本来今年の夏にしようと思っていたメインPCのWindows 11(Pro)化、転居時の輸送業者の雑な作業によるストレージ系の物理障害を理由に、予定外に半年早く始めることになったが、実はパーツ類は分散して購入してあり、ほとんど新規に購入する必要はなかった(継続使用をあてにしていた光学ドライヴまで逝ったのは、予定外だったが...)。
元々メインPCは、2018年のAMD Ryzen Threadripper 1950Xのプレミアムレビュー
を起点として組んだ(正確には組み直した)PCが元。
それからWindows 11対応にするため、CPUをAMD Ryzen Threadripper 2990WX
に替えたり、当初必須要件だったTPM(Trusted Platform Module)2.0の物理モジュール
を積んだりしてOSアップデートへの布石を打ってきたが、一番のネックはストレージ容量だった。
最近は動画一つで二桁GBの容量のものも珍しくないため、2018年当時のストレージ量では全く足りない。
当時、一部のアヤシイ大陸系メーカーは別として、通常の特価(開店記念数量限定品などの特殊なものを除く)で、512GBクラスのM.2 NVMe SSDが2.5万円~、2.5インチ SATA SSDが1.5万円~という時代。
構築後数年を戦える容量を確保ということで、メインドライヴは最低1TBは欲しかったのだが、TBクラスのNVMe SSDは当時7~8万クラス、2.5インチ SATAタイプでも4万円ほどで、なかなか手が出なかった。
そこで、Windowsやプログラムなど、クラッシュしても(時間と手間をかければ)再インストールが可能な部分と、デスクトップやドキュメントフォルダなど、作業中のファイルを置くことが多く、障害を受けると被害甚大なものとに分けて、前者を512GBのM.2 NVMe SSDを2つ束ねたRAID0で容量を稼ぎ、後者をM.2タイプよりは遅いがHDDよりはるかに速く、それでいてM.2タイプより安価なSATAタイプのSSDをRAID1で多重化するという、512GBのSSDを2種4枚使って、およそ1.5TBのRAID SSD群として使うことにした。
この構成は比較的少額の順次投資で済み、当時まだ意味不明なデータ欠落などの報告もあった未成熟なSSDというストレージ1枚に頼りすぎることなく、1.5TBという構築時点の2018年としては十分な容量の、比較的速く安全度の高い「いわゆるCドライヴ」が確保できたので、その時は最適解だったのだが、RAID多用の構成のため、簡単にディスククローンが作れず、構成変更が難しいという弱点も抱えた構成だった。
それゆえ使用を続けていくうちに、ルーチン的に?ダウンロードした動画ファイルやリッピングしたFLACファイルを外付けストレージに逃がす、という作業が発生することになった。それが年を追うごとに、各種動画などのファイルサイズが大きくなり、メインドライヴにもプログラムなどもいろいろ溜まってスキマも少なくなってきた結果、昨年末ごろは実に週に1回以上のペースで「退避作業」が発生するようになってしまった。
そこで、Windows 11化するときは、システム系は最低2TB以上、できればメインシステムを2TB、デスクトップなどテンポラリ領域を1TBは確保したく、ここ1年ほど特価情報やセール情報を参考にストレージを買いためてきていた。
そんな中、昨年末の購入店のセールで思っても見なかった大容量のSSDが比較的安く出たので掴んでおいた。
それがCrucialの4TB NVMe SSD、グレードはP3 PlusのCT4000P3PSSD8JP。
Crucial P3系は従来のP2に替わるエントリーグレードのSSD。キャッシュ用のDRAMレスで、メインメモリの一部をキャッシュとして使うHMB(Host Memory Buffer)形式をとるSSD。そのため実際の「書き込み」行為以上に寿命をすり減らす可能性はある。また、NANDはMicron製の176層3D QLC NAND。今までQLCはTLCに比べて寿命が短く、それでいてそこまで安くなかったので、避けていたものだが、4TBともなるとQLCでもTBWは800TBにも達していて、毎日100GBクラスで書き換えしても寿命は10年は軽々超えるわけで、まあいいかと。10年までいくと「最後のWindows」だったはずのWindows 10をしらっと亡き者にしたMicrosoftは、きっとWindows 12とかWindows Nextとか出してそうなので、きっと本体も更新していると思い、TB単価1万円切りなら十分だと今回許容することにしたわけ。
なお、今回はベースとなるM/B、ASUS ROG ZENITH EXTREME
のM.2スロットがPCIe3.0×4接続にすぎないので、PCIe4.0×4対応の「P3 Plus」である必要はなく、素のP3でよかったのだが、この時のセールはP3 Plusだけが対応だったので、無意味に?PCIe4.0×4対応のP3 Plusを購入。
開封してみると、さすが積層度が高いNAND採用しているだけあって、4TBなのに片面実装。これはノートPC内蔵などには有利に働くので、純正SSDを本格使用前から4倍の2TB
に上げて使い始めたものの、プラグインが増えてきて、すでに容量圧迫しつつある音楽専用PC(HP Pavilion Aero 13-be)
の次のストレージ換装にはよいかもしれない。なお、最近他メーカーではパーツ購入のSSDの製品内容は、SSD本体だけというのが多いのに、固定用のネジがついてくるのは、SATA SSDに最後まで7mm⇒9mm変換アダプターを同梱していたCrucialらしい。

