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MMO向け多ボタンマウス

zigsowプレミアムレビューに選考いただき、この場をお借りして御礼申し上げます。

MMO向けのゲーミングマウスということで、G700、G300との比較、さらにRazer NagaEpic、Corsair M90との比較をしたいと思います。

 

まず、外観からレビューしていきたいと思います。

外装


左からG700(79.8 x 126.3 x 45.9ミリ)、G600(75 x 118 x 41ミリ)、G300(72.2 x 112.7 x 39.9ミリ)です。
写真でもわかりますが、G600の全長はG700とG300の中間的な大きさで、そこまで長くは無いことが分かります。
横幅はGシフトキー(薬指を置く部分)の存在している分幅広になっています。

全長に対して横幅の広いマウスであるということが分かります。

一般的な日本人の手にも極端に大きくなく、フィットする形状になっていると感じますが、

手の小さい人や、女性には少し大きいのではないかと思います。


右サイドはラバー凸凹加工がされており、さらに底面側が若干狭くなるようになっています。

この形状とラバー加工が小指のグリップ感を良いものにしており、
小指で把持せざるを得ない形状でも持ち上げる事を容易なものとしています。

NagaEpicは、サイドパネルを交換することで3種の持ち方を出来るようになっていますが、
こちらのマウスのように側面形状が底面に向かって狭くなる形状になっていない上に、
光沢加工になっているため、持ち上げる際、意識して持ち上げないと滑るのです。


その点、G600は意識せずとも小指が引っ掛かってくれる為、圧倒的に持ち上げやすいのです。

 

次にサイドキーですが、上写真のように前列6個、後列6個が1セットになったように中央に向かって窪んでいます。

G9~G14までを親指の腹で、G15~G20を親指の第一関節で押す感じになりますが、G15~G20までは慣れが必要かと思います。

しっかり押すためには一瞬持ち替えが必要かと思います。

 

ケーブルは糸巻きタイプで若干太いケーブルです。

太さは約3.5ミリで、Razer社(2.85ミリ)やその他メーカーのマウスよりも0.5ミリほど太いです。

 

重量

G600は本体重量が約130gと重量級となっております。
G700は単3充電池含んで151gと重たいので、それと比較すれば軽いと感じます。
NagaEpicは本体重量がワイヤレスのため、バッテリー分重たいのですが、それでも134gとほぼ同じ。
また、CorsairM90と比較すると、165gという重量級マウスであるM90比ですので、やはり軽く感じます。
MMOだけをプレイする分には安定感もあるため、この重量設定なのだろうと感じました。
※4gamerさんの記事によると、中には13gの錘が2つ入っているようですので、それを取り外すことで26g軽くなるようです。(保障外)

 

