び天面のパンチングホールからの排気は確認できませんでした。
ちなみに、12cmファンの外側(前側)には、脱着可能なフィルターが装備されていますので、ファンから埃を吸い込むことはありません。
グラボ等の拡張用のスロットは、2段装備され、2スロットを占有するグラボに対応しています。
そのグラボは、9インチすなわち225cmまで装着できるとのことですが、今回のレビューではCPU内蔵のGPU機能を用いるので、関係ありません。
グラボの長さを気にしなければ、設計上ケースの奥行きを数十mm縮めることができたはずなので残念です。
【組み立て】
"DH67CF"のレビューと一部重複しますが、組み立ての手順について簡単にレビューします。
梱包用のケースから開梱して、コの字型のカバーを外すと、電源ケーブルがエライことになっていました。
一部の被覆の表面がヤスリをかけられたように削れています。これはカバーのパンチングホールと接する部分が、輸送等の際に削られたものと推定されます。幸い導線に達するまで深く削られてなかったため、そのまま組みましたが、こういうことは十分に予想できるトラブルですので、簡易な養生を施す等の対策を講じてもらいたいものです。
気を取り直して、作業を続けます。
まず、小型のケースなので、マザーボードの組み込み前にHDDのブラケットなど外せるパーツはすべて外して、空きスペースを確保します。ケーブルを退避させると、こんな感じに空きスペースが確保されます。
ケースの底面にゴム足を装着します。ゴム足は、ケースの底面の四隅に両面テープで接着します。意外と楽しいです。
バックパネルは、マザーボードに付属のものを装着します。カッチリと精度よくハマリます。
Mini-ITXのマーザーボードの周辺は、結構余裕があります。ある程度高さのあるCPUクーラーを装着できそうです。
向こう側は、真上に電源があるため、ビスの締結に短いドライバーが必要です。
写真が少し暗いですが、フィルターのメンテナンスは、このような感じで行えそうです。
フロントパネル(写真では左端の黒い部材)は、水平方向に伸びている爪をフレームに引っ掛ける(いわゆるパッチン止めw)ことによって装着されます。
3.5"HDDは、ブラケットの下側に装着します。ブラケットの上面には、2.5"のHDD又はSSDが装着できます。
ブラケットをケースに組み込むと、HDDの下に空間ができます。ステーを自作等すれば、HDDの増設もできそうです。
【使用感】
以下、数ヶ月使用してみて感じた点を、列記します。
小型のケースですが、作りは全体的にしっかりしていると共に、フレームの開口部も確保されており、組み立ても容易だと思います。
ケースファンの動作音も静かですし、心配していた電源ファンの動作音も今のところ気になりません。
一方、カバーの天面と左右側面に設けられた排気用のパンチングホールと、前面に設けられたケースファン吸気用の開口から、HDDの動作音が漏れます。装着するCPUクーラーによっては、その動作音も漏れることが懸念されます。Mini-ITXのケースとしては、やや大きめのサイズですが、静穏化には、SSDの導入と、発熱の小さいCPUを使用した方がよさそうです。
また、フロントパネルの材質がプラスチックであるところが残念です。てっきり金属製だと思ってました。
質感は低くはありませんが、その装着構造と共に、経年劣化が心配です。というのも、ファン前面のフィルターのメンテナンスのたびにプラクチックの爪を開きながら、フロントパネルを脱着しなければなりません。従って、通常の頻度でフィルターをメンテナンスしながら、長期間にわたってケースを使用した場合、爪が劣化して破損することが懸念されます。
あと気になった点ですが、電源LEDとドライブのアクセス状態を示すLED(特に後者)の輝度が高く、眩しすぎます。近年よく使われる青色のLEDですが、もういい加減、高輝度のLEDは卒業してもらいたいところです。
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購入金額
9,000円
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購入日
2011年04月頃
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購入場所
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