所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。TV番組という目と耳からの刺激を放つ影響力の強い媒体。その番組のテーマソングもまた、視覚と聴覚の合わさった刺激で、強く心に刻まれるものです。曲を聴けばその番組のシーンやストーリー、熱演した俳優の顔やセリフが浮かぶこともあります。先人の知恵の結晶や護られてきたダイナミックな自然風景を、美しい映像美とともに届ける番組の忘れられないテーマソングをご紹介します。
「世界遺産」。TBS制作による世界各地のさまざまな世界遺産を美麗な映像で紹介するドキュメンタリー番組。1996年から、「世界遺産」⇒「THE世界遺産」⇒「世界遺産 THE WORLD HERITAGE」と表題を変えながらも現在も放送が続いている長寿番組。
壮大な唯一無二の風景、古の人々の英知が詰まった工作物など素晴らしい世界遺産を紹介するこの番組、歴代テーマソングもスケールが大きいものが多いが、単なる「世界遺産」というタイトルだった最初期のこの曲が、テーマソングの方向性を定めた。
ギタリスト鳥山雄司による「THE SONG OF LIFE」。雄大なこの曲、意外なことに、オーケストラバックではなく、打ち込み。参加ミュージシャンは鳥山自身がプログラミングとギター類、サックス系とバスクラリネットを山本拓夫、ピアノを森村献という3人のみ。これであの雄大なロッカバラードをなしていると思うと素晴らしい。
以前、「THE SONG OF LIFE」を収めたオリジナルアルバム
はご紹介したが、本作は様々なアレンジの「THE SONG OF LIFE」を収めた「テーマ集」(一部他曲も収められている)。
まず、「THE SONG OF LIFE (New Version)」。「New Version」というからには「元」があるはずなのだが...ただ「THE SONG OF LIFE」は放送中に若干マイナーチェンジをしているということなので、それが表されているのかも。この曲、生オーケストラで演奏されることも多い曲なので、すっかりそれが刷り込まれていたが、確かに聴きなおすとバック、打ち込みだワ。ただ、後半鳥山のディストーションギターが盛り上がってくると、生オケだと結構大編成でないと太刀打ちできないかな、と。
「THE JOY」は打ち込みバックに生ギターの優しい曲。淡々としたミドルテンポの曲なのだが、それだけに鳥山の奏でる生ギターのメロディが沁みる。ギターが左右で交互に鳴っているので、明らかに多重録音なのだが、巻弦を指が滑る時のノイズが「ライヴっぽさ」を醸し出している。
このアルバムにはいくつもの「THE SONG OF LIFE」が収められているが、一番美しいのは「THE SONG OF LIFE (Piano Version)」かも。「Piano Version」と言ってもソロピアノではなく、ポロン...ポロン...と鳴るギターとPad系音色のシンセサイザーをバックに山本がリリカルなピアノプレイを重ねる。こういうシンプルなアレンジだと、この「THE SONG OF LIFE」の旋律の良さが際立つな。
「世界遺産」のテーマが、鳥山雄司のこの「THE SONG OF LIFE」だったのは、すでに10年も前のことなのだが、番組最初期であったことと、テーマソングであった時代が10年以上と長かったせいもあり、「世界遺産のテーマ」=「THE SONG OF LIFE」という気がする。それは「F1」のテーマソングがいまだに「Truth」であると思われているのに似ているかもしれない。
ただ、それだけ番組の方向性をよく表した耳に残るメロディであった、ということなのかな。
初代冠スポンサーのSONYが映像美を追求する番組としていただけあって、映像は超美麗
ときにこの旋律が無性に懐かしくなって引っ張り出す作品です。
【収録曲】
1. THE SONG OF LIFE (New Version)
2. THE JOY
3. THE SONG OF LIFE (Trip Mix)
4. THE SONG OF LIFE (Piano Version)
5. THE SONG OF LIFE (Guitar Version)
6. UNICORN
7. "WAS IT ALL A DREAM?"~THE SONG OF LIFE
8. THE SONG OF LIFE (Strings Version)
9. THE SONG OF LIFE (Aloha Mix)
「THE SONG OF LIFE (New Version)」
これだけのアレンジ全部が「必聴か」というと...
...そうでもないが、一部のアレンジは心が洗われる。エレキギターを使った壮大なのもよいけれど、5、7、9曲目のような生系ギターをフィーチャリングしたのもいいなぁ...
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購入金額
2,039円
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購入日
1997年頃
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購入場所
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