センサー

センサーはAvago製のレーザーセンサーで、最低200dpi最大8200dpiと非常に高いDPIを持っています。

リフトオフディスタンスは2ミリ程度と非常に短く、軽く持ち上げただけでスパッとトラッキングをきることが可能です。

センサーの特性として、ペイントでテストしましたが、直線補正は特に見受けられませんでした。

あったとしても極微量の補正になっていると思います。

トラッキング限界は非常に高く、私の環境ではネガティブアクセルなどは一切発生しませんでした。

※マウスパッドはArtisan飛燕Value、RoccatTait、RazerGoliathusControlの3種でテスト

FPSでローセンシ(振向き45cm)、ハイセンシ(振向き5cm)共に試してみましたが問題はありませんでした。

センサー性能だけ見ればFPS用としても十分に使える性能を有していると思います。


スイッチ

スイッチはメイン3つがオムロン製、サイド以外のキーはタクトスイッチ、サイドキーがメンブレンスイッチとなっています。

クリック感は左右メインはG300やG700よりかなり軽く、軽いといわれているCorsairM90に近い軽さです。

Gシフトキーはそれに比較し、若干重めに設定してあるようで、誤爆を防止していると思われます。

サイドキーもCorsairM90のように重たくなく、他のタクトスイッチと同じような押し心地に設定してあるのが好感をもてます。

かといって操作しているときにも誤爆する重さでもないのが、設計上での配慮を感じられます。


ホイールは一般的なタイプで、Logicool社特有の高速モードは搭載されておりません。

ノッチは1周24ノッチ、左右に倒すように押すキーも搭載しています。

操作時に間違って操作してしまうことは無い固さに設定されています。


ソフトウェア

ソフトウェアですが、上記SSのようにオンボードメモリとゲーム自動検出を選択できるようになっています。


オンボードメモリとゲーム自動検出では利用できる機能が異なっており、

先ずはオンボードメモリから説明していきたいと思います。

オンボードメモリ状態で設定可能なのは、上SS2枚の機能だけになっております。

装飾子を含めてキーストロークを入力 という欄ではShift+1等の設定が可能です。

一言で言えば「マクロのようなゲームの操作アシストをするような機能は使えない」ということです。

 

オンボードメモリモードで、他に設定できる項目としては以下のSSのとおりです。

↑DPI感度レベル設定(DPI4種、200~8200DPI、レポートレートは1つのみ4種、3モードごと)

 

↑サイドキーライト設定(RGB各256段階、1677万色、明るさ100段階、光り方、光るペース)

ライトの設定のサイクルライトは色が順に変化していく光り方、パルスライトは点滅

-に設定すると光のサイクルペースが遅くなり、+で早くなります。

-方向に目いっぱい設定すると、光量変化無しになります。(サイクルだと、じわーっと変化)

 

↑通常キー設定

↑Gシフト時のキー設定(Gシフトキー(薬指キー)を押している間のみこのキー設定になる)

こちらも3モードごとに設定可能=3プロファイル本体に記録可能ということになる。

 

次に自動ゲーム検出設定での設定項目です。

↑このように、ポインタ設定に詳細な項目が増えます。

増える項目は感度レベルが5つに増加、プロファイルごとのDPI設定、XY軸分離、加速設定

 

↑このようにプロファイルごとにマクロや複雑なキーバインド等の設定が可能になります。

上のほうにある+ボタンの下にある小さい三角部を押すと、インストールされているゲームをスキャンする機能があります。

これを使うことによって、プリセットで存在するプロファイルを登録できます。

しかし、マウスに割り振れるられるプリセットの機能としては実用に耐えないレベルのものが多いと感じました。

 

↑カラー設定についてはプロファイルごとに可能になるのと、ライトのスリープ設定が増えるのみです。

 

↑自動ゲーム検出モードで設定できるキーへの機能です。

オンボードメモリモードでは無かった設定項目が増えているのがわかると思います。

マクロはイベント間の遅延なども記録できる仕様になっていますが、特別優秀というわけではありません。

 

 

ゲーム検出機能は、そのゲームのプログラムを指定することによって、

ソフトが自動でプログラムが立ち上がったのを検知し、自動でプロファイルを変更する機能です。

そのため、プロファイルはPCに記録されるため、いくつでも設定することが可能です。

しかし、ソフトを立ち上げていない場合は機能を利用できないということになります。

この辺はG300もそうなのですが、細かい割り当てを行いたいこともありますし、他のPCでそのまま利用する場合、いちいちソフトをインストールしなくてはならないし、設定が分かりにくくなってしまっているため、全てオンボードメモリで出来るように仕様を変えて欲しかったと思いました。

G700のように簡単にオンボードメモリに設定できさえすれば他の追随を許さぬマウスになれたと思います。

 

注意事項

基本無料のMMOやFPSではハッキング防止のソフトを採用している場合が多くあります。

今回私が実際にプレイを行ったマビノギもHacksheldを採用しており、ソフトの設定を行っても反映されません。

 

上記理由より、実際のゲームプレイの際はオンボードメモリモードを利用しました。

 

