レビューメディア「ジグソー」

何個買ったか覚えていません…

Socket7の「最終兵器」だったのが、K6-IIIシリーズでした。基本構造は前作のK6-2とほぼ同様でしたが、当時としては巨大ともいえる256KBのフルスピードL2キャッシュメモリを内蔵していたことから、K6-2を大きく凌駕する性能を叩き出し、Socket7対応のCPUとしては最高性能を誇っていたのです。

K6シリーズのCPUは内部倍率の最大値が6倍であったため、FSB66MHz以下のPCで利用する場合には、この400MHz(66×6=400MHz)が最高クロックとなっていました。

私は当時Socket5/7のPC-9821シリーズを多く使っていたため、最終強化手段としてこのK6-IIIを愛用していました。主に買い集めたのは、初期にリリースされた動作電圧がやや高い(2.4V)「AMD-K6-III/400AHX」でした。これは覚えているだけで5個程度は買ったような気がします。後に動作電圧が下がった(2.2V)「AMD-K6-III/400AFX」も発売されましたが、これは1つ試しに買っただけと記憶しています。

特にAHXの方は消費電力や発熱が大きく、所謂「下駄」(CPUソケット変換アダプター)も、電源に余裕があるものを選ぶ必要があり、主にBUFFALO製CPUアクセラレーターを入手して元のCPUを取り外し、下駄部分だけを利用するというパターンで使っていました。PowerLeap社製の下駄などでは耐久性に難がある場合が多かったのです。

ただ、苦労して使うだけの価値は十分にあり、K6-2では同クロックのCeleronにすら太刀打ち出来なかったPCが、K6-IIIに載せ替えることで十分に使えるレベルの性能を叩き出してくれるというぐらいの効果がありました。Windows 98時代のPC-9821系では、K6-III+Voodoo Bansheeという組み合わせがもはや王道となっていた程です。

1995~6年に発売された古い設計のPCが、何とか使い続けられた大きな理由の一つがこのK6-IIIの存在だったといえるでしょう。後に「組み込み用」という名目でリリースされた、より高クロックのK6-III+と共に、PC-9800系を大きく延命させてくれた存在でした。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2013年09月20日

  • 購入場所

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