人生を俯瞰すると、一生のうちに乗れるクルマはかなり限られます。20歳から80歳までの60年間として、5年ごとなら12台、10年なら6台。実際はそれよりも少ない人も多いですよね。
なので、私はあらゆるタイプのクルマを所持したいと思っています。
このS2000は、オープン、2シーター、FRという要素をまとめて経験できる1台でした。悲しい別れになりましたが、今でも一番乗り直したい1台です。
まあまあやばい12万キロの中古車でした
いまや1999年式の初期型でも200万超えですが、当時は100万の個体も結構ありました。幌が破れてたり10万キロ超えだったりと、100万出すにはちょっと…でしたが、もう乗る機会もないだろうということで決断しました。
実は、最初に東京モーターショーでコンセプトが出たときには、全然いいと思いませんでした。ロングノーズはいいとして、ライトのデザインと平べったすぎるボンネットがどうしても好きになれず。実は当時探していたのもRX-7とかで。
でも、不思議なことにあのクルマ、乗ってみると全然イメージが違うんです。ライトのわずかな膨らみが視界に大きく影響しますし、低く構えたポジションが一体感を感じさせてくれました。
外から見るのと座ってみるのではまったく異なる印象に、意外性から一気にハマり、思わず購入してしまいました。
あらゆるネガを帳消しにする、ホンダのFRという特別感
実際に乗ってみるととにかく所作のすべてが楽しい。
6速ミッションはガリガリな神経質なタイプで、ミッションオイルも結構気を使いました。エンジンオイルもモービルワンをかなり早めに換えていました。
基本フルノーマルでしたが、何かをいじることの怖さを感じていました。当時もう二度と手に入らないだろうと思われていたので、壊れた部分をメンテするだけ。すでにピストンとかは出てこなくて、某シャップが買い占めたりもしてて。
でも、出勤にも使って、ほぼ毎日乗れたのもよかったですね。
この人生で乗れてよかった
残念ながら、現在のクルマの安全性や環境への配慮などから、電子制御の一切ない、こんな薄いクルマはもう生まれません。
販売台数も、初年度の1999年こそ多かったものの、そもそもオープン2シーターということもあって、実はそんなに売れてません。2.2リッターになった後期型もそれほど売れず、希少価値は必然的に上がりまくってます。
最近はアメリカに持っていかれてしまい、日本のタマも減りつつあります。
壊れる危険があっても、乗ろうと思えば乗れます。でもそれに200万はなかなかきつい。それも、一番安くて200万です。ちゃんとしたやつは300万超えます。
その意味でも、本当にあのタイミングで乗れてよかった。
そして、どれだけいろんなクルマに乗っても、あのクルマを超えるものは多分ない。その時々に乗ってきたクルマ全部がそうなんですけどね。
あらゆる意味で「特別」な、一生また乗りたいと思ってしまう、まさに依存し続けている1台です。
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購入金額
1,000,000円
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購入日
2008年04月05日
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購入場所
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