UMPCって覚えてる?

2008年にウィルコム/シャープが販売したW-SIMを利用したPHS端末…

そう、いちおう本機もシャープがウィルコム向けにリリースしていたWindows Mobile搭載スマートフォン「W-ZERO3」同様「PHS端末」として販売されていた端末となります。

OSにWindows Vista Home Premium SP1 x86を、CPUには当時ネットブックにも搭載され始めた低電圧CPU「Intel ATOM Z520 1.3Ghz(Silverthorne世代）」を搭載したUMPCでもあります。というかどちらかというとPHSというよりUMPCそのものです。

UMPC(ウルトラモバイルPC）というカテゴリ自体このころ登場したネットブック

やそのあとのタブレットの登場もあって現在では完全に消滅してしまいましたが、このころはSonyのVAIO Type-UやType-P、富士通の

といった製品が数多く生み出されました。

正直モバイル用Windows PCとしては

が完璧に近く(むしろ3Dゲームを除けば十分メインにすらなるタブレット。今でも最強だと思います。実際この解像度のWindowsタブレット本機だけですし…)そろえる必要性はなかったのですが、上記LOOX Uを手放してからやっぱり「ポケットに入る」Windows PCの夢を捨てきれず、真の意味でポケットに入る富士通のドコモ携帯「F-07C」が2万ちょっとで中古が出ていたので検討していたところソフマップで14800円で売っている本機を発見したため即決で購入してしまいました。

PCとしてのスペックは以下の通りになります。

OS:Windows Vista Home Premium SP1 x86

CPU:Intel ATOM Z520 1.33Ghz

GPU:Intel GMA500(PowerVR SGX535、チップセットに内蔵)

RAM:1GB/1GB

HDD:40GB(U-ATA100 1.8インチHDD）

液晶:5インチTFT液晶 感圧式タッチパネル(Windows Tohch対応）、解像度WSVGA

カメラ:198万画素

Wi-Fi:IEEE802.11 b/g

Bluetooth:2.0+EDR

バッテリー:標準バッテリー 960mAh/オプション大容量バッテリー 2880mAh

USB 2.0ポートx1（ただし端子がminiUSB端子のためUSBホストケーブル必須）

W-SIMスロット(ウィルコムPHS用SIMカード)、ワンセグチューナー搭載

やっぱり初期ATOMでVistaは重いか…設定をいじれば何とか実用可能。バッテリーは持たないです。

同時期に登場している同じ世代のATOMを搭載したネットブック全般にも言えるのですが、この時期のIntel ATOMプロセッサは低電圧という意味では非常に優れていたものの、CPUとしてのパフォーマンスそのものはお世辞にも高いとは言えなかったため、Windows Vistaでの運用は生じかなりもっさりしている印象です。

一応Windows Vistaらしさをすべて捨ててテーマはクラシックに固定し、各種チューニングを行えばある程度実用できるレベルにはなります。ただWindows Updateなんかは非常に時間がかかります。

標準バッテリーは960mAh。今のAndroidスマホはおろかiPhoneや当時のW-ZERO3(1500mAh）と比べても少なすぎる上にこれでIntel x86版Windows Vistaをそのまま動かしているので標準バッテリーだと1時間ちょっとしか運用できません。一応大容量バッテリー(2800mAh)をつければ若干重く、厚さも増えてしまいますが十分モバイル程度(4時間程度)になりますが、現在では入手困難なのがつらい…

ちなみにOffice 2007 Personalがバンドルされない代わりに上記大容量バッテリーが標準で付属するWILLCOM D4 Lという廉価版がのちに登場しています。やはり960mAhでは少なすぎるという声が多かったんでしょうね。

USBポートはminiUSBポートが一つ。こちらも別売のクレードルを用意すれば一般的なUSBポートを4つに増設できるのですが、標準状態ではminiUSBホストケーブルがないと付属しているOffice 2007の再インストールすらできません。現在はmicroUSBケーブルが普及しているためminiUSB ホストケーブルは絶滅に近いですが、一応アイネックスの「USB-133」というホストケーブルであれば今でも入手できるので、こちらをそろえることにしました。このケーブルでUSB DVDドライブを接続してみましたが無事認識しました。

F-07Cのようにズボンのポケットに入れることはちょっと難しいかもしれませんが、ジャンバーのポケットにはすっぽり入るこのPCはあるいみモバイルPCとしては究極に近い商品だと思います。

今のBayTrail-T プラットフォームで作ればパフォーマンスもバッテリー稼働時間も大幅に改善された商品が作れそうなのですが、タブレットが普及してしまっている今となってはUMPC系デバイスの登場はもう望めないかもしれないですね…

一応Windows 7やWindows 8.x、Windows 10 Developer Previewも動作するようですので近いうちにWindows 10 Develoiper Previewをインストールしてみようかなぁと検討しているところです。