私が普段使っているレコードスタビライザーはSUNSHINE製のS4Sという製品です。
ただ、これは厳密に言えばレコードスタビライザーとして作られたものではなく、分割型のインシュレーターをレコードの上に載せることが出来るというものでした。
当時試した結果では分割せずに2つ載せると、音が締まる反面音場表現がやや乏しくなるという傾向が見られたため、半分だけを使うようにしていました。
ただ片側だけだと重量が200g程度しかなく、反ったレコードを抑える効果は期待できません。そこで反りがひどいレコードにはaudio-technica製の定番商品、AT618を使って対処していました。
しかし、この2つを用意して使っていても、もう少しここは改善できるのではないかという思いがありました。そこでSUNSHINEから新製品の告知が送られてきた際に、レコードスタビライザーも含まれていましたのでこれを試すことにしました。
MAS-3という型番ですが、外観からは判りませんね。相変わらず高級感皆無のパッケージで届きました。いかにもSUNSHINEらしいところです。
これ、プレート状の部品は以前発売したマグネシウムボールインシュレーターMBI-4の流用っぽいですね。
MBI-4はプレートの間にマグネシウム製のボールが入っていて、それが振動を効果的に抑制するインシュレーターで、社長の進藤さんはスピーカーの下に入れることを推奨されていました。
MAS-3はマグネシウムボールを挟まない代わりに、間を制振シートで固定しているようです。マグネシウムプレート4層+制振シート3層という異種素材の組み合わせで効果的に振動を吸収するということでしょう。
写真のMBI-4とは表面の仕上げが異なりますが、以前進藤社長がデモ用に持参されていた個体はMAS-3と同じような表面仕上げでした。
あと5mm高さを抑えられれば文句なしだった
早速使ってみましょう。いつも通りTechnics SL-1200G+TEAC PE-505+audio-technica AT-OC9/IIIの環境で使います。同じSUNSHINE製マグネシウムスタビライザー、S4Sとも聴き比べます。
適当にレコードを数枚再生してみましたが、未使用状態は言うに及ばず、S4Sと比較してもベースラインやバスドラムの音が大幅に明瞭になります。そして全帯域で付帯音が減るのか、ヴォーカルも楽器も音像がはっきりと描き出されます。
S4Sでは2つ重ねると空間が何か希薄になってしまう感じがしたのですが、MAS-3は使ってもあまり音場の密度が減ったりしないことも好印象です。音質的にはこれまで使ったスタビライザーの中では頭一つ抜けた実力といえます。この類の製品としては比較的安価なのですが、変化量はかなり大きく、その割に副作用が小さいという辺りは大いに評価できます。
ただ、SL-1200Gにターンテーブルシート Acoustic Revive RTS-30を使っているこの環境では致命的な弱点がありました。それはMAS-3を使うとダストカバーが閉まらないということです。
私はWAVファイルに起こしたりする際の再生では埃の侵入を嫌って必ずダストカバーは閉じるのですが、MAS-3をレコードの上に置くとダストカバーに擦ってしまうのです。MAS-3がせめてあと5mm低ければ良かったのですが…。
仕方ないので、家で発掘した数十年前のRCAピンカバーを用意して、ダストカバーしたに入れることで暫定的に対処しているのですが、正直見栄えも使い勝手も良くありません。
前述の通りMAS-3は粘着性の制振シートでマグネシウムプレートを貼り合わせた構造となっているはずですので、最悪の場合1枚剥がしてしまっても良いかも知れません。ただ減った分効果量も減るはずですので、その辺りが悩ましいところです…。
-
購入金額
7,900円
-
購入日
2025年06月13日
-
購入場所
サンシャイン直販







ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。