《1. 緒言》
「マウスなんて使えれば何でもいい」
そう思っていたわけではないが、マウスを新調するたびに新たな性能に驚かされてきた。
筆者は以前まで\1,000~\3,000の安価なマウスを使用していたが、三年前に初めて高級マウスにカテゴライズされる
を購入した。
MX-Rでは、ボタンが多数付いていることによる便利さには得も云われぬ感動を覚えた。
特に、「戻る」、「進む」、「ブラウザ更新」ボタンが無いマウスにはもう戻れない。
更に、MX-Rの目玉機能であるフリースピン機能と、ホイールの回転数によりクリック・トゥ・クリックとフリースピンを切り替える「スマートシフト」機能には芸術性すら感じた。
その後、
を購入し、その際にもボタンの多さに驚いた。
戻るや進むといった機能にとどまらず、「コピー」、「貼り付け」といった機能にもボタンを割り当てる余裕があり、便利に感じられる場面は多々あった。
フリースピン機能を有してはいるものの、スマートシフト機能は備えておらず、その点は残念であったが、MX-Rの大きな弱点であった「充電中は使用不可能である」点を克服し、クッションの上でも使用可能であるなどフラグシップ機に迫る使用感を示してくれた。
本レビューで使用するマウス、G600 MMO ゲーミングマウスは、外見の通り驚異的なサムボタンの数が特徴である。
多数のボタンを有するマウスは過去にも販売されているが、重要なのは
・多数のボタンは使用者の思ったとおりに押下しやすくなっているか
・多数のボタンを有するがゆえに、本来のマウスとしての機能に支障が出るようなことは無いか
という二点であると考えられる。
これら二つの点を中心に当該製品の使用感を確認したいと思う。
《2. 外観》
当選の連絡後、程なくして製品が到着。
可もなく不可もない梱包の模様。
マウスの梱包としては十分であろうか。
早速開封し、外観を確認してみた。
12個のサムボタンがとにかく目を引くが全体としてはあまり安っぽさを感じない。
流石にMX-RならびにM950には劣るが、G700には劣らぬ高級感を示している。
表面のつやを消し、丈夫な編み込み方のケーブルを採用しているのがその一因であろうか。
サムボタンのイルミネーションもなかなかに美しい。
クリックボタン、ホイール、それぞれのボタンにしっかりとしたクリックの手応えがあり、操作感も十分である。
しかし、操作しているとどうしても気になってしまうのがケーブルである。
これまで、ワイヤレスでの使用に慣れてしまったために、どうしてもケーブルに引っ張られる感が拭えない。
ゲーミングマウスだと有線であるのが当たり前かもしれないが、イルミネーションを消せばワイヤレスにならないだろうか…?と考えてしまう。
もっとも、PSO2用PCで直前まで使用していたマウスが、キーボード付属の安価な有線マウスであったので、その外観ならびに使用感は比較するべくもなく本製品の方が優れている。
《3. PSO2》
3-1. ソフトウェアインストール
PSO2で使用するためのボタン設定を行うために、以下のページからソフトウェアのダウンロードを行った。
サポート&ダウンロード/ マウス/ G600 MMO Gaming Mouse
なお、レビュー要項にもあったが、必要システムはWindows Vista、Windows 7、Windows 8の三者であり、筆者はWindows 7を使用している。
3-2. 設定
3-1.の項でインストールしたソフトを起動し、PSO2で使用するためのサムボタンの設定を行った。
G9: 1
G10: 2
G11: 3
G12: 4
G13: 5
G14: 6
G15: 7
G16: 8
G17: 9
G18: M
G19: N
G20: I
G shift
G9: B
G10: G
G11: J
G12: Y
以下未割り当て
なお、この設定画面で示される色は実際マウスのサムボタン上の色とリンクしているなど、芸が細かい。
筆者はPSO2をキーボード+マウスのスタイルでプレイしており、キーボードの配置は基本的にデフォルトに近い。
それゆえ、移動ボタンである「W」、「A」、「S」、「D」の上に左手を置く格好になるが、そこから離れているボタンは押すのに不便を感じていた。
この設定により、サブパレットの選択や武器・防具の装備変更、マップの切り替え等が移動しながら可能となるので慣れれば随分便利になるはずである。
3-3. PSO2をプレイして
実際にログインし、プレイしてみると、当たり前ではあるがそのサムボタンに対応したコマンドが再現された。
移動しながらマップが切り替えられ、迅速にアイテムを倉庫に送ることができるようになった。
サブパレット上のアイテムの使用は、ボタンの位置さえ間違えなければやはり便利である。
