現在ディスク障害からの復旧中のメインPC、元々は2018年に組んだPCをWindows 11化出来るようにCPU等に手を入れたモノのため、実はストレージ容量は十分とは言えなかった。
M.2 NVMe SSDは512GBのものですら2.5万円が底値、TBクラスは7万円前後していた状況だったので、起動ドライヴを小容量のSSD複数枚で構築することにした。つまり、時間さえかければ再インストールして復旧できるOSおよびアプリ本体系を、512GBのM.2 SSD 2枚のRAID0で速度と容量を稼ぐ一方、頻繁にアクセスするためレスポンスが良い方が望ましいが、データロストでの手戻り・損失が大きいので安全性も欲しいデスクトップやマイドキュメント系のテンポラリーフォルダを、512GBの2.5インチSATA SSDのRAID1と、2種4枚の512GB SSDで複数RAIDで構成したシステム系ドライヴとした(さらに長期保存データ系ドライヴも4TBのHDDを2枚使ったRAID1構成)。
安価機材の寄せ集めながら、当時としては速さと安全性を担保した構成ではあったが、唯一の問題は、「いわゆるCドライヴ」が1TBのRAID0と512GBのRAID1に分散したシステムだったので、バックアップが取りづらく、また、容量アップのためのディスククローンも作りづらいことだった。
今回物理障害で再構築を強制されたことで、単なる障害復旧ではなくWindows 11時代も闘える容量に増強することにした。現在では2TB以上のSSDも充分手が届く価格に落ちてきたので、システムに関してはバックアップが取りやすいよう、RAIDレスで行く方針は比較的初期に立てていた。
それを実現するため、当初2TBのSSDをOS系に、1TBのSSDをテンポラリ領域にと分けて考えていたが、QLCながら4TBのSSD
が比較的安価に手に入ったので、「4TBもあればOS系とテンポラリ系一緒にしてもOKかな」と思っていた。
...転居時のディスク物理障害までは。
今回、不幸中の幸いで、障害時復活が困難なRAID0部分は損傷を受けなかったが、テンポラリ系とデータ長期保管系のRAID1のSSDとHDDが1枚ずつ損傷した。特に物理刺激にはHDDより強いと思っていたSSDが逝かれたのは、使用ケースCORSAIR Carbide Air 540
の2.5インチベイはネジ固定ではなく「9mm厚対応のツールレスはめ込み式」の固定で、7mm厚だと若干ガタガタ動く状態だったとは言え、衝撃的だった。
ただ逆に、6枚のストレージ中2枚にも障害が起きたのに、全くデータロストがなかったので、データ二重化やリスク分散の恩恵も実感することになった。
そこで、やはりシステム系はOS・アプリ系とテンポラリ系は分けることにして、以前比較的安かったのでデータ避難用ドライヴにしようかと購入していた2TB SSDを出してきた。
それが、OS系ドライヴと同系統のCrucial P3 SSD、CT2000P3SSD8JP。容量は2TB。

国内正規輸入品。P3 Plusとの差はラベルの名称と速度表記くらいしかない。

相変わらずSSD固定ネジが添付されているのがCrucialらしい。
先に紹介した4TBのOS系ドライヴ P3 Plusは、PCIe 4.0対応でシーケンシャルリードは4,800 MB/sに達する品だが、本品はPlusではない「素の」P3なので、PCIe 3.0対応でシーケンシャルリードは3,500 MB/s止まり。ただ、M/BのASUS ROG ZENITH EXTREMEがPCIeは3.0×4規格なので問題なし。SSDはほぼ全面表も裏もラベルで覆われていて、チップ類の詳細はわからない。
ただ世の情報では、コントローラチップはP3 Plusと同じPhisonのPS5021-E21T。NANDは当然自社Micron製の176層の3D NAND N48R FortisFlash、タイプはQLC(特に小容量のP3系はマレーシア産だとTLC NAND採用個体の報告もあるが、メキシコ産はすべてQLCのはず)。以前のQLCは寿命が極端に短かったが、最近はソコソコTBWもあって、440TBW。一番書き換えが多くなるテンポラリスペース用に使うので、毎日ガッツリ100GB書き換えたとしても10年以上は保つ計算なので、ま、安泰かな。それよりキャッシュメモリチップレスで本体NANDを疑似的にキャッシュメモリとして使うSLCキャッシュ(HMB)形式なので、2TBの容量ぎりぎりまで使うことないようにしないとね。
速さ的にはこんなもん(↓)。例によって、オープン型M.2 ケース?裸族の頭
に載せてUSB接続したものと、M/BのM.2スロットでのNVMe接続。またNVMe接続の方は、前任テンポラリドライヴであるSanDiskの2.5インチSSD、SD9SB8W-512G-1122のRAID1構成と比較のために当時と合わせてCrystalDiskMarkの6系でもスコア取ってみた。
【USB3.2 Gen2接続-裸族の頭経由-】

