先日、香港のオーディオアクセサリー・ケーブルメーカーのPWAudioが音質改善効果を謳う端子保護キャップ、Ground-Resonance Type01を発表しました。
これは特殊合金製で、3.3mmまたは4.4mmのイヤフォンケーブル端子に差し込むことで端子を物理的に保護すると共に、音質も改善する効果があるというものです。
本来日本円では11,000円程度の価格帯となる製品なのですが、PWAudioはこの製品のメリットを多くの人に試して欲しいということで、20,800円で販売する代わりに同社製のイヤフォンケーブル(日本での実売価格は最低でも1万5千円以上)をランダムに同梱したラッキーボックスをセットにするというのです。
今までPWAudioのイヤフォンケーブルは試聴したことはあるものの、自分で所有する機会は無かったということで、メーカーの企みに乗って購入することにしたわけです。
ラッキーボックスに入っていたケーブルについてはまた後日紹介することにして、今回は(一応)本題となるGround-Resonance Type01について記述していくことにします。
PWAudioの外箱にオリオラスジャパンがラベルを貼付して出荷している形と思われます。ちなみにType01という名称ですが、今のところ他のタイプは存在していません。後日また展開があるのかも知れませんが。
外観で判断する限り、本当に金属製の端子保護キャップです。樹脂製なら1パック数百円で十分に売れる程度のものでしょう。これが特殊合金(詳細は未公開)製となっただけで何処までの価値を持つのか、早速検証してみたいと思います。
ベースライン付近の変化が最も大きい
今回購入したのは3.5mm端子用となります。これは私が普段4.4mmまたは2.5mmのバランス端子ばかり使っているため、その際に活用されていない3.5mm端子に装着するのが良いだろうと判断したためです。
装着するDAPは私のメインDAP、Cayin N6ii/R01(N6ii/T01のオーディオマザーボードをR01に差し替えたもの)です。
使用したイヤフォンは64AUDIO U6t、ケーブルはBrise Audio STR7Ref. 4.4mm CIEM2pin仕様です。
なお、STR7Ref.については購入時には2.5mm用だったものの、保証期間内に端子が破損してしまったため、Brise Audio側の提案で4.4mm仕様に作り直したものです。
まず「Hope For The Runaway / Kenny Loggins」を聴いてみます。
すると一聴して明らかなのが低域方向の改善でした。特にベースラインの解像度が上がり明瞭で音を追いやすくなります。また全体的な付帯音も多少減るようで音に鮮明さが増すと同時にS/N感が改善します。ただ、意外と中域~高域にかけての変化量はさほど大きくはなく、恐らく多くの人が認識できるであろう変化は低域がより明瞭かつ力感持つようになるということでしょう。
続いて「Waltz For Debby / Bill Evans Trio」を聴きます。
基本的な変化の方向は先ほどの「Hope For The Runaway」と同様です。低域の明瞭度と力感が向上して全体的なS/N感が向上するというものです。ただこの楽曲に関しては、結果的にピアノを弾くビル・エヴァンスとベースを弾くスコット・ラファロの関係性が変わってきこえるようになります。
Ground-Resonance Type01を装着する前にはあくまでビル・エヴァンスのピアノがメインで、スコット・ラファロはその後で頑張って弾いているような印象でした。しかしGround-Resonance Type01を装着すると、スコット・ラファロが2歩くらい前に出てきて、ビル・エヴァンスの真横で対等にフレーズを繰り出しているという印象に変化するのです。
音質が変わるアクセサリー類でありがちな、特定の部分は改善するが実は他の部分は使用前よりも悪くなっていることも多いという感覚は全く無く、低域の改善以外は印象が変わるほどの変化ではないのです。変な副作用が無いという辺りは大いに評価できます。
今回はラッキーボックス分の金額も含まれるため本来よりは高く購入している訳ですが、本来の単品価格から考えればまあ妥当な範囲の変化かなという気はしました。
さすがにケーブル無しでこの価格であればもう少し評価は辛めとなりますが、ケーブルが一時出荷分のほぼ全てが4万円クラス以上だったということを考えれば、十分に納得出来る価格です。
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購入金額
20,800円
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購入日
2025年12月12日
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購入場所
Audio Passion Lounge オリオラスジャパン公式ショップ








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