実際のゲームプレイ(Mabinogi)

MabinogiとはNexon社が運営するMMORPGで、自由度が高く、アクション性も高い(クリックゲーではない)ゲームです。

詳しくは公式サイト⇒  http://www.mabinogi.jp/ をご覧ください。

戦闘などではスキルのつながりを考え、立ち回りをしっかりしないとすぐに死んでしまうゲームになっています。

これを利用し、スキルをすぐに使えるか、押し間違いなどが無いかを確認しました。

 

先ず、マウスの設定とキーバインディングを説明します。

Mabinogiではスキルをキーボードの「1」~「-」キー、「F1」~「F12」キーに配置出来ます。

上列はShiftキーを押している間、裏の第二スキルセットに切り替わります。

このスキルセットはプレイヤーの好きなように並べることが出来ます。

下の段の=はバグなのか利用できませんのでクリックで利用するスキルをセットしてあります。

私は旧来のスキルをメインに戦闘を行うスタイルですので、このようなスキルセットになっています。

Mabinogiの事が分からない方のために、簡単に説明しますと、

赤いスキルアイコンは物理スキル、青が魔法、黄色が生活、緑が日常スキル、翡翠色が特殊スキルです。

普段キーボードで操作している時の並びのまま、マウスでどれほど操作が出来るか試してみました。

マウスの設定は以下の通りです。

 ↑標準キー設定

「1」~「-」キー(下の段のスキル)、Endキーは個人設定で「ペットの呼び出し解除」

Hはライフポーション、Kはスタミナポーション、Iはインベントリです。

モードスイッチも別のものに設定を変更したかったのですが、仕様なのかバグなのかは

分かりませんが、バインドが上手くいかなかったためそのままにしてあります。

↑Gシフト時のキー設定

「F1」~「F12」キーをサイドキーに、Jはマナポーション、Ctrl+Hはファーストエイド、

Ctrl+Jはフェニックスの羽、Homeはペットのインベントリとなっています。

Gシフト時の左右キーには初期状態では「割り振り無し」になっているのですが、

一回「左右のマウスボタンを入れ替える」という操作を選択し、もう一度選択しなおすと

何故か左右キーのバインドにすることが出来ます。

 

実際プレイしてみた感想

プレイは適当なフィールドでの狩りや、ダンジョンを周回してみました。

先ず、本体操作で気になった点等を箇条書きで挙げたいと思います。


・最初は操作に戸惑ったが、慣れてくると今までよりも左手の動きが少なくなり楽になった。

・サイドキーは独特な凹凸があるために、間違えることなく押すことが出来た。

・右クリックとGシフトキーを咄嗟に操作すると押し間違えることが多くあった。

・Fキーを操作したい時、キーボードだとF5あたりからは手を移動させないと押せない場合でも

G600の場合、Gシフトキーを押しながらサイドキーを押すだけで簡単に操作が出来た。

・慣れてしまえば、左手でShiftキーを押しながらG600でGシフトを押し、第二スキルセットの

手の届かないキーを操作できるため、有効なスキルセットが増え、より戦いの幅が広がった。

 

以上のような結果になりました。

 

この結果より言えることは、

Mabinogiに限らず利用キーの多い(しかも遠い位置にある)MMOにはG600は最適である。

ということが言えると思います。

 

総評

優れていると思う点と劣っていると思う点を箇条書きで


Razer Nagaと比較して

優れている点

・マウス本体の作り

・マウスの持ちやすさ

・サイドキーの出来の良さ(押しやすい固さ、押し分けのしやすさ)

・センサーの性能

 

劣っている点

・オンボードメモリの機能(NagaEpicのみ、普通のNagaはオンボードメモリーは無い)

・サイドパネル交換による持ち方変更が出来ない。

 

Corsair M90と比較して

優れている点

・キーの数(M90は15個)

