レビューメディア「ジグソー」

ワイヤレス・ディスプレイだけでのNUC運用は可能か?

今回、NUC-Reviewのために用意された無線LAN。

 

その型番を見たとき、真っ先に思いついたのは

「NUCの画面表示を、ワイヤレス化出来るのでは無いか?」

 

・・・という一点であった。

 

IntelがノートPC向けに開発した、"Intel Wireless Display(WiDi)"は、専用のWiDiアダプタと対応する無線LANの搭載だけで、手軽に画面表示を無線化する技術である。

フルHD表示に足して、音声までWiDiアダプタを通して転送可能。

 

これを用いれば、NUCの設置位置に大幅な自由度を与えられるはず。

 

 

今回のお題である"Intel Centrino Advanced-N 6235”は、WiDi対応のBluetooth統合型無線LANカードで、11nにも対応するIntelの最新型となる。

各社のノートPC、特にUltrabookでの採用事例が多い製品で、速度・安定性共に優秀だ。

 

WiDi接続でも、安定した動作を見せてくれるに違いない。

 

 

・・・・と思ったのだが、はっきり言う。

『導入のハードル高すぎだろwww』

 

WiDi接続の導入、安定までに要した期間は実に五日間に及ぶ。

ノートPCに最初っから組み込まれている場合と比べ、自作環境でWiDiを導入する場合、その情報の少なさと相まって非常に敷居が高くなる。

 

まず、最初に躓いたのが「導入の際に必要となるのは、WiDiのアプリケーションだけでない」ことだ。

 

今回提供頂いた6235はいわゆるバルク品であり、ドライバディスクなどといったものは一切提供されていない。

そのため、ドライバからしてIntelのサイトからDownloadする必要があるわけだが、まずそのDownload先が非常に分り難い。

 

商品情報から直接Download先に飛べるように作られていないので、トップ画面からサポートの項目に移動して、Download検索画面から・・・・と、

 

「サポートサイトの見方を知らん人は、ここでゲームセット」である。

 

無論、バルク品に何を期待しているんだという考え方もあるだろうが、NUCに無線LANを導入する場合、100%バルク品を購入するしかない。

この辺りは売っている店舗の側で対処することになるのだろうが、NUC本体からしてドライバCDの一枚も付属していない訳で、この辺りをどうにかしない限り、NUCを「自作の入り口」的なアイテムとするのは不可能だと思った。

 

 

 

なお、普通に無線LANとして使うだけならば、Windows8を用いる場合はドライバインストール自体必要無い。OSを入れれば、それだけでドライバが自動的にインストールされる。

 

ただし、WiDi機能を組み込む場合はIntelより提供されているWiFiアプリケーションとセットになったドライバを用いる必要がある。

こちらのドライバを導入後、WiDi用のアプリケーションをインストールすれば、利用可能となる。

 

ここに気付くまでに、まず一日かかった。

 

 

次に問題となったのが、WiDiアダプタの出来の悪さ。

今回、WiDiのために購入したのは、NETGEAR社の"Push2TV HD PTV2000-100JPS"だが、これがファームウェアに問題があった関係から、初回の接続が全く安定しないときた。


ちなみに、WiDiアダプタのファームウェアの更新にはWiDi接続が必須なので、どうにかして初回接続をしなければ話にならない。

最終的に接続に成功し、ファームウェア更新完了後は比較的安定した動作となったが、接続試行回数は既に覚えてられないレベルで、ここの解消で三日間を要した。


 

次に問題となったというか、既に解消法が無いと思われるのが、WiDi接続は「接続元のPCに別の画面表示が必須」であること。


・・・・そう、実を言うと私は「WiDiによるNUCの画面出力完全無線化」に失敗している。

これが仕様であることに気付くまで一日半かかったが、WiDiはあくまで「操作中のPCの画面を複製出力」するための機能であって、モニタ表示の無線化を目的としたものではないのだ。


画面接続状態ならば、WiDiアプリケーションを自動起動に組み込んでおくことで、電源ONから一切手を触れること無く、WiDi接続までのプロセスを完了出来る。(但し、自動ログオン環境であることが必須)


スタートアップに、WiDiアプリを突っ込んだ図。


WiDiの自動接続設定は、このチェックを入れるだけ。



しかし、この全自動接続が出来る環境を構築した後、NUCから画面出力のHDMIケーブルを抜いてしまうと、WiDiアプリケーションの起動後、


自動スキャンされるはずの「WiDiアダプタを見失う」のである。それも100%の確率で。

 

 

解消法を探ってみたが、今のところ見つかっていない。

これが完全に仕様なのであれば、NUCにおいてWiDI接続を用いる意味はほぼ皆無だ。

 

6235側の問題ではないといえ、いささか拍子抜けな結果。

NUCが何故にWiDi対応のロゴが箱に付いているのか、その意義を考えてしまう仕様であった。



16人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (1)

  • ちばとどさん

    2013/05/15

    仕様でしょうね。
    わたしも、WiDiの画面は起動画面には使えないことに先ほどはたと気づきました。
    起動画面にするためには、OSに入る前、BIOS起動のときからディスプレイとして使えていないとダメですものね。
    UEFIにWiDi機能を入れてもらわないと、ですね。

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