特に、PSO2はアイテムを使用したときの発生・硬直フレームが大変長い。
そのあたりは本マウスの機能を用い、隙の少ない立ち回りをしてゆきたいところである。
ちなみに撮影時はスクリーンショットをサムボタンに割り当てていなかったので、アイテムの使用は容易であったものの、スクリーンショットに難儀した。
こういうときのためにもスクリーンショットにもサムボタンを割り当てておくこととしよう。
ただ、まだ不慣れなのが原因であろうが、Gシフトボタンを押しながらの操作はやや難しい…Gシフトボタンの操作は薬指を用いた操作になるが、普段のマウス操作で薬指を使用する方は少ないだろう。
コレを押しっぱなしにしながら、親指で目的のボタンを押すことになるので、慣れがないとミスは起こりうると考えたほうがよい。
逆に、サムボタンを押した際にはマウスを支えるために必然的に逆サイドからの力がかかる。
つまり、薬指でマウスを支える癖ができている使用者の場合、Gシフトボタンを使用するつもりが無くても、サムボタンと同時に押下してしまう恐れがある。
筆者も数回、上記の事情で回復薬をを使用しようとして武器選択画面を開いてしまい危機に瀕する羽目になってしまった。
「あっやばいアイテム画面開いちゃった」とテンパってたらもう遅い
また、薬指をボタンの押下に使用するという事情で、いわゆる「かぶせもち」のマウス使用者でないと使用するのは困難であろう。
更に、マウスは机に固定されていないので、Gシフトボタンの押下によりマウスが動く恐れがある。
その観点からも使用者に慣れを要求するマウスとなっている。
あるいは、この手のシフトボタンはトラックボールのように机上であまり動かない製品でこそ生きるものかもしれない。
《4. 結論》
◆良かった箇所
・すべて使い切るのが困難なほどのサムボタンの多さ。Gシフト機能やモードスイッチ機能まで併せれば大変なボタン数を使用可能となる。
・外観も素晴らしく、特に編み込み式のケーブルは高級感を増している。
◆可能であれば改善して欲しい箇所
・普段無線マウスで慣れているユーザーにとっては有線でのマウス使用はやや苦痛。MMO用であると割り切らないと、普段使用は難しい。
・Gシフトボタンにはやや慣れを要求されるか。改善案は難しいが、拡張ボタンの使用を、「Gシフト押しっぱなし」、「Gシフト一回押下」のいずれで行えるかユーザーで調整できるなら使い勝手は随分改善されるはず。
・Gシフトボタンにはもう一つ難点があり、サムボタンを使用するとすると誤ってGシフトボタンを同時に押してしまうことがある。これも慣れの問題であろうか。
《5. 謝辞》
本レビューはLogicool社ならびにzigsow株式会社の製品提供の下で行われました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
KoSさん
2012/07/30
やっぱりこのGシフトボタンって、微妙ですよねぇ。
トム様さん
2012/07/30
有難うございます。
Gボタンも使いこなせれば極めて有用なんでしょうけどね。。。まだまだ慣れが必要ですね。
薬指をボタンに割かなければならないために、マウスを小指だけで支えないといけないのがまたちょいと難しかったりです。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2012/08/01
これも欲しくなります。
トム様さん
2012/08/01
>トラックボール版
私自身、トラックボールは普段使わないので分からないんですが、ボール回すのに親指を占有されちゃうんですかね?
自分で提案しておいてアレですが、トラックボールだとサムボタンをつかえないかもですね。
そして左利きの方の苦労が分からないので申し訳ない。
やっぱり不便なんですね…
ぽんぽんぽんさん
2012/08/13
最初はマウスは安くても使えればいいやのスタンスから
いいものを使ったら戻れなくなったとの話があるあるだなと思って読ませて頂きました。
数字キーやファンクションキーを押すには
どうしても移動であるWASDから離さなくてはいけないので
アクション性の強いゲームでは特にサイドのボタンは便利ですよね。
トム様さん
2012/08/14
通常、マウスのボタンを押さない指に機能を持たせるサムボタンやGシフトボタンは大変便利です。
一方で、サムボタンやGシフトボタンを備えたことで、(慣れないうちのマウス操作で)ボタンの押しミス、操作ミスが出てきたりすると、いかに親指と薬指がマウスを支えるのに重要であったのかを自覚させられます。
今回のレビューをさせていただいて先述の点が一番勉強になったかなぁ…と思ってたり。