所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。洋楽と邦楽の違いってなんでしょう。準邦楽でないいわゆる「邦楽」と呼ばれる分野、特に他国では同様の音楽があまり聴かれない演歌のような曲ですら、エレキギターやドラムを初めとする「西洋楽器」が使われますので、いわゆる「流行歌」で「西洋音楽」の影響を受けていないもの・ジャンルというのは皆無ですが、その中でも「あ、洋楽っぽい」と感じる曲があります。今ではJ-POP界の大御所となったグループが若き日に手がけた「洋楽」の薫りのするシングルをご紹介します。
DREAMS COME TRUE(DCT)。今でも作品をリリースするとトップセールスを記録する息の長いバンド。1989年デビューなので既に四半世紀の歴史を持つ。一般的な意味での「上手さ」だけではない強烈な個性を持つヴォーカリスト吉田美和と、多くの作曲とすべての編曲をこなしてバンドのカラーを形作るベーシスト中村正人の二人からなるユニット。ただ2002年まではキーボーディスト(一部のクレジットではマニピュレーター)が在籍しており(西川隆宏)、その3人体制の時がセールス的にはピークだった。
20世紀末の多くのアーティストがそうだったように、日本での成功⇒海外(とくに当時は米国)への挑戦というルートをたどったが、それは1997年以降の数年。
それに先立つこと数年前なぜか全英詞の曲をシングルとしてリリースしている。それが14枚目のシングルである“WINTER SONG”と続く15枚目のシングルである本作。
“WINTER SONG”が『「雪のクリスマス」 WORLDWIDE VERSION』と呼ばれるように、8枚目のシングル“雪のクリスマス”の英語詞ヴァージョンであったのに対して、こちらはシングルタイトル曲である「WHEREVER YOU ARE」は英詞であるこのヴァージョンが先にリリースされたところが面白い。その後、この日本語詞ヴァージョンである「いつもいつでも」がアルバムに収録され、この英詞版の方はアルバム未収録、というシングル表題曲としてはやや不遇な?扱いを受けている。
その「WHEREVER YOU ARE」。とてもポップかつライトブラコン系の薫りを放つ曲。それもそのはず、クレジットを確認すると、コーラスにEW&FのMaurice Whiteが参加している。他のミュージシャンはプロデューサー兼英詞作者でもあるMike Pelaの関係が多いのでUK系とはいえるのだが、Mauriceの声が入るだけで、一気にクロくなる。バックだけ聴くと6/8の硬い打ち込みなんだけれど、Mauriceの声の緩急・強弱とラッパ隊の絶妙なヴォリュームコントロールでうねりを感じるシャッフル感がでてる。
もう一曲の「SAYONARA ~WORLDWIDE VERSION~」は「WORLDWIDE VERSION」とあるように、こちらは前シングルの「WINTER SONG (“雪のクリスマス” WORLDWIDE VERSION)」と同じく、先行する日本語詞の曲があるタイプ。大ヒットアルバム“The Swinging Star”
からの英詞化。Fm⇒A#m⇒Cm⇒C#⇒C⇒Fm⇒A#m⇒Cmの「C」の部分が印象的。これは原曲もその半音のところが洋楽っぽかったので英詞化の違和感もない。
DCTの本格的な海外挑戦はこの数年後。なぜこの時期に日本でのセールスをなげうって英詞の曲をリリースしたのかは分からない(DCTなのでソコソコは売れてチャート1位にはなったが、その前の“go for it!/雨の終わる場所”の売上には届いていない)。
ただ、3年後の海外進出は当然その時降って湧いた話ではなくて、このころから指向としてはあったのだろうから、後にSADEやMaxwellなどとグラミー賞を獲る名プロデューサー、Mikeに「ドリカム流洋楽解釈」を問うたのかも知れない。ただ、その海外進出盤である“SING OR DIE”では皮肉にもMikeはプロデュースから離れてしまうが...
海外進出時にはレコード会社移籍などもあり、その契約上のことだったのかもしれないけれど、このMike路線で、海外に出ていたらどんな結果だっただろう...そんなことを考えさせる作品です。
【収録曲】
1. WHEREVER YOU ARE
2. SAYONARA ~WORLDWIDE VERSION~
「WHEREVER YOU ARE」
わざわざ英詞で聴く必要はあまりないかな...
曲が悪いわけではないけれど、ネイティヴが歌っているわけではないので、わざわざ英詞で聞く意味はないカモ。
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購入金額
1,000円
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購入日
1994年頃
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購入場所
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