レビューメディア「ジグソー」

DOS→Windows 3.1→Windows 95を教えてくれた先生。

時は世紀末の1999年11月。インターネットのNetNewsだか地元の草の根BBSだかは定かではないが、譲ってくださる方がいらっしゃったので、そのご厚意に甘えたのが本機との出会い。

以降、期間にすると約半年だが、次の98ノートに乗り換えるまでの期間、MS-DOS on 98ノートでのPCカードの扱いや、Windows 95のセットアップなど、結構マニアックなことを本機で学んだ。

本機はその後、家族の知人の元へと行ったため、今は手元にないが、非常に思い入れのある1台である。

更新: 2015/09/03
スペック

入手時には既にアップグレード済。

標準のスペックは次のとおり:
    CPU: Intel i486SX 33MHz
    RAM: 3.6MB
    HDD: 内蔵可
    グラフィック: 640×480×256色(9.5インチTFT液晶)

このうち、CPUとRAM、HDDに手が入れられており、入手時には次のようなスペックであった:
    CPU: AMD Am486 DX2-50(Intel i486DX2 50MHz互換)
    RAM: 13.6MB
    HDD: 500MB

実は本機は所謂「540MBの壁」の問題を有する機種である。
つまり、容量540MB以上のハードディスクを搭載できない。
しかしながら、ユーティリティを用いれば、(FAT16の上限である)2GBまでは認識することができた。(ただし、DOS互換モードでの動作のため、やや動作速度が低下した、ということだが、ハードディスク自体の性能向上により、この点は相殺されていたものと思われる。)

更新: 2015/09/03
性能

思ったよりも使える。

本機を(サブマシン的な位置づけながらも)現役で使用していた15年前は、主にダイヤルアップ接続・1.5MbpsADSLでの接続であったが、掲示板サイトなどのテキストを中心としたサイトであればそこそこ快適に閲覧できた。

また、その他のアプリケーションについても、比較的軽いソフトであればそこそこ快適に使えた記憶がある。

更新: 2015/09/03
操作性

サムボールは快適。

本機の特筆すべき点は、ポインティングデバイスとしてサムボールを内蔵している点である。これは、PC-9821型番の98ノートとしては、PC-9821Na/Nb登場前のPC-9821Nfあたりまでの機種にも搭載されているのであるが、現代に繋がるノートパソコンの系譜の嚆矢とされるAppleのPowerBookとは異なり、98ノートの場合は、本体前面に装備している。PowerBookの搭載するトラックボールに比して、2回りも小ぶりなサムボールではあるが、操作感は実に絶妙である。

更新: 2015/09/03
互換性

携帯できるPC-98

本機はPC-9821型番の98ノートである。
すなわち、PC-98のソフトウェア資産がそのまま使用でき、かつ持ち運びが可能であるということである。
また、PC-9821型番であることから、640×480×256色のPC-9821対応ソフトウェアも動作可能となっている。
さらに、本機は、PC-9801型番の98ノート搭載の110ピン98ノート拡張バスのコネクタも搭載し、PC-9801型番の98ノートのハードウェア資産も活用できる。
また、Windows 3.1~Windows 95も動作することから、これらのOS上で動作するソフトウェアも(動作速度の問題は抜きにして)、動作するのである。
ただし、本機は音源を搭載しないため、ゲーム等を満足に堪能するには物足りない。
以上から、本機は互換性の観点からは、ゲーム等を除いては、互換性が高いものと言える。

更新: 2015/09/03
キー配列

小ささの中にもキー配列に妥協なし

本機はPC-9801Nに端を発する98ノートシリーズの伝統的なキー配列を採用しており、キーボード入力において戸惑うことはない。
PC-98デスクトップのキーボードとは若干配列を異にするが、さりとてさほど違和感がある訳でもない。
なかなか考えられているキーボードである。

更新: 2015/09/03
デザイン性

武骨な98ノートであるが丸みももたせたデザイン

PC-9801Nにはじまる98ノートのデザインは、よく言えば武骨、悪く言えば野暮なデザインだが、その中でも、要所に丸みをもたせ、PC-9821型番になり、少しイメージを変えるというNECの思想が見え隠れする。
その丸みはバッテリー部、また、付属品であるACアダプタにも見られる。

更新: 2015/09/03
実用性

2015年現在では実用性はあまりないのでは

本機をサブマシンとして現役使用していた15年前は、メールのチェックや掲示板の読み書き、テキストベースのWebサイトの更新等、まだまだ活用の余地があったが、現在においては、サポートされるOS、またハードウェアも少なくなり、活用の場は極めて限定されるのではないだろうか。
往時を偲ぶソフトウェア資産の動態保存用などにはまだまだ活用の余地があるのではないかと思われる。

更新: 2015/09/03
残念なところ

HDD540MBの壁、旧規格のPCカード。また音源非搭載なのも×

前述のとおり、本機のハードディスクインターフェースは旧IDEである。
すなわち、搭載可能なハードディスクの容量上限が540MBである。
以降の98ノートは、インターフェースがE-IDEになり、4.3GB(一部8.4GB)までのハードディスクが搭載可能となり、15年前当時としては(十分とまでは言えないが)そこそこ快適に使用できる容量まで拡張できていた。

また、本機はPCカードスロットを1基搭載し、拡張性が上がった。
しかし、この規格は、PC-9801型番の98ノートの搭載していたRAMカードスロットとは互換性がなく、また、PCMCIA2.0/JEIDA4.1という規格のため、後年発売されたPCカードはそのほとんどが公式には動作できないでいた。
(REX-9835等のSCSIカード、また一部のモデムカード、LANカードは動作した)

HDインターフェースがE-IDEであれば、またPCカードの規格が新規格であれば、無線LAN時代になっても延命を図れた可能性があるだけにこの点は非常に残念である。

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    1999年11月頃

  • 購入場所

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