DREAMS COME TRUE(DCT)。世紀末の1990年台から現在も活動を続けるポップユニット。現在はヴォーカリストの吉田美和とベーシストの中村正人から成るユニットだが、デビュー当時はキーボーディスト西川隆宏が加わった3人の構成だった。結成後25周年(2013年現在)を迎える老舗ユニットだが、その初期から吉田のオンリーワンな声と中村の高い編曲能力で存在感を示した。
彼らのセールス的ピークは5枚目のアルバム“The Swinging Star”
だが、このデビューアルバムからすでにその片鱗がある。吉田の声。これが傑出している。またその声を演出するように組まれた曲順。彼女の声のさまざまな魅力を順に紹介している様相だ。
「Hi,How're You Doin'?」という吉田の掛け声に続いて始まるのは「APPROACH」。いまとなっては少し懐かしい感じのシンベと打ち込み色が強いハイハットに抑揚がないドラム音、キーボードもかっちりとした感じで硬い風合いの楽曲の上で高域まで通る吉田の声が踊る。バックの冷たさが逆に非常に表情ゆたかに歌う吉田の声を引き立たせており、実質的な1曲目としてはよい演出だ。
つづく「Don't You Say…」は一転してソウル調のふくよかな吉田の唸り?が、高音を削ってノイズを載せた古いレコードの再生音のように加工されたピアノの音に載って聴けるイントロから始まる。曲に入っても3拍子系の曲にやや低めの音域を使って深い声の魅力を魅せ、前の曲との対比がよい。
「週に1度の恋人」はNick Pentelowのサックスで始まる小粋なフュージョンタッチの曲。ブラスのオブリとシンベのグルーヴィさが跳ねる16ビートのこの曲を彩る。吉田の声も(詞の内容と反して?)軽やかだ。
一枚で吉田の声の魅力をよく伝えるアルバム。深い声、軽やかな声、通る高音、はっきりとした低音...のちのアルバムと違いほとんどの曲を吉田が作曲したこともあり(中村作曲は1曲のみ)ソウルよりの作品となっている。中村の洗練されたポップさとは違う、クロめのアプローチが新鮮。
彼らの息の長い人気が、吉田の声の魅力にあることがよくわかる、作品です。【収録曲】
1. Hi,How're You Doin'?
2. APPROACH
3. Don't You Say…
4. あなたに会いたくて
5. 週に1度の恋人
6. カ・タ・ガ・キ
7. エメラルドの弱み
8. それでも恋は永遠
9. IT’S TOO LATE
10. 悲しいKiss
11. STILL
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購入金額
3,200円
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購入日
1990年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2013/05/31
cybercatさん
2013/05/31
ただたしかに「音がいい」という印象は特に受けませんでしたので、そのあたりが改善されるならアリ、かな。
北のラブリエさん
2013/05/31
cybercatさん
2013/05/31