マレーシア産のP3 PlusにはTLCタイプもあるらしいけど、メキシコ産だから確実にQLCだな~
性能的にはこんなもん(下記)。Windowsを入れる前のUSB接続(NVMeSSD対応の裸族の頭⇒M/B背面のUSB 3.2 gen2対応のType-Cポート直結)と、Windows 11導入後、M/BのM.2スロットに装着した時の速さ。なお今回、RAID0対応クローンツールを使ってシステムを移したため、M/Bからの認識上RAIDモードのまま使っているので、速度計測に影響した可能性はある。
まず今まで一番データ蓄積が多い「M.2 NVMe SSDをUSB接続で外付けドライヴとして使った場合」のデータだが、インターフェース上の上限値をたたいているのか、Sequential Read=3,400MB/s、Sequential Write=3,200MB/sのPCIe 3.0×4のSSDと比べても大差ない(本品はSequential Read=4,800 MB/s、Sequential Write=4,100 MB/s)。
【USB3.2 Gen2接続-裸族の頭経由-】

裸族の頭経由のUSB3.2gen2接続。なぜかSEQ1M Q1T1だけ成績悪い
《対照 KIOXIA EXCERIA PLUS NVMe SSD 1TB(SSD-CK1.0N3P/N)》

いや、むしろPCIe 3.0×4のSSD-CK1.0N3P/N(初代)の方が速くね?
一方、NVMe接続の場合はM.2 NVMe SSD 2枚のRAID0構成だった旧環境と比べると、カタログ上のトップスピードとして使われるSEQ系はRead、Writeともに及ばないが、ランダム系の指標はRead系はほぼ同等。WriteはRAID0を組んでいたせいか、従来のPlextorのPX-512M9PeGN×2の構成の方がやや速いという結果...かと思ったが、条件を合わせてP3plus 4TBをCDM6系で計測してみると、旧環境に比べてReadも遅いな。Write程ではないけど。
【NVMe-PCIe 3.0×4-接続】CDM8系の結果

ソコソコの速度だが、こちらもSEQ1M Q1T1だけミョーに遅い。
【NVMe-PCIe 3.0×4-接続】CDM6系の結果

CDM6系でスコア採り直したら、RAID0の旧環境より順当に?遅いな
《対照 前環境 PLEXTOR PX-512M9PeGNのRAID0構成》※CDM6の数値
ただ、購入価は当時の12~16TBのHDDと同等ということで、容量的には3~4倍のHDDとトントン。前環境の512GBのNVMe SSDを購入した時には、同時期に発売された6TB HDDとほぼ同価格だったことを思えば、SSDも安くなったというべきか、HDDはもう底値打ってこれ以上下がらないというか、本品購入タイミングが良かったのかは解らないが、いずれにせよ4TBあれば当面安泰なメインストレージとして使えそう。
また、今まで多く購入してきたキャッシュ用DRAM付きのTLC SSDに比べると、(特に旧世代の)キャッシュメモリレスQLC SSDは転送中に急に速度が下がるという問題(SLCキャッシュ容量オーバーフロー)があったけれど、流石に4TBあれば当面大容量のSLCキャッシュが確保できるだろうから、スピードも保てるとの見通し。
ま、1枚のSSDになったことで、大容量化や刷新もしやすくなったので、不具合や速度低下の不都合が出るまで、向こう数年はこれで行こうと思います。
【CT4000P3PSSD8JP諸元】
容量:4TB(4000GB)
DRAMキャッシュ:なし
Host-Memory-Buffer(HMB)容量:64 MB
フォームファクター:M.2 2280(片面実装)
インターフェース:PCIe 4.0 x4
プロトコル:NVMe 1.4
NANDフラツシュ:Micron N48R FortisFlash
タイプ:176層QLC
コントローラー:Phison PS5021-E21T
速度:Sequential Read=4,800 MB/s、Sequential Write=4,100 MB/s
耐久性:800 TBW
MTBF:150万時間
保証:5年間
PCIe 4.0×4対応SSDとしては今一歩
ベースとなったM/Bのインターフェースの制限もあるだろうが、RAID0を組んでいたとはいえ、以前の小容量PCIe 3.0×4 SSDとの比較で、ほとんど勝てる要素がない。
購入価なら問題なし(通常価格だとあまりよくない)
購入価(約36千円)や、つい先日あった破格値(33千円)のあたりで購入できれば悪くない。
一方、キャッシュレスのQLC SSDなので、40千円超えるあたりの通常価格だと、うーんという感じかな。
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購入金額
36,643円
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購入日
2024年12月01日
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購入場所
Amazon



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