・サイドキーの固さの適切さ(M90は固すぎる)

・本体重量が軽い

・センサーの性能

 

劣っている点

・オンボードメモリの機能(M90はオンボードメモリーで全て出来る、プロファイル6個、

 プロファイルごとに細かく解像度やレポートレートなど設定可能)

・本体の質感(M90はアルミと高密度プラスティックのため流石の質感)

・サイドキーの押し分けのしやすさ。(M90は固いが持ち替え無しで全て押せる)

 

このような私的感想を得ました。

 

最後にFPS用途で使った感想を個人的私見を交えつつ記述します。

プレイしたFPSゲーム(全て180°ターン19.5cmに設定)

・Call of Duty 4(Promodでのクラン戦)

・Call of Duty MW3(チームデスマッチ数戦)

・Battlefield 3(コンクエストラージを数試合)


先ずCall of Duty 4ですが、PromodというMODを適用した状態でのクラン戦を行いました。

Promodは無駄なエフェクトを取り除き、より競技性を高めるMODで、海外ではプロの試合でも

利用されているMODで、スポーツ系FPSと言っても過言ではない仕様になります。

私は普段、F3-JPというA4tech社のマウスの錘を抜いたものを利用しています。

これは80g程度まで軽くなっており、G600の130gは相当重く感じます。

アサルトライフルを利用しているときはそこまで重量を感じることも、不満を覚えることもありませんでしたが、スナイパーライフルでドラッグショット(スコープを覗いた状態で相手にドラッグするようにずらして合わせる撃ち方)をする場合、その重量のためか、慣性で余分に動かしてしまう事が多く感じられました。

サブマシンガンを持っているときも同様に、相手と遭遇した時など咄嗟の180°ターンのような動きに対して、これまた重量があるためにやりにくく感じました。

一言で言うなれば、キレのいい動きが出来ないという感じでしょうか?


次にMW3ですが、こちらはチームデスマッチをお気楽にやってみました。

単純に目の前に見えた敵を倒せばよいモードですので、重量が気になることもありましたが、それを気にするレベルに達しませんでした。

お気楽にプレイするのであれば、G600でも十分にプレイ可能であると思います。

また、キルストリークが一つのキーではなく、4~7などにバインドできるゲームですので、サイドキーにそのあたりを全部割り振ってやることで、WASDから手をずらさずに操作できるといった利点もあると思います。


最後にBF3ですが、こちらも操作するキーがCoDに比べて多く、チームチャットや分隊チャット、全体チャットキーが離れた場所にあり操作しにくかったりした場合に、G600ではサイドキーに割り振ってやることでWASD操作に集中できるようになります。

また、ビークルに乗った場合の座席チェンジはF1~F6(座席の数で変化する)で操作するため、それを手前側のサイドキー(G15~G20)に割り振ってやり、それ以外のナイフやチャット、フラグ、射撃モード変更キーを前方に割り振ってみましたが、非常にやり易かったです。

さらに、Gシフトキーを変更し、DPIシフトを割り当てし、航空機などで足りなくなるセンシ(マウス感度)を8200dpiという高いDPI設定可能なG600の性能を生かして補うといった使い方が非常に有効だと感じました。

普段は低いセンシにしておき、細かく操作し、GシフトキーにバインドしたDPIシフトですばやい旋回を可能にするといった使い方ですね。

スポーツ系でもリアル系でもないBF3は、重量を気にするほどのマウス操作を必要とすることは少ないが、その他のキーを多く使うため、G600は有効な選択肢になると感じました。



結論として

多数のキーを利用するゲームではMMOだけでなく

FPSでも有利に戦いを行えるマウスである。

また、一般的な事務用途などにも非常に使いやすいマウス。

ということができる。


価格はそれなりに高いが、得られる満足度はそれに見合ったものであると私は感じました。
また、MMO用途に利用したいと思っている方には最もオススメできるマウスの一つです。

 

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