先日Amazonのタイムセールに出ていたのを見て、標準クラスのズームの足しになればと思い買ってみました。
今までAPS-Cサイズセンサー向けの標準クラスズームはEF-S 18-55mm F3.5-5.6 USMとEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISというローエンドモデル2つであり、実力も価格の割には良質ですが限界は感じさせられますし、中望遠域をカバー出来ないという問題がありましたので。
もっとも、このEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMは1.6倍換算でも28mmをカバーしつつ135mm辺りまでをカバー出来るというスペック自体は申し分ないのですが、肝心な画質が悪いという評判もつきまとっていて、安くなければ買うべきではないともいわれています。端的に言えば
これと同等の画角のAPS-Cセンサー向けレンズということになる訳ですが、画質だけなら前述のローエンドクラスにすら劣るといわれていますので…。
設計の古さは顕著
ボディーはEOS 40Dを組み合わせて、絞りは全て開放値で広角・標準・望遠の作例を用意してみました。全てクリックで縮小無しの画像となります。
全て開放値という厳しい条件ではあるのですが、やはり広角側のボケの汚さは顕著です。広角の作例で左側に葉が映り込んでいますが、いわゆる2線ボケになってしまっていますからね。レンズの径はまずまず広い(フィルター径67mm)のですが、その割に広角側の開放値でF4と明るさもありません。
参考までにEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISでも同じように作例を作ってみました。
EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS 広角端(18mm)
こちらも広角側はやはり汚いですね。個人的には似たようなものでどちらも良くないと感じます。
EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS 望遠端(55mm)
この辺りの画質はEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMの方が良好なようですが、中央部の解像感などは案外良い勝負かもしれません。
安く買えるのならアリ…かも?
標準価格2万円台のEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISと比べても画質面でのアドバンテージが大きくないということを考えると、標準価格で10万円近いレンズとしては出来が悪いというべきです。
確かにEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISではカバー出来ず、物足りなさを感じる辺りの画角をカバーしていたり、USMとISの組み合わせによる使い勝手の良さという長所はありますから、安く買えるのであれば買うのも悪くはないかもしれません。
ボディーをレンズキットなどで買っていて、近い画角のレンズを既に持っているというユーザーが買う意味はほぼ無いと思いますが、標準クラスのズームが何も無いので1本欲しいというのであれば、Canon純正レンズとしては最安値クラスとなる訳ですから購入対象となるでしょう。他にこの辺りの価格帯で買える純正レンズといえば、単焦点のEF 40mm F2.8 STM程度しかありませんからね。
現行のローエンドズームとなるEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMは3万円近辺の製品ですから、それよりも安いと割り切って買うのなら充分にアリといえるでしょう。
後発となるEF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMが評判の良い製品ですので、本来の価格帯で選ぶなら間違いなくこちらでしょう。ローエンドクラスの価格でローエンド程度の製品として割り切って買うのが正しい姿ではないかと思います。
いずれにしても、組み合わせるのであればEOS 40D以前の、古めのボディーの方が無難でしょう。最新のセンサーでは作例以上にアラが目立つことになるでしょうから。
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購入金額
18,800円
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購入日
2015年02月02日
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購入場所
Amazon
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