一時期、NVMe⇒USB変換 M.2 SSD外付けアダプター(裸族の頭 M.2 SSD CRAM2NSU32)
経由で一時的に接続し、PCのストレージが溢れたときにデータを逃がすための倉庫用SSD用を探していたときにいろいろ試したSSDのひとつ。
現在のcybercatの倉庫用SSDの定番は、KIOXIA EXCERIA G2 NVMe SSD(SSD-CK1.0N3G2/N)。
東芝メモリの血を引く国内系メーカーで、三重県四日市市(もしくは岩手県北上市?)の工場で生産された3D TLC NANDを使っていて、国内生産品応援も出来る。さらに、廉価な上に物理キャッシュも搭載していて、転送速度の落ち込みも少ないと、M.2 NVMe接続したときのトップスピードが凡庸であること以外はほぼ死角がない。
かつて次点としていたCrucial SSD P2
は、EXCERIA G2を下回るほど安かったときには、選ぶこともあったが、現在P2は廃番となり、後継のP3は、EXCERIA G2よりだいたい2~3割高い上に、(これはP2時代からだが)NANDがQLCで物理キャッシュレスとなれば選ぶ理由がまったくない。
cybercat家でのHDD使用の比率が高いWDは(つか、数年前東芝の内蔵型、昨年Seagateの内蔵型が相次いで天に召されたため、稼働しているWD以外のHDDは東芝の外付け型1台のみになってしまった)、SSDも性能的には良いのかも知れないが、廉価レンジ製品が耐久性や保証に難があるWD Greenのみで(1TB版の場合耐久性100TBWで3年保証)、その上のWD Blue系はG2より大幅に高く、一度クラスの中では下位ながら、性能的にはEXCERIA G2を大幅に上回予るWD Blue SN570
を検証してみたものの、USB変換して使う場合、性能はG2と全く変わらず、「倉庫用SSD」としては「価格に見合った性能」ではなかった。
そんなわけで、倉庫用SSDの8割くらいがEXCERIA G2なのだが、その上位のEXCERIA PLUSを試したことがある。2024年現在ではすでに廃番で、後継のEXCERIA PLUS G2、もしくはそのPCIe Gen4 x4接続版の同G3にその座を譲り渡しているが、2023年末に在庫一掃セール?が行われ、EXCERIA G2とほぼ変わらない価格で販売されたので、試しに掴んでおいた。
EXCERIA PLUS(上)と同G2。G2のオレンジに対して、PLUSは空色がテーマカラー。
表側?から観るとコントローラーの色が違うほかはラベルくらいしか差異がなさそうだが...
そのEXCERIA PLUSは、
・新設計の8チャネルコントローラ採用
・3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH TLC」採用
・大容量のDRAMキャッシュ搭載
とあたりをウリに出てきた機種。このとき対照になったのはG2になる前の「素の」EXCERIA NVMe SSDなので、現在の「標準倉庫用SSD」であるEXCERIA G2より「前の」世代の「上位機」がどれほどの性能を示すか興味があったわけ。
内容物的にはEXCERIA G2と変わらず、SSD本体と説明書の類いだけ。ただ、同じ1TBのEXCERIA G2と比べて明らかに違うところは、両面実装であること。チップ類の型番を読むと
・コントローラーはKIOXIAの刻印があるTC58NC1201GST-02-BB
・キャッシュメモリはK4A4G165WF-BCTDで、Samsung製のものが表裏2つ
・NANDはTH58LJTとあるものが8つ
コントローラーはKIOXIA刻印だが、PhisonのPS5012-E12。
TH58LJTの刻印のあるNANDは、96層のBiCS4 TLC。
コントローラーはKIOXIAの刻印があるが、東芝の資本が入ったPhison製だとの話なので、Phisonコントローラーチップに適合したflash idツールを使って中身を読んでみたところ...
・コントローラーはPS5012-E12(Phison)で、フラッシュチャンネルは8
・キャッシュメモリは、クロック1600MHzのDDR4が1024MHz
・NANDはToshiba 96L BiCS4 TLC 16k 256Gbが32セット
という結果に。
同じKIOXIAのEXCERIA G2も読ませてみると...