なぜかSEQ1M Q1T1だけ成績悪いのはP3 Plus(4TB)と同傾向
【NVMe-PCIe 3.0×4-接続】

読み込みはカタログ値の3,500MB/sに届いてないが、書き込みはそれ(3,000MB/s)を凌駕。
【NVMe-PCIe 3.0×4-接続】CDM6系の結果

こうして見ると、CrystalDiskMarkは同ヴァージョン同士でないと比較が難しいな
《対照 前環境 SD9SB8W-512G-1122のRAID1構成》※CDM6の数値

SATAのRAID1⇒PCIe3.0とは言え、NVMe接続のシングルSSDでは..あれ?意外に??
USB3.2 Gen2接続は、いわゆる諸元表に記されるSequential Read/Wite値(SEQ1M Q8T1)は、ほぼSATA接続の上限値(SATA6(SATA 3.0)のデータ転送速度の理論値は最大6.0Gbps。 しかし制御情報を付加する関係上、実効転送速度は600MB/s程度が上限と言われている)。ただ、システム系ドライヴとして4TBのP3 Plusを使っているが、それと同様なぜか読み込みのSEQ1M Q1T1だけ成績悪いのはこのP3系のクセなんだろうな。
その傾向はNVMe接続でも同じで、Sequential Read値(SEQ1M Q8T1)は、カタログスペック(3,500MB/s)の95%程度、Sequential Witeに至ってはカタログスペック(3,000MB/s)を超えるようなスコアなのに、Sequential ReadのSEQ1M Q1T1だけが同Wite値の半分以下しかない。
前環境と比べると、SATA6.0とは言え、RAID1を組んだ小容量SATA SSDと、QLCとはいえ発売時期が5年以上後のNVMe SSDでは勝負にならないかと思われたが、さすがにSequential系はぶっちぎりの結果も、意外にRandom系の数値は大差ない結果に
...むしろ一部指標は旧環境の方が速い?? (^^;
ただ今回の交換で、
・システム系SSDは、RAIDをやめて、容量増強やクローン化がしやすいシングルSSDに
・大容量化(システム系は、OS系が1TB⇒4TB、テンポラリ系は512GB⇒2TBと、ともに4倍量)
と当初の目的は達したので、当面これで行く予定で。
【CT2000P3SSD8JP諸元】
容量:2TB(2000GB)
DRAMキャッシュ:なし
Host-Memory-Buffer(HMB)容量:64 MB
フォームファクター:M.2 2280(片面実装)
インターフェース:PCIe 3.0 x4
プロトコル:NVMe 1.3
NANDフラツシュ:Micron N48R FortisFlash
タイプ:176層QLC
コントローラー:Phison PS5021-E21T
速度:Sequential Read=3,500 MB/s、Sequential Write=3,000 MB/s
耐久性:440 TBW
MTBF:150万時間
保証:5年間
いわゆるカタログ値は悪くないが、一部指標が遅いのは...
コントローラもNANDも同じで制限がかかっているか否かの違いと言われるP3系(P3とP3 Plus)、ベンチマークの一指標でしかなく、実使用感は別とは言うものの、Sequential ReadのSEQ1M Q1T1だけが突出して遅いのは気になる。
QLCとは言え、TB単価9千円ならわるくない
本来倉庫用として確保したものなので、スピードを求めるのは酷か。
倉庫用(書き込み中心で、静態保存が多い)なら全く問題ない。
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購入金額
17,980円
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購入日
2024年08月10日
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購入場所
Amazon


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