・コントローラーは同じPS5012-E12(Phison)ながら、フラッシュチャンネルは4
・キャッシュメモリは、クロック1600MHzのDDR4が1024MHz
・NANDはToshiba 112L BiCS5 TLC 16k 512Gbが16セット
とでた。
G2のコントローラー周り。flash idツールでは同じPS5012-E12と出るが、刻印は1ケタ違う。
コントローラーは同じPhison PS5012-E12ながら、PLUSは8チャンネル、G2は4チャンネル。キャッシュは同じ1600MHzのDDR4で、容量は1ギガバイト(ただしG2がSK hynix製のチップ一つで実現していたのに対して、Samsung製のチップ2つで担保)。NANDが一番違って、PLUSは東芝の96層BiCS4 TLCの256Gb品(32GB)×32で1024GB。一方世代が新しいG2は、同じ東芝のNANDだが、112層BiCS5 TLCの512Gb品(64GB)×16で1024GB=1TBを実現している。
このNAND容量の違いで、PLUSは両面実装、G2は片面実装となっているわけ。つまり、G2の方がNANDの世代が新しいので集積度が高く、少ない部品点数で構成できる(安価になる)が、PLUSは旧世代のNANDを並列に使って数の暴力で殴って性能向上を得る手法。
その分PLUSは重く、G2の実測約7gに対して約10g。
カタログスペックの比較としては、PLUSは世代としては一つ前ながら上位ラインなので、例えばSeq ReadはG2が2,100 MB/sに対して3,400 MB/sとまだ勝っている。
それではと実際の使用シーンにあわせて、USB接続M.2 SSD外付けアダプター(裸族の頭 M.2 SSD)に載せて計測してみた。
...が。
■KIOXIA EXCERIA PLUS NVMe SSD 1TB(SSD-CK1.0N3P/N)
旧世代とはいえ上位機種のEXCERIA PLUSは、G2より遅い指標こそ無いが、ほぼ微差
▢参考:KIOXIA EXCERIA G2 NVMe SSD 1TB(SSD-CK1.0N3G2/N)
こうして見ると高くても1万切り、安ければ5千円チョイのEXCERIA G2のコスパが光る
▢参考:WD Blue SN570 1TB(WDS100T3B0C-EC)
EXCERIA PLUS並のカタログスペック、SN570も宝の持ち腐れ
▢参考:Crucial SSD P2 1TB(CT1000P2SSD8JP)
ほぼ横一線の3機種に対して、QLCノンキャッシュのCrucial P2だけ明確に遅い
カタログスペックでは、対G2比較でおおむね1.5倍は速いはずのPLUSは、この環境下では完全に誤差の範疇。Crucial SSD P2のように一部の性能が落ちるということもなく、ほぼイーブン。ついでに言えば、PLUSと大差ない最大シーケンシャル読み出し能力3,500MB/sを誇るWD Blue SN570とも差がない。
裸族の頭 M.2 SSD経由のUSB3.2 Gen2接続では、このあたりが上限っぽい?
...ということで、当面cybercatの倉庫SSDの座は、国内系メーカーで、国内産部品や日本資本が入った部品を使い、TLCで物理キャッシュありと、ハード面で利が多いKIOXIA EXCERIA G2に決定!
【SSD-CK1.0N3P/N仕様】
インターフェース:PCI Express Base Specification Revision 3.1a (PCIe)
NAND型:BiCS FLASH TLC
キャッシュ:DDR4-2666(CL19-19-19)1024 MB
最大シーケンシャル読み出し:3,400MB/s
最大シーケンシャル書き込み:3,200MB/s
最大ランダム読み出し 4KB:680K IOPS
最大ランダム書き込み 4KB:620K IOPS
耐久性:400TBW
信頼性MTTF:150万時間
製品保証:5年
フォームファクター:M.2 Type 2280-D3-M
重量:10.0 g
購入価なら文句なし
ただし、USB3.2接続では実力が活かせない
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購入金額
6,580円
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購入日
2023年10月14日
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購入場所
